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塔のエレベーターで上昇する最中も
目を輝かせて手にしたスライムを見つめるお嬢。
こんな子供の様な純粋無垢な表情もするんだな。
そんな感想にしみじみ浸っていると
エレベーターが小屋に到着し、
それと同時に扉を開いてかけてゆくお嬢。
「お爺様大変よ!大発見!!!」
そういって台所で朝食の準備をしていたのか
エプロン姿のお爺さんにスライムを見せるお嬢。
「ふむ、ここ最近雨は降っておらんかったのに
スライムとは珍しい。」
「それだけじゃないの!このスライム鳴くのよ!」
お嬢がそう説明すると図ったかのように。
「な!」
そうお爺さんに挨拶をするスライムさん。
「何と!これまた珍しい!!!
世界各国を歩いては来たが、
鳴くスライムなど聞いたこともなかったわい」
スライムさんを目を点にして見つめるお爺さん。
どうやらホントに珍しいらしい。
そしてお爺さんの感想を聞いてさらに喜ぶお嬢。
「ね、お爺様お願い。この子飼ってもいいでしょ?」
「あぁリサがそうしたいなら・・・か、構わんが。」
喜ぶ孫の顔に微笑んでいたお爺さんだったが、
物陰からことの顛末を見守っている私と視線が合うと
急に言葉が濁り始めた。
あ・・・お気になさらず。
私が一歩物陰に退くのを見やると、
お爺さんも苦肉の表情でお嬢へ視線を戻す。
「あ、そうだ!名前つけてあげなきゃね!」
昨日の私の時のテンションとは一変した心配り。
・・・おかしい。
あのスライムさんのいる位置は、
私のポジションではなかろうか?
「そうね・・・。スライムちゃんは
シャンティとヴァティーどっちがいい?」
ほほう。
まぁ女の子的ないい名前じゃないですか?
まぁ?でも?
私にはお爺さんの渋みの極まったカニ太郎という
古風なお名前があるからいいんですけどね!!!
一人そんな張り合いをしていると、
スライムさんが私の事を示してくる。
「な、なーな!」
「カニ太郎がどうしたの?」
「な!な!な!」
『カニ太郎』の名前に反応するスライムさん。
気でも使ってくれているのだろうか?
「え・・・あんなのがいいの?」
「な!」
まさかのスライムさんからのリスペクト。
何て気遣いの出来るスライムなのだろうか。
先ほどまで妬みの視線を送っていた
自分が恥ずかしくなる。
「ふふ、仕方ないわね。
じゃあ今日からスライムちゃんが『カニ太郎』ね」
「「!?」」
え?そういうこと!?
まさかのお嬢の天然返答に一同が驚く中。
「じゃあ、あんたは今から『次郎』で」
「「!?!?」」
確かに呼び名はかぶるけれども!!!
まさかの改名の衝撃に動けなくなる私。
そして全力でフォローを入れてくる
スライムさんとお爺さん。
こうして激動の命名論議の後にスライムさんの名前が
『スラ子』に決定されたのだった。




