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第16話 売れた分だけ、少しだけ贅沢をする
「……ん」
スマホが光る。
フリマアプリ。
「……売れたな」
私は少しだけ画面を見る。
驚きはない。
でも、悪くない。
「……」
少し考える。
「……よし」
小さくうなずいた。
スーパーに行く。
もやしを手に取る。
それは変わらない。
「……で」
私は少しだけ周りを見る。
「……売れた分だけ」
小さくつぶやく。
「……ちょっとだけ、いいのにするか」
卵売り場。
この前の、少しだけ高いやつ。
「……」
手に取る。
今回は、迷わない。
「……ルールだからな」
カゴに入れる。
もやしと並ぶ。
「……」
少しだけ見て、
「……なんか、それっぽいな」
家に帰る。
キッチンに向かう。
いつものやつを作る。
もやし。
卵。
フライパンを出す。
もやしを入れる。
ジュウウウ、と音がする。
「……おまえ、昇格したな」
もやしは、何も言わない。
すぐ食べる。
「……うん」
「……悪くない」
私はうなずいた。
「……これなら、わかりやすいな」
スマホを見る。
残高は、少しだけ減っている。
「……まあ」
「……ルール内だしな」
私は小さく笑った。
「……いけるか」
そう言いながら、昨日のことは思い出さないようにした。




