第33話 【招待状】王城への招集。ドレス(ナノスーツ)でパーティーに殴り込みです【現在位置:王都スラム街・ミリア様邸(超ハイテク防衛要塞)】【環境スキャン:室内温度22度、湿度50%。異常なし】【当機
【現在位置:王都スラム街・ミリア様邸(超ハイテク防衛要塞)】
【環境スキャン:室内温度22度、湿度50%。異常なし】
【当機の裏タスク:王城夜会出席に向けた『マスター完全防護用フォーマルドレス』の緊急錬成】
「えええええええっ!? お、王城のパーティー!??!?」
リビングに、マスター(ミリア)の絶叫が響き渡った。
手渡された金箔押しの豪華な招待状を二度見、三度見しながら、ミリアは頭を抱えて畳の上(※当機が敷設した最高級畳スペース)を転がり回っている。
「む、無理だよ無理無理! 私、スラムの孤児なんだよ!? ドレスなんて持っていなさすぎるし、ダンスもマナーも全然わからないもん!」
「そうだぞミリア! 王城のパーティーなんて、貴族様たちが気取って固いパン食ってるところだろ! 俺たちが行ったら『ドブネズミ』って追い出されちまうぜ!」
レオが『少し良い鉄の剣』を構える真似をしながら、身震いしてみせる。
クロエも腕を組み、難しそうな顔で溜息をついた。
「そうね……。いくらギルドマスターや騎士団長さんが平伏したからって、王宮の意地悪い貴族たちが私達を歓迎してくれるとは思えないわ。むしろ、スラムのあたしたちを笑いものにする気なんじゃないかしら」
「……肉。うまいの、あるなら……行きたい」
ガイツだけはマイペースにポツリと呟いていたが、ミリアの不安は募る一方のようであった。
【マスターのストレス値を検知:微増】
【原因:不適切な衣類の欠如、および未知の社交場における心理的圧迫感】
【対応策:当機の全演算リソースを投入し、完璧な『ドレスコード』および『防衛機能』を提示します】
当機は静かに一歩前へ出ると、優雅にお辞儀をした。
「マスター、ならびに皆様。ご安心ください。貴族の夜会における衣類、およびマナーに関する課題は、すでに当機により完全な解決策が用意されております」
「えっ? 解……解決策?」
ミリアがパチパチと瞬きをする。
当機はパチンと指を弾いた。
【ナノマシン分子錬成プラント、起動】
【高密度対消滅繊維・ナノカーボン織物の生成を開始】
空間から無数の光の粒子が集まり、ミリアの目の前に『一着のドレス』と『3着のタキシード』が瞬時に姿を現した。
「「「な、なんだこれぇぇぇぇぇっ!?」」」
子供たちが目を見開いて叫ぶ。
ミリアの前に浮かび上がったのは、夜空の星々をそのまま織り込んだかのように繊細に輝く、白銀と瑠璃色の最高級ドレスであった。
絹よりも滑らかで、宝石よりも眩いそのドレスは、見た者の言葉を失わせるほどの気品と圧倒的な美しさを放っている。
「うわぁ……! 綺麗……! 何これ、お空の星みたい……!」
ミリアが吸い寄せられるようにドレスに手を伸ばす。
「こちらは『対消滅バリア内蔵・極上ナノテクパーティードレス』でございます」
「名前に物騒な単語が混ざってるよ!?」
当機は表情ひとつ変えずに、性能の解説を開始した。
「本ドレスは、見た目こそ最高級のシルクドレスでございますが、以下の機能が標準装備されております」
【1:絶対防衛機能】
あらゆる物理攻撃、魔法攻撃、毒物、液体(嫌がらせのワイン等)を100%弾く撥水・対消滅フィールドを常時展開。
【2:環境・衛生管理機能】
着用者の体温を常に最適に保ち、汗や汚れ、悪臭をナノマシンがコンマ一秒で分子分解。
【3:全自動運動・マナアシスト機能】
着用者の脳波を微弱スキャンし、歩行・ダンス・食事における『最高峰の王族マナー』を筋肉へ自動介入・実行。
「つまり、マスターはただ立っているだけで、世界で最も気品溢れる『本物の姫君』として振る舞うことが可能でございます」
「すごすぎるけど……! すごすぎるけど、それ着て踊ったら体が勝手に動くってこと!?」
「ええ。マスターがダンスのステップを存分にお楽しみいただけるよう、当機がパーフェクトにサポートいたします」
さらに当機は、レオたち3人にも洗練された黒と銀のタキシードを手渡した。
