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なんでも屋は異世界最強  作者: understand
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3/6

第三話

 数十分の時間をさかのぼり、ダンジョン前。


「しゃぁ、俺イッチバーン!」


俺は駆け出し、ダンジョンへと踏み込んでいく。


「あっ、ロイド!?」


入り口を抜けると、そこには闇が広がっていた。


「わぉ!なんも見えねー」


困ったなー。どーしよ。そーだ、あれ使お。


〝暗視〟


視界がパッと明るくなる。マジ便利。


「さ、いくか!」


◇◇◇


十分ほど時間が経ち、入り口からはかなり進んだところに俺は来ていた。


「ふー、やっべぇな、ここ。B+とかA級とかどんどん出てくるし」


まっ、全部倒したんだけどね。


「にしても結構体力削っちまってるな。もう半分だ」


思ったよりみんな切応えあって楽しかったな。


「...ド、...イド」


ん、なんか聞こえる。


「...ドいるー?」


曲がりくねった道を声が反響して聞こえる。


誰だ?この声。はっきり聞こえない。


「ロイドいるー?」


あ、グラネルか。


「いるぞー!」


俺は大きな声で叫ぶ。


グラネルは俺の声に気づいたようで、徐々にあいつの声も近づいてくる。


数十秒後、やっとグラネルの姿が見えるようになる。


「ロイド、心配したのよ。先に一人で行くなんて危なすぎるでしょ」


「そうか、それでカイルドとワイズはどうだった?」


「?、あぁ、ワイズは驚いてたけど、カイルドは全然心配もしてなかったわよ」


だよな。まぁ、あいつはそういうやつだ。


「ロイドなら大丈夫だろうからって言ってたわ」


っ、


「まぁ、2人ならなにも心配ないわね。私ちょっと怖かったのよ」


「そっか」


「そういえば、ロイドは暗視ついてる?」


「あぁ、入ったときにつけた。めっちゃ暗かったしな」


「そう、じゃぁいきましょうか。戦闘は頼むからね」


「あぁ、任せとけ!」


◇◇◇


パチッ バチッ


〝雷神剣技(タケミカヅチ) 落雷〟


俺は雷を帯びた剣を魔獣に向けて振り下ろす。


途端、雷が落ちたような音があたりに鳴り響き、魔獣は真っ二つに切れた。


切断面は電気を帯びていて、ときどきバチッと音を立てている。


「さすがね。ロイド」


「だろ」


「えぇ、本当よ。今のはA級相当の魔獣だったわ」


正面切って褒められるのはうれしいが照れ臭い。


「それにしてもこのダンジョン終わりが見えないわね。もうだいぶ進んだと思うのに」


「確かにそろそろ終わりが見えてきてもいいはずだな」


それにまだS級と一匹も遭遇してない。


「まぁ、進んでけばたどり着くだろ」


「えぇ、そうね」


そして俺たちがまた歩き出したその時


グォォォォ


大きな咆哮が響いた。


「なんだ?この音」


「魔獣の叫び声かしら...」


俺たちが話していると、グラネルの背後にあまりにも大きな魔獣が一匹迫ってくる。


「グラネル!危ない!」


「っ、」


グラネルが間一髪でその魔獣の突進をかわす。


グルルルルゥ


魔獣の唸り声が響く。


「ロイド、この魔獣はおそらくS級の指定されてる巨黒石竜子(ジャイアンツリザード)よ」


「S級か、腕が鳴るぜ!」


「さすがに危険よ、鋼石竜子(メタルリザード)のような装甲はないけど鱗は固いし、何より大きすぎるわ」


グラネルの発言などお構いなしに俺は魔獣に切りかかる。


〝雷神剣技(タケミカヅチ) 纏雷〟


俺がそう唱えると剣は雷を纏い、光り輝く。


「ウォォォ!」


〝落雷〟


バキッ 


「なっ、」


俺の剣は巨黒石竜子(ジャイアンツリザード)にはじかれ、折れた。


「かてぇな、この鱗...」


鋼石竜子(メタルリザード)の装甲も砕いたってのに。


「ロイド、大丈夫?」


「あぁ、全然」


グラネルの問いかけに対し、軽く答える。


「あれ、使ったほうがいんじゃない、ロイド?」


「あぁ、あれか。確かにな」


グラネルのあれが何を指しているかはわからないが多分あれだろう。


本当はあまり使いたくなかったんだが、仕方ない。


「グラネル、身体強化(バフ)を頼む」


「りょーかいっ」


〝筋力増強〟


〝俊敏〟


グラネルが俺に身体強化(バフ)をかける。


「よしっ、やるぜ!」


〝神器召喚 韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)〟


俺がそう唱えると俺の左手に大きな雷が生まれ、徐々にその形を作っていく。


雷の剣、まさにそんな呼び方をされるような光り輝く美しい剣。


俺がそれを振りかざすとその後には雷が残る。


〝雷神剣技(タケミカヅチ) 迅雷〟


目にもとまらぬ速さで巨黒石竜子(ジャイアンツリザード)の周りを雷の如く駆け巡り、


連撃を浴びせる。


「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!」


巨黒石竜子(ジャイアンツリザード)の鱗に傷が入っていく。


その傷には雷が残り、さらに傷を広げる。


一つの傷が鱗を破った。


〝雷神剣技(タケミカヅチ) 百雷〟


その傷一点に狙いを定め、俺は連撃を放つ。


「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ!」


いける。これなら倒せる。あとはもう一押し強力な一撃だけ。


「ロイド、よけて!」


グラネルが後ろで叫ぶ。


俺が連撃をやめ、傷口から飛びのく。


〝五色(クインティブル)の(・)光(ライ)〟


グラネルの放ったそれは、巨黒石竜子(ジャイアンツリザード)を消し飛ばし、その先にある壁を何十枚も破壊した。


初めて見た。これがSS級(ダブルエス)の魔法。違う属性を掛け合わせると威力が上昇するってのは知ってたけど、五属性を同時に放つとここまでの魔法になるのか。


「ありがとう。ロイドのおかげで詠唱する時間を作れたわ」


「あぁ、こっちこそ。さすがにもたなそうだったから危なかった。ありがとな」


俺の召喚した韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)はすでに消えていた。


「でもさぁ、無詠唱とかってできないのか?」


「無詠唱もできるけど、さすがにここまでのを放つのは無理ね」


「へぇー、無詠唱とか完全詠唱とか詠唱破棄とかってどこが違うんだ?」


「あぁ、それ聞いちゃう?結構めんどいんだよね、説明するの」


「そうなのか」


「まぁ、簡単に説明すると、、無詠唱は、っ?」


「どうした?急に」


グラネルが何かを察知したようだ。


「すごく大きい魔力がこっちに向かってくる」


「っ、」


「この魔力は...光の道(シャイニングロード)。いったい誰が?」


ドォォォン


遠くの壁が破壊される音が聞こえる。


ドォォォン ドォォォン ドォォォォォン


徐々に音が大きくなってくる。


確実に近づいてきてる。


俺は折れた剣を構え、グラネルは詠唱を始める。


そしてついに、俺たちの前に壁が破壊される。


「ウォォォォ!」


〝闇の弾丸(ダークネスバレッツ)〟


俺は剣を振り、グラネルは魔法を放つ。


が、向かってくる魔法とそれがぶつかることはなかった。


光の道(シャイニングロード)が俺たちの目の前で消えたのだ。


そして、二つの人影が魔法の放たれた向こうから近づいてくる。


声が聞こえた。


「おいおい、仲間にそんな攻撃しなくていいだろ」


聞き覚えのある強く、優しい声だった。

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