↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傷心令嬢の鬼ごっこ  作者: 夕鈴
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/86

第45話 気晴らし

イリアナはカレンとイワンと一緒に詰め所当番をしていた。


訓練はバカばっかりだし、他はずっとマナ小隊長と一緒で息が詰まる。

詰め所が安息の地になるなんて思わなかった…。


「あれ、なんでラーナここにいるの?」


通りかかった子供がのぞいてきたのでイリアナは手招きする。

近寄ってきた子供を抱き上げた。

可愛い。癒される。なにも感じないはずの心が癒しをもとめるなんて相当まずい。あとでアドニスに相手をしてもらおう。


「今日はこっち。お母さんは?」

「お母さん、呼んでくる。ラーナ、ここにいる?」

「うん。いるからいってらっしゃい」


イリアナは子供をおろして手を降って見送った。


「イリアナの人気は凄いよね。子供は第二騎士団の詰め所に行くからうちはあんまり来ないのよ」

「子供たちの教育のためには来ない方がいいわ。バカばっかりだもの」

「そうね」

「第二騎士団に帰りたいのに、全然先が見えない」

「イリアナが来てジオラルド様は嬉しそうよ。貴方のおかげで業務が楽になったって」

「あの人、お人好しなのよ。うちの小隊長の爪の垢でも煎じて飲ませたくなる。自分は小隊長より劣っているって落ち込んでるし。当然よね。小隊長は天才よ。一般人と比べちゃいけない」

「イリアナの小隊長好きもどうかと思うけど。イリアナの所為よ」

「なんで?」

「好きな女が他の男を褒めてたら。悔しいでしょ?」

「もしそんなバカな理由なら、呆れる。しんどい。」

「なんでジオラルド様が嫌なの?」

「全く魅力を感じない。最近絡んできた令嬢もあんまり来ないし」

「あの子たちならジオラルド様側についたわよ。」

「なんで!?」

「初恋相手を必死で追いかける姿に胸を打たれたって。あの人貴方が好きって公言してるから」

「あの人のせいで私の婚活が進まない」

「婚活?」

「伯爵家の人間。形だけでも正妻にしてくれればいい。」

「ジオラルド様でいいじゃない」

「絶対に嫌。伯爵家。それ以上の家なら次男か三男。嫡男は絶対嫌なの」

「友達に聞いてあげるけど期待しないで」

「はじめてカレンがたくましく見えた」

「嘘でしょ?」

「本当。今までマナ様に邪魔されたから、マナ様の婚約者を探そうと思ったけど全然上手くいかなくて」

「ラーナ!!」


子供が母親と一緒に来たので話をやめた。

イリアナが前に教えた護身術を覚えたというので見ることにした。イリアナは感心した。

うん。上手。


「ラーナ様、久しぶりですね」

「お久しぶりです。相変わらず運動神経がいいですね。この子筋がいいです」

「そうなの?」

「はい。」

「最近ラーナ様に会えなくて寂しがっていたから良かったわ。これからはこちらに?」

「私、あんまり詰め所にいられなくて。第二騎士団の詰め所に行ってもらえればこれからも見てもらえるように頼んでおきますよ」

「ありがとう。お母さんを守るって頼もしいわ」

「もし私が護身術教室を開いたら来ます?」

「ええ。うちもだけど貴方に会いたい親子が多いのよ」

「わかりました。検討してみますね。困ったことがあればいつでもどうぞ」

「ラーナ、またね」


手を振って去って行く親子を見送る。

そのあとも話を聞いたのか何人かの子供たちがイリアナに会いに訪れた。


うん。気分転換は必要よね。隊長に相談しよう。


詰め所業務が終わったのでイリアナが帰ろうとするとカレンに捕まった。

カレンは先ほどの途中でやめた話が気になっていた。

さすがにジオラルドの婚約者探しの話をしたら怒られた。

確かにだまして連れて行った認識はある。でも手段を選べる状況じゃなかったのよ…。


「カレン、どうすれば諦めてもらえる?」

「無理よ。べた惚れじゃない。よくあなたに見惚れてるもの」

「あの人、小隊長の自覚あるの!?仕事中になにを考えてるのよ」

「それくらい許してあげなよ」

「他の人には全然もてないのに」

「うちの騎士団はちょっとね」

「うん。自分より強い嫁は嫌だって振られたわ」

「ジオラルド様のお気に入りの貴方に手を出す人間なんていないわよ。そんなに嫌そうな顔しないの。アマルが心配するわ」

「うん。帰る」


イリアナは家に帰ってアマルとのんびりすることにした。

翌日、イリアナはまた第一騎士団長室を訪ねた。


「ラーナ、お茶でもいれるかい?」

「いりません。相談があるんですけど」


月に1回子供向けの護身術教室を開きたいことを相談する。

メンバーはイリアナとリックとイワンの三人。

隊長はおもしろそうに聞いている。

個人で教えるより集団で教える方がいい。それに第二騎士団の手間も減るはず。


「ラーナはおもしろいな」

「才能がある子が何人かいるんです。自衛できれば将来役に立ちますし、徴兵時も手間が減りませんか?」

「うちの騎士団より見込みがありそうかい」

「はい。素直に指示をこなすことがこんなにありがたいこととは知りませんでした」

「苦労をかけるね」

「否定はしません。月1回でいいので、出勤日を調整していただけますか?」

「ラーナには苦労をかけてるからね。君が気分転換できて、子供も強くなって、騎士志望者も増える、第二騎士団の詰め所にポスターを張っておけば人は集まるしね」


ばれてる。だってバカの相手ばっかりで心が折れそうだもの。


「日付はあとで知らせよう。ジオもつけようか?」

「いりません。」

「どっちが折れるか見物だよね」


イリアナは不穏な言葉は聞き流して部屋を後にした。

今日も訓練。息が詰まるけど仕事だから仕方ない。

バカな騎士がかわる事ってあるのかな・・。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。