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所持金15万円で一人暮らししてるけど、たぶんなんとかなる ―もやしとフリマで続いていく、ゆるい生活―  作者: 春凪とおる


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第24話  時間を節約しようとして、時間を使った

「……」

私はキッチンに立っていた。


「……なんか」

小さくつぶやく。


「……もうちょっと、楽にできないかな」


理由はない。

でも、そう思った。


視線を少しずらす。


この前のやつ。

コーヒーの機械。


「……」

しばらく見て、


「……まあ、違うか」


私は少しだけ考える。


「……手順が、多いんだよな」


もやし。

卵。

フライパン。


「……減らせる気がする」


根拠はない。


「……よし」


私は動いた。

もやしを洗う。


「……」

少しだけ考える。


「……先にやっとくか」


別の皿を出す。

卵を割る。


「……」


「……混ぜたほうが、早いか」


混ぜる。


フライパンを出す。

火をつける。


「……」


「あれ」


少しだけ止まる。


「……どっちからだ」


もやし。

卵。


「……まあ」


とりあえず、入れる。

ジュウウウ、と音がする。


「……」

少しだけ見る。


「……なんか、違うな」


混ぜる。


「……」


「……手間、増えてないか」


私は少しだけ考える。


「……」


火を止める。

皿に移す。


座る。


「……」

ひと口。


「……まあ」


「……こんなもんか」


私は箸を止めた。


「……」


キッチンを見る。

皿が、ひとつ多い。


「……増えたな」

私は小さく息を吐いた。


「……時間、短くなったか?」

少し考える。


「……」


「……たぶん、なってないな」

私はうなずいた。


「……まあ」

「……やらなくていいこと、やったな」


スマホを見る。

時間は、いつもとそんなに変わらない。


「……」


「……なんだったんだろうな」

でも、特に困ってはいない。


「……」

私は立ち上がった。


「……次は」


少し考えて、

「……普通でいいか」


もやしは、何も言わなかった。


「……いけるか」


「いや、時間泥棒に完敗だな」


私は、ひとりごちた。



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