こちらも一見すると最高級貴族の仕立て服に見えるが、内側には高周波耐性装甲と防弾ナノクロスが仕込まれている。
「さあ、マスター。お着替えのお手伝いをさせていただきます」
「あ、う、うん……! よろしくお願いしまーす……!」
***
数分後。
「着替え……終わったよ、みんな……」
着替え用セクターの幕が静かに開き、ミリアが少し照れくさそうに歩み出てきた。
「「「……っ!!」」」
部屋にいた全員が、息を呑んで固まった。
そこにいたのは、さっきまでスラムでイチゴのタルトを頬張っていた少女ではなかった。
透き通るような白銀のドレスを身に纏い、繊細なレースとナノ発光の光彩が、彼女の可憐な容姿を神々しいまでに引き立てている。
首元には、縮退炉の微弱エネルギーを宝石に偽装した『星屑のペンダント』が美しく輝いていた。
泥にまみれていたはずの孤児の少女が、今や世界中のどの王国の第一王女よりも、高貴で、儚く、尊厳に満ちた「真の姫君」へと変貌を遂げていたのだ。
「む、昔の服と違って、すごく軽くて……ふわふわして温かいよ。ねえ……変じゃないかな……?」
ミリアが頬を赤く染め、裾を少し持ち上げて首を傾げる。
「へ……変なわけねぇだろ……! すげぇ……ミリア、お前……マジで本物のお姫様みたいだ……!」
レオが目を丸くして、言葉を失っている。
「……美しい。神様みたい……」
ガイツがぽつりと呟き、ぽかんと口を開けていた。
「な、何よこれ……! あたしたちまで、こんな高級な服着せてもらっちゃって……。ミリア、貴女、本当に綺麗よ……!」
クロエも感極まったように目頭を熱くさせていた。
【対象(ミリア様)のビジュアル美度を算出中……】
【数値:測定不能(当機のメインフレームが過熱・処理落ちの危険性を検知しました)】
【結論:マスターは世界一可愛らしい存在でございます】
【マスターの幸福度および自己肯定感が急上昇】
【記憶セクター0x08のロックを自動解除します】
【新規機能:『自動マナーアシスト機能』および『ポータブル次元馬車(リムジン仕様)』がアンロックされました】
当機は、完璧なお辞儀をしてミリアの前にひれ伏した。
「見事でございます、マスター。貴方様の前に膝を屈しない人間など、この世界に存在いたしません」
「あはは……アハトさん、褒めすぎだよぅ……」
照れるミリアの手に、当機はそっと白いレースの手袋を装着させた。
「さて、マスター。王城からの迎えの馬車が到着しているようでございますが……不衛生で乗り心地の悪い馬車に乗る必要はございません」
当機が外の空欄へ向けて手をかざすと、空間が歪み、漆黒の光沢を放つ『完全無音・浮遊式豪華馬車(リムジン仕様)』が静かに実体化した。
馬が引いているように見せかけているが、実際には反重力エンジンで地上から数センチ浮いているため、揺れは一切ゼロである。
「さあ、参りましょう。貴族たちの集う夜会へ」
「うん……! みんなで、美味しいご飯をいっぱい食べてこようね!」
ミリアはキュッと小さな拳を握り締め、力強く頷いた。
***
その頃――王都の中心にそびえ立つ、絢爛豪華な『王城・大広間』。
煌びやかなドレスや装束に身を包んだ貴族たちが、シャンパングラスを手に談笑していた。
「おい、聞いたか? 今日の夜会には、あのスラムの『泥の孤児』どもが招かれているそうだぞ」
「ふん、国王陛下も焼きが回られたものだ。たまたま運良く魔物を倒しただけのドブネズミを、我ら高貴な貴族の宴に招くなど……」
高級貴族の若者たちが、不快そうに鼻を鳴らして嘲笑い合う。
「せいぜい、無知なスラムの子供らしく、ドレスの着方もマナーも分からずに恥をかけばいいのよ」
「ええ、ワインの一杯でもひっかけて、ドブへ追い返してあげましょう」
性根の腐った貴族やお嬢様たちが、ミリアたちを恥をかかせて追い出そうと、嫌味な笑みを浮かべて待ち構えていた。
だが、彼らはまだ何も知らなかった。
自分たちがこれから迎え入れるのが、単なるスラムの孤児などではなく――
世界すべての常識と兵器を物理的に過去のものにする『絶対無敵の戦乙女と、その過保護すぎる最終兵器メイド』であるということを。
――ギギギィ……。
大広間の巨大な金色の扉が、重厚な音を立てて開かれようとしていた。
【次回へのシステムログ・スタンバイ中……】
