サマークエスト前日
さて、春のイベントは俺達が堂堂の1位だった。そして、1位報酬に3つのボックスが…………。
赤・青・黄色の3色で、俺は青を選んでみた。ボックスに、触れると中から虹色の光が。
『大当たり、じゃな。』
おーい、何で花見杯が?まさか、これ以上はいらないからな。もう、テイムはしないからな?
「取り敢えず、閉まらないかな?ボックス。」
『残念じゃが、儂が出たから意味はないぞ。そうじゃ、中にアイテムが残っておるから確認してくれるか?運営から、プレゼントらしいぞ。』
まぁ、良いとして。
『儂を、捨てるのか?なら、仕方ないの。』
花見杯は、困った笑みで隼人を見る。
「もう、契約するよ!けど、召喚しなくても文句は言わないでくれよ。俺は、ログイン率が低いし。」
隼人は、苦笑して契約する。さて、サマークエストが始まるんだよな。前回、何だかんだで参加できなかった。さて、どうしようか?
まぁ、後回しで良いか。
「隼人、帰ろうぜ♪」
大地、機嫌が良さそうだ。きっと、ガチャの引きが良かったんだろうな。俺は、あとで回そう。
さて、眠たいしそろそろ………
「なぁ……、隼人。次のログイン、いつになる?」
「………3日後くらいかな。」
大地は、少しだけ寂しそうに頷く。
「そっか、じゃあまた。」
「おう、お疲れさん。」
さて、サマークエストは4日間だし俺は観戦サイドかな。今のメンバーなら、きっと勝てるだろ。
LINEの着信音
「ん?えっと、兄貴からか?」
《フェアリーボーイズ、3人はやめる事になったらしいぞ。どうやら、他のメンバーが事務所に報告して四人で活動する予定らしい。謝罪を動画、上げるらしいから見てみろよ。もう、投稿されてるぞ。》
ふーん、話し合いは無しか。つまり、本人達は反省はしていないんだな。まぁ、形だけの謝罪なんて興味ないし。取り敢えず、眠いし疲れた寝ようかな。
隼人は、小さくあくびをして寝るのだった。
次の朝、眠そうな兄貴に珈琲を淹れる。
「そうだ、謝罪動画は見たのか?」
「いいや、昨日は眠かったから寝たけど。」
すると、拓真は立ち上がり隼人をソファーに座らせる。そして、ノートパソコンを素早く操作する。内容は、謝罪である。そこには、冷たい表情をしたカレンと静かに激怒する大地も写ってる。
「てか、何で2人が?」
「お前さ、ログインどれくらいだ。」
隼人は、なるほどと理解してから言う。
「一週間に、1~2回だけど?」
「ふーん、それで新しいゲームでもしてんの?」
拓真は、隼人の表情を見ながら言う。
「いや、してないけど。」
「お前さ、ログインしてない時は何をしてんの?」
隼人は、暢気に珈琲を飲みながら言う。
「家事とか、買い物や勉強かな。まぁ、する事は沢山あるしな。暇には、ならないぞ。」
「……大地が、寂しそうだったぞ。少しは、イン率を上げないのか?それとも、何か理由があるのか?」
隼人は、少しだけ悩むような表情をする。拓真は、そんな隼人を見て、優しい表情で暢気に言う。
「お前が、何に悩んでて何を考えてるか分かんないけど。最近のお前は、何て言うかお前らしくないと思う。お前なら、ボスとかレイドとか聞いただけで目を輝かせてただろ?でも最近、大人しいしさ。」
「うーん、そうかな。」
さて、そう言われると確かにログイン率が悪すぎなんだよな。普通のクランなら、除名されてるレベルだし。次のイベントは、サマークエストか………。
前回は、トラブルで行けなかったんだよな。
よし、今回はフル参戦してみようか………。その前にだ、大地にLINEでイベント参加するって言っとくかな。まだ、大地は寝てるかもだけど。
よし、送ったし朝飯でも……
LINE着信音
早っ!えっと、大地は起きてたのか?
《了解。今から、LINE電話するけどOK?》
あー、良いけど。本当に、起きてたパターンか?
『おはよ!サマークエスト、本当にフル参加できんの?その、無理とかしてないよな?』
大地は、心配そうに聞いてくるので苦笑する。
「してない。てか、起きてたのか?」
『いや、お前のLINEの内容を確認したら目が覚めたんだ。そっか、今回は一緒に出来るんだな。』
俺が、暢気に言えば嬉しそうに言う大地。
「取り敢えず、水着装備を買いに行かないと。」
『なら、俺も行く!7時に、ホームに集合な!』
「ん?他にも、メンバーを誘うのか?」
『おう、勿論だぜ。じゃあ、7時な!』
そう言うと、LINE電話は切れてしまった。隣で、拓真が暢気に会話が聞こえたのか笑っている。
そういえば、今回のボスはクラーケンとアスピドケロンがサマーレイドボス。挑むには、海フィールドの魔物を倒して素材を集めてある程度集まれば、自動でレイドボスフィールドに切り替わるらしい。
素材は、消費されるので消える。
しかも、水着装備でないとレイドは発生しない。
取り敢えず、朝飯を食べてログインするか。
そして、ログイン!あれ、凛さん?
