表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《最強の僕っ娘、冒険者ライフしたら専用武器が超ハイスペックで無双する》  作者: やはぎ・エリンギ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/86

《ルーク、新たな剣》

「くそっ!」

ルークが剣を構え直す。レイピアの刀身に亀裂が走っていた。細く深く、刀身の芯まで達している。


「ルーク、剣が!」


アリエルが叫ぶ。


「わかってる!だが、まだ戦える!」


ルークが《雷剣》を発動する。雷が刀身を走るが、亀裂から火花が散り、制御が乱れた。


「ダメにゃ!そのまま使ったら折れるにゃ!」


ミーニャが土魔法で壁を作り、敵の攻撃を防ぐ。


「ルーク、下がって!僕が前に出る!」


レアが前に飛び出し、《零・改》で敵を薙ぎ払う。


数分後、戦闘は終わった。

ルークは剣を鞘に収めながら、苦い表情を浮かべる。


「この剣も、限界か」


「王家の剣、なんだよね?」


レアが尋ねる。


「ああ。エル=クロス王家に代々伝わる剣だ。俺が王宮を出る時、唯一持ち出した王族の証でもある」


ルークが剣の柄を撫でる。柄には精緻な紋章が刻まれている。雷を象った、王家の紋章。


「何度も戦ってきた。もう、限界なんだろう」


「そっか」


レアが少し寂しそうに頷く。


「じゃあ、親父に見てもらおう。もしかしたら、修理できるかもしれない」


「ああ、頼む」


ラスティアの街。イヅナの鍛冶場に、クロス零が集まっていた。


「見せてみろ」


イヅナがルークの剣を受け取り、じっくりと観察する。刀身を光にかざし、柄を握り、重心を確かめる。そして小さく息を吐いた。


「ダメだ」


「え」


ルークの顔が曇る。


「この剣は限界を超えている。刀身の芯まで亀裂が走ってる。下手に雷魔法を流したら、戦闘中に砕け散るぞ」


「そんな」


「修理は無理なんですか?」


アリエルがおずおずと尋ねる。


「無理だ。この剣の素材は特殊でな。俺の技術じゃ、同じ素材を再現できない」


イヅナが剣を返す。


「この剣は、お前が戦ってきた証だ。無理に延命させるより、ちゃんと看取ってやるべきだ」


ルークが黙り込む。剣を見つめ、紋章に指を這わせ、静かに頷いた。


「わかった。ありがとう」


「おう」


イヅナが頷き、鍛冶場の奥へ歩いていく。


「待ってろ」


「え?」


数分後。イヅナが戻ってきた。手には布に包まれた何かを持っている。


「これを使え」


布が解かれる。そこにあったのは細剣。レイピア。刀身は銀色に輝き、柄は黒く、シンプルで、圧倒的な存在感を放っていた。


「これは」

「ナンバーズシリーズのNo.1、《ファーストライト》だ」


イヅナが剣をルークに差し出す。


「レアと俺が、一番最初に完成させたナンバーズだ。雷魔法との相性は最高だ。お前に使ってもらうには、ちょうどいい」


「でも俺は」


ルークが躊躇する。


「俺は王族だ。王家の剣を失って、別の剣を使うなんて」


「バカ言うな」


イヅナがぴしゃりと言う。

「剣は道具だ。使う者が強ければ、どんな剣だって輝く。逆に、使う者が弱ければ、どんな名剣もただの鉄屑だ」


「それに」


イヅナがルークの剣を手に取り、柄の紋章を指でなぞる。


「この紋章、惜しいだろ?」


「え」


「待ってろ」


イヅナが再び鍛冶場の奥へ消える。金槌の音。火花の音。魔力が集中する音。


三十分後。イヅナが戻ってきた。

手には《ファーストライト》。


そして、その柄には雷を象った王家の紋章が、埋め込まれていた。


「!」


ルークの目が見開かれる。


「王家の剣から、紋章を取り外して《ファーストライト》にくっつけた。


これなら、お前の王族としての誇りも、新しい剣と一緒に持っていけるだろ」


「受け取れ。お前はもう、クロス零の一員だ。レアたちと同じ、ナンバーズを使う資格がある」


イヅナが《ファーストライト》をルークに差し出す。ルークは震える手で剣を受け取った。


「ありがとうございます」


「おう。大事に使えよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