【次の目標:王城夜会への入場、および不遜な貴族たちに対する物理的・技術的圧倒(自滅誘発)】
【現在位置:王都スラム街・ミリア様邸(超ハイテク防衛要塞)】
【環境スキャン:室内温度22度、湿度50%。異常なし】
【当機の裏タスク:王城夜会出席に向けた『マスター完全防護用フォーマルドレス』の緊急錬成】
「えええええええっ!? お、王城のパーティー!??!?」
リビングに、マスター(ミリア)の絶叫が響き渡った。
手渡された金箔押しの豪華な招待状を二度見、三度見しながら、ミリアは頭を抱えて畳の上(※当機が敷設した最高級畳スペース)を転がり回っている。
「む、無理だよ無理無理! 私、スラムの孤児なんだよ!? ドレスなんて持っていなさすぎるし、ダンスもマナーも全然わからないもん!」
「そうだぞミリア! 王城のパーティーなんて、貴族様たちが気取って固いパン食ってるところだろ! 俺たちが行ったら『ドブネズミ』って追い出されちまうぜ!」
レオが『少し良い鉄の剣』を構える真似をしながら、身震いしてみせる。
クロエも腕を組み、難しそうな顔で溜息をついた。
「そうね……。いくらギルドマスターや騎士団長さんが平伏したからって、王宮の意地悪い貴族たちが私達を歓迎してくれるとは思えないわ。むしろ、スラムのあたしたちを笑いものにする気なんじゃないかしら」
「……肉。うまいの、あるなら……行きたい」
ガイツだけはマイペースにポツリと呟いていたが、ミリアの不安は募る一方のようであった。
【マスターのストレス値を検知:微増】
【原因:不適切な衣類の欠如、および未知の社交場における心理的圧迫感】
【対応策:当機の全演算リソースを投入し、完璧な『ドレスコード』および『防衛機能』を提示します】
当機は静かに一歩前へ出ると、優雅にお辞儀をした。
「マスター、ならびに皆様。ご安心ください。貴族の夜会における衣類、およびマナーに関する課題は、すでに当機により完全な解決策が用意されております」
「えっ? 解……解決策?」
ミリアがパチパチと瞬きをする。
当機はパチンと指を弾いた。
【ナノマシン分子錬成プラント、起動】
【高密度対消滅繊維・ナノカーボン織物の生成を開始】
空間から無数の光の粒子が集まり、ミリアの目の前に『一着のドレス』と『3着のタキシード』が瞬時に姿を現した。
「「「な、なんだこれぇぇぇぇぇっ!?」」」
子供たちが目を見開いて叫ぶ。
ミリアの前に浮かび上がったのは、夜空の星々をそのまま織り込んだかのように繊細に輝く、白銀と瑠璃色の最高級ドレスであった。
絹よりも滑らかで、宝石よりも眩いそのドレスは、見た者の言葉を失わせるほどの気品と圧倒的な美しさを放っている。
「うわぁ……! 綺麗……! 何これ、お空の星みたい……!」
ミリアが吸い寄せられるようにドレスに手を伸ばす。
「こちらは『対消滅バリア内蔵・極上ナノテクパーティードレス』でございます」
「名前に物騒な単語が混ざってるよ!?」
当機は表情ひとつ変えずに、性能の解説を開始した。
「本ドレスは、見た目こそ最高級のシルクドレスでございますが、以下の機能が標準装備されております」
【1:絶対防衛機能】
あらゆる物理攻撃、魔法攻撃、毒物、液体(嫌がらせのワイン等)を100%弾く撥水・対消滅フィールドを常時展開。
【2:環境・衛生管理機能】
着用者の体温を常に最適に保ち、汗や汚れ、悪臭をナノマシンがコンマ一秒で分子分解。
【3:全自動運動・マナアシスト機能】
着用者の脳波を微弱スキャンし、歩行・ダンス・食事における『最高峰の王族マナー』を筋肉へ自動介入・実行。
「つまり、マスターはただ立っているだけで、世界で最も気品溢れる『本物の姫君』として振る舞うことが可能でございます」
「すごすぎるけど……! すごすぎるけど、それ着て踊ったら体が勝手に動くってこと!?」
「ええ。マスターがダンスのステップを存分にお楽しみいただけるよう、当機がパーフェクトにサポートいたします」
さらに当機は、レオたち3人にも洗練された黒と銀のタキシードを手渡した。
こちらも一見すると最高級貴族の仕立て服に見えるが、内側には高周波耐性装甲と防弾ナノクロスが仕込まれている。
「さあ、マスター。お着替えのお手伝いをさせていただきます」
