いわなが姫
さてさて、防御タイプかぁ………。
隼人は、呪いを使うって言ってたな。それにしてもだ、隼人の様子がおかしかったような?
まぁ、後で聞くとしてだ。うーん、やりずらい。いや、さくや姫やちる姫よりは戦いやすいけど。
やっぱり、異常攻撃しかないのか?
うーん、隼人から異常攻撃はやめろと言われたし。となると、暗殺系スキル鎌鼬。武士のスキル、絶斬か拳闘士の発勁しか効果は無いかな。
鎌鼬……防御をすり抜けて、攻撃を与えるスキル。
絶斬……防御を壊して、攻撃を与えるスキル。
発勁……防御無視の、内側からダメージを与えるスキル。ちなみに、拳聖しか使えないスキル。
まてよ、このメンバー剣聖・拳聖がいるんだが。隼人が、無駄な編成をする筈は無いしなぁ……。
この場合、剣聖の俺がヘイトを稼いで拳聖であるデュアルさんに暴れて貰うのがベストだろう。
ふぅ……、落ち着いて考えろ……俺っ!
何故、隼人は異常を使うなって言ったのか。なんとなく、実は予想が出来ている。それは……
いわなが姫が、異常耐性を持っていたから。
そして、いわなが姫のカウンタースキル………。これは、失敗すれば俺達が異常にかかってしまう。
それは、絶対に避けたい………
さて、考えろ……。
大地は、深く息を吸い込み吐き出す。
「ヘイトは、俺が貰うから支援しながら攻撃をしてくれ。ざっくり、指示をすれば防御無効スキル持ちは攻撃をしてくれ。他は、回復と支援そしてサポートをお願いする。防御数値を、まずは削る事に集中しよう。攻撃の代表は、相手のステを見てサポートに攻撃を命じてくれ。あと、拳聖には途中でヘイトを集めるの変わってくれ。俺も、辛いだろうし。」
「おう、任せろ剣聖の兄ちゃん。」
大地は、盾を構えると叫ぶように言う。
「よっしゃー、来いよこらぁ!」
『黙りなさい!』
いわなが姫は、防御を強化して睨んでくる。
「マジで、辛いんだが………」
何と言うか、凄いプレッシャーを感じる。でも、俺だって負けてらんねぇ。なので、睨み返してやる。
いわなが姫の、通常攻撃を受け止め魔法攻撃は回避して行く。だぁー、苦しい!さすがに、限界………
いわなが姫の攻撃を、間一髪で回避して挑発する。
こりゃ、弱音を吐く暇もねぇ……。
HPゲージは、後なん本だ?どの程度、コンボは稼げているんだ?味方の、回復は間に合ってるのか?くっそ、余裕が無さすぎる………。本当に、苦しい……。
「お疲れ、タゲは貰っていくぜ!」
気がつけば、隼人の班が救援に来ていた。また、相棒に助けられるのか?また、人任せにするのか?俺は、俺は………そんなの、絶対に嫌だ!
「隼人、待ってくれ……俺に、最後までタゲ取らせてくれ。もう、お前ばかり頼り過ぎるのは嫌だ……。」
すると、隼人は驚いた表情をしてから優しく笑う。
「OK!タゲは、任せたぜリーダー!」
隼人は、そう言うと攻撃班に混ざった。おそらく、俺の負担を少しでも減らす為だ。隼人も、疲れているのに俺の方針通り防御無効で攻撃を与えている。
きっと、隼人なら俺より良い案があるはずなのに。
駄目だ!すぐに、そうやって相棒を頼ろうとする。俺の役目は、味方からいわなが姫の意識を逸らす事だ!もし、頼ってしまえば隼人も潰れる。
「大地、もう少し肩の力を抜け。今のお前じゃ、作戦が失敗してしまう。わかったか?」
隼人は、やれやれとジェスチャーしながら言う。
「そっ、それは……有り得る。」
「大地、敵を見誤るな。最大の敵は、自分自身だ。お前が、自分の弱さに勝てたらもっと善戦できるはずなんだ。くよくよせず、自分のなす事をなせば良いんだよ!なぁ、もっと楽しくやろうぜ相棒♪」
隼人は、優しい眼差しで楽しそうに笑う。
やっぱり、隼人には勝てないな。うん、そうだよ。俺は、一人で戦っている訳じゃないんだ。
そう思うと、何故か頭がすっきりしてきた。
「おらぁ!こっち、見やがれドラゴンハウル!」
隼人は、それを見て後ろに下がった。そして、班のメンバーに無言で撤退の指示を出す。もう、自分が居なくても勝てる未来が見えていたからだ………。
メンバーも、邪魔にならないように撤退する。
バキンッ!ガラガラ……
「よっしゃ、防御ゲージを削りきった!総攻撃!」
全員が、反転して攻撃体勢になる。
「残り半ゲージ、削っていくぞ!」
『だっ、黙れ黙れ黙れ!例え、愛されなくとも………醜いと言われようと愛していたのよ!』
呪いを、大地は受けるが何とか削りきった。
やったー!
あー、楽しかった。隼人も、そうだったのかな?楽しいから、参謀をやっているのかな?何にせよ、今回は学んだ事が多かった気がするなぁ………。
「ん?あれ?えーとっ、相棒は?」
「少し前に、撤退して行ったぜ。これ以上、お前さんの活躍を奪うのは申し訳ないってばかりにな。」
デュアルは、疲れたように笑って大地に言う。思わず俺は、笑いってしまった。まったく………
さて、凛さんは終わってないか。
俺達は、急いで救援に向かうのだった。
次回 このはなさくや姫
凛さん「くっ……、負けません!」
さくや『うふふっ、もっと楽しませて♪』