「あ、おはようございます。今回は、フル参加なんですよね。とても、楽しみです。」
「おはよう、楽しみって?」
隼人は、暢気に首を傾げて言う。
「まずは、水着装備を買って外は夏祭りなのでNPCが屋台をしてるんです。プレイヤーも、然り気無く混ざって露店とかも有りますし。どうせなら、皆で回ろうって言ってたんです。浴衣装備とか、売ってるようですし。今日は、羽を伸ばしましょう。」
ごめん、初耳なんだが………。これは、大地が来たら聞いてみる必要がありそうだな。あれ、ぞろぞろメンバー達がログインしてきたな。
「あれ、俺が最後?」
大地が、暢気に部屋に入ってくる。
「大地、買い物の件は聞いていたが………」
「だって、お前は直ぐに逃げるだろ?良いじゃん、たまにははしゃごうぜ!お前も、悩みの種が解決したんだし。感情を、押さえるのは良くないぜ♪」
すると、凛さんが無言で立ち上がり大地にチョップした。俺は、凛さんのオーラ?に圧倒される。
「何で、普通に誘わないんですか?隼人さんなら、話せばきっと頷くって、話し合った結果で決まってたでしょう?まったく、隼人さんが戸惑う仕草をしたと思ったら………。リーダー、少しだけお話ししましょうか。では、少しお待ちくださいね。」
そう言って、大地を引きずって行った。
「知らん間に、凛さんが凄く逞しくなったな。」
俺が、思わず呟けばメンバー達は苦笑している。だが、皆は慣れた風景なのか直ぐに話したりする。
取り敢えず、ガチャを回して暇潰ししよう。
「おはようございます。あれ、隼人さん♪」
クリスは、嬉しそうに近寄る。
「おはよ、どうかしたのか?」
「何か、朝からホームに居るのは珍しいですね。」
確かに、途中参加がここ最近は多かったしな。少しだけ、苦笑してから暢気にクリスに言う。
「今回は、フル参加だからな。朝一ログインで、説教されてる大地待ち中だ。どうしたんだ?」
「隼人さん、フル参加………。フル参加なんですね。分かりました、大地さんに話が有るので行ってきますね。では、失礼しまーす。」
えっと、どうしたんだ?本当に………
あ、着物ならサイレスで作れば………って、まぁ良いか。たまには、他のハンドメイドも見てみたいし。
「おはよう、隼人。何か、朝から居るのは久しぶりだね。あ、良かったら紅茶を淹れてくれる?」
「了解。あれ、ジコルはまだ寝てる感じか?」
すると、イセは頷いて紅茶を飲む。隼人は、茶菓子を出してから立ち上がる。自分が居ると、他のメンバーが食べづらいと思ったからだ。
「ちょっと、ジコルを起こして来る。」
「うん、わかった。大地君には、言っておくね。」
「よろしく。」
隼人は、部屋から出てジコルの部屋を目指す。さてと、ジコルの部屋の前に立って剣を構える。
「どぉわー、起きてるから若旦那!」
「そっか、なら良かった。お久しぶり、ジコル。」
ジコルは、ホッとため息を吐き出している。
「おう、お久しぶり若旦那。何だ、珍しいな。」
「それ、今日は良く言われる。」
暢気に笑って、今度は自分の部屋に移動する。ここで、暫く時間を潰そうかな。
「あ、隼人さん居た。」
「あれ、大地の説教は終わったのか?」
「はい、早速ですが行きましょう!」
「わかった、直ぐ行くから先に………どうした?」
凛さんは、ずっと動かずにいる。取り敢えず、ガチャのアイテムはまとめ終わったので立ち上がる。
「今回のレイド、お願いします!隼人さんが、参謀してくれませんか?少しでも、学びたいんです。」
「………別に、俺から学ぶ事なんて無いだろ?」
すると、凛さんは真剣な表情で言う。
「隼人さんは、クリス君に言ったそうですね。いつか、俺が精神的にヤバくなる局面が絶対に来る。これは、避けては通れない。だから、少しでも後釜を育てないととは思ってる。って。それは、隼人さんでも辛い敵がこのフィールドに居るんですか?」
何か、凛さんの雰囲気が変わったな。
「居るぞ。特に、竜種には気を付けろ。俺でも、瞬殺される。この世界の、最強の魔物は竜種らしい。あの、闇落ちした竜より強いのが多く居るらしいんだ。でも、不可能なゲームほど面白くないものは無い。だから、プレイヤーにいつか強化が入るんだろうな。もしくは、強くなるイベントとかさ。」
すると、凛さんは驚いて固まってしまう。
「何それ、詳しく聞きたいんだけど。まぁ、それは後でゆっくり聞くか。ほら、行くぞぉー!」
大地は、少しだけ考える仕草をして歩き出す。
「はいよ。ほら、凛さんも行こうぜ。」
そして、水着と浴衣を買って浴衣装備にする。
屋台を回り、花火を見たり芸を見たり。さて、明日から巨大タコと巨大亀とレイドだなぁ……。
さぁ、盛り上がって行こう!
次回 クラーケン
大地「皆で倒して、タコパーティーだ!」
凛「たこ焼き祭りです!」
隼人「お、おお……頑張ろうな。」引いている………




