廿一、消失〜Disappearance〜
ほんの少しだけ、『涼宮ハルヒの消失』のネタバレがあります。
言葉に言い表せない感情が頭と心臓を掴んでいる。映画を見終えて10分が経っている。恐ろしかった。誰も喋らなかった喋れなかった。とても長く感じたし、一瞬で終わったきもした。ハルヒが部室に入ってきたかと思えば、いつのまにか茅原実里さんのアカペラが終わっていた。今まで、多くはないが少なくもない映画を観てきたのだが、今回は今までとはなにかが、何もかが違う。絵、雰囲気、声、音、演出、全てが私の目を動かせなくした。原作と映画ではここまで違うのだと知った。聖朝比奈さん降臨で半笑いをしていたら、後半からは息が詰まるほどだった。ずっと何かに緊張していた。ストーリは知っている。原作は冊子化したものは全部読んでいる。……これが京アニだからなのか、ハルヒだからなのか。いや、両方なのだろう。今日の私は、もう、…。
すまない。視聴がおわってから早いうちに感想、というかまぁ、そんな感じのものを言語化しときたかった。少し冷静になって読んでみれば、何とまあ汚い文であるが、この動揺した文自体が感想として成立しているようにも思う。とりあえずだ、経緯だけは説明しよう。というか、それ以外は書く気が起きない。
今日は五日ぶりの学校で、極めて鬱屈とした気分だったのだが、不幸中の幸い、と言っていいのかは分からないが、四限で終わる予定だったので、『涼宮ハルヒの消失』を観に行くべく、数日前から色々用意を終わらせた上で、今日この日を迎えていた。待ち遠しく思うものが近い内にある時、その時を迎えるまでの間は、一瞬で溶ける天国にも、久遠と錯覚しそうな地獄にもなり得る。今回は運良く前者で、友人と何を話したか、全く忘れてしまって、帰宅同伴を申し出た友人をほっぽって映画館に向かった、という訳である。
何というか、複雑な気分だ。温虚、とでも言おうか。寂寥と拝跪を、同時に感じた。明日友人にでも勧めようか。それとも、邂逅の祝福を独占しようか。




