表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
所持金15万円で一人暮らししてるけど、たぶんなんとかなる ―もやしとフリマで続いていく、ゆるい生活―  作者: 春凪とおる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/40

第17話  今日は、いい日にしてもいい気がした 

「……」


私はスーパーにいた。


入口の自動ドアが開いて、冷たい空気が流れる。

ひんやりした風が、いつもより心地よかった。


特に理由はないけれど、なんとなくそう思った。


「……今日は」

少しだけ考えて、カゴを手に取る。


「……いい日にしてもいいか」


根拠はない。

けれど、そういう日もある。


もやしを手に取る。軽くて、いつも通りの重さ。


「……おまえは通常運転だな」


カゴに入れると、音は小さくて安心する。


売り場を少し歩く。

おにぎり、デザート、惣菜と視線だけが動く。


「……」


ひとつ手に取る。少しだけいいやつ。

普段なら戻すけれど、そのまま持ったままにする。


「……まあ」

「……今日はいい日だしな」


少し迷ってから、カゴに入れる。


こういうのは、だいたい後悔する。

でも今日は、後悔してもいい気がした。


戻す理由が思いつかなかった。


レジを通して、袋に入れる。

持ち上げると、いつもよりほんの少しだけ重い。


帰って、テーブルに置いて、食べる。


「……うん」

一口食べて、もう一口続ける。


「……いい日だな」


思っていたより、ちゃんと美味しかった。

理由はないけれど、悪くない。


スマホを見る。残高が表示される。


「……」


少しだけ減っているのを確認する。


「……まあ」

「……いい日だったしな」


私は小さくうなずく。


「……まだ、いけるか」


残りは、千円ちょっとだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