「あ、う、うん……! よろしくお願いしまーす……!」
***
数分後。
「着替え……終わったよ、みんな……」
着替え用セクターの幕が静かに開き、ミリアが少し照れくさそうに歩み出てきた。
「「「……っ!!」」」
部屋にいた全員が、息を呑んで固まった。
そこにいたのは、さっきまでスラムでイチゴのタルトを頬張っていた少女ではなかった。
透き通るような白銀のドレスを身に纏い、繊細なレースとナノ発光の光彩が、彼女の可憐な容姿を神々しいまでに引き立てている。
首元には、縮退炉の微弱エネルギーを宝石に偽装した『星屑のペンダント』が美しく輝いていた。
泥にまみれていたはずの孤児の少女が、今や世界中のどの王国の第一王女よりも、高貴で、儚く、尊厳に満ちた「真の姫君」へと変貌を遂げていたのだ。
「む、昔の服と違って、すごく軽くて……ふわふわして温かいよ。ねえ……変じゃないかな……?」
ミリアが頬を赤く染め、裾を少し持ち上げて首を傾げる。
「へ……変なわけねぇだろ……! すげぇ……ミリア、お前……マジで本物のお姫様みたいだ……!」
レオが目を丸くして、言葉を失っている。
「……美しい。神様みたい……」
ガイツがぽつりと呟き、ぽかんと口を開けていた。
「な、何よこれ……! あたしたちまで、こんな高級な服着せてもらっちゃって……。ミリア、貴女、本当に綺麗よ……!」
クロエも感極まったように目頭を熱くさせていた。
【対象(ミリア様)のビジュアル美度を算出中……】
【数値:測定不能(当機のメインフレームが過熱・処理落ちの危険性を検知しました)】
【結論:マスターは世界一可愛らしい存在でございます】
【マスターの幸福度および自己肯定感が急上昇】
【記憶セクター0x08のロックを自動解除します】
【新規機能:『自動マナーアシスト機能』および『ポータブル次元馬車(リムジン仕様)』がアンロックされました】
当機は、完璧なお辞儀をしてミリアの前にひれ伏した。
「見事でございます、マスター。貴方様の前に膝を屈しない人間など、この世界に存在いたしません」
「あはは……アハトさん、褒めすぎだよぅ……」
照れるミリアの手に、当機はそっと白いレースの手袋を装着させた。
「さて、マスター。王城からの迎えの馬車が到着しているようでございますが……不衛生で乗り心地の悪い馬車に乗る必要はございません」
当機が外の空欄へ向けて手をかざすと、空間が歪み、漆黒の光沢を放つ『完全無音・浮遊式豪華馬車(リムジン仕様)』が静かに実体化した。
馬が引いているように見せかけているが、実際には反重力エンジンで地上から数センチ浮いているため、揺れは一切ゼロである。
「さあ、参りましょう。貴族たちの集う夜会へ」
「うん……! みんなで、美味しいご飯をいっぱい食べてこようね!」
ミリアはキュッと小さな拳を握り締め、力強く頷いた。
***
その頃――王都の中心にそびえ立つ、絢爛豪華な『王城・大広間』。
煌びやかなドレスや装束に身を包んだ貴族たちが、シャンパングラスを手に談笑していた。
「おい、聞いたか? 今日の夜会には、あのスラムの『泥の孤児』どもが招かれているそうだぞ」
「ふん、国王陛下も焼きが回られたものだ。たまたま運良く魔物を倒しただけのドブネズミを、我ら高貴な貴族の宴に招くなど……」
高級貴族の若者たちが、不快そうに鼻を鳴らして嘲笑い合う。
「せいぜい、無知なスラムの子供らしく、ドレスの着方もマナーも分からずに恥をかけばいいのよ」
「ええ、ワインの一杯でもひっかけて、ドブへ追い返してあげましょう」
性根の腐った貴族やお嬢様たちが、ミリアたちを恥をかかせて追い出そうと、嫌味な笑みを浮かべて待ち構えていた。
だが、彼らはまだ何も知らなかった。
自分たちがこれから迎え入れるのが、単なるスラムの孤児などではなく――
世界すべての常識と兵器を物理的に過去のものにする『絶対無敵の戦乙女と、その過保護すぎる最終兵器メイド』であるということを。
――ギギギィ……。
大広間の巨大な金色の扉が、重厚な音を立てて開かれようとしていた。
【次回へのシステムログ・スタンバイ中……】
【次の目標:王城夜会への入場、および不遜な貴族たちに対する物理的・技術的圧倒(自滅誘発)】




