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黒翼のライブラリィ  作者: INTER
ダンジョンと呪い
43/51

第42話

ようやく投稿できた。


走る。ただひたすらに生きる為に、情報を伝えるために。走って、走って、走って…………違和感に気づいた。


「なんで、何も居ない?」


無我夢中で走っていたから正確な階数は分からないが、少なくとも30階層近い事は確かだ。なのに敵が全く見当たらない。


通常のダンジョンならそれぞれの難易度毎である程度敵の復活する時間が決まっているはず、下級なら2日。中級なら1日。上級なら半日みたいに。そしてこのダンジョンは明らかに上級以上の危険度がある。それにもし、このダンジョンはまだ出来て間もないから下級に分類出来るとしても、もうこの階層には敵が復活していても良いはず。


「いや、そもそも。私達全部の敵は倒してないはずよね。」


(嫌な予感がする。何か取り返しがつかない事が起きるかもしれない)


その予感が外れてくれと思いながら、私は更に足を早めた。






「はぁ、はぁ……ようやく地上に戻ってこれた。早く街に!?」


地上へと戻ってきた私は息を落ち着かせて街の方向を見た。そこには壁が崩壊している街が見えた。


いや、それよりも街が見えること自体が有り得ない。ここは森の中で、ダンジョンがある場所だけ高台になっている訳でもない。それなのに森どころか木一本すらなかった。


(一体何が………いや、呆けている場合じゃない!森がないなら好都合!スキルを使って早く着ける)


私が街につくまで後ほんの僅か、そして起きた事態を把握するのも僅か先の事だった。













「えーっと次はどこのお店だったかなー?」

「確か2つ目の角を右に曲がった所って言ってた気がする。」

「そうだった。そうだった。今日はそこで最後だし、終わったら美味しいもの食べに行こう!」

「うん!」


私とメアはお昼すぎから旅をするための道具を準備するために色々なお店を回っていた。準備する物も大抵買い終わり、日も沈もうとしていた。



その時、その瞬間から始まった。



グウェアアアアアアアアアアアァァアアアアアア!!!キシャアアアァァアァァ!!ゴワァァァァァァァァ!!!ゲゲゲゲゲェェェェェェ!ガアアアアアァァァアアアアア!!!!


「……っ!」


思わず耳を塞ぎたくなるほどの声量に、震えそうなほどの威圧感。いくつもの存在による声が重なり合い。街にいたほぼすべての人の、動きが一瞬止まる。だがそれも一瞬威圧感に慣れているものから順に行動を開始した。


「森?確かあっちには新しくできたらしいダンジョンが……」

「お姉ちゃん!?そんな場合じゃないよ!も、物凄く嫌な予感がするって!?」


メアが明らかに呑まれかけてる。まあ嫌な予感がするのは私も同意何だけどね、でも最優先ですべき事は……!


「メア!一旦ギルドに行って情報収集するよ。何が起きているのかだけでも知る必要があるし。」

「う、うん。そうだね。」 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ギルドの門の前に行くととても多い人だかりが見える。その中には見たことのある受付の人も居る。


「何があったんですか?」

「エリカ様にメア様。実は今魔獣の反応が敵感知の魔道具に大量にそれも唐突に溢れ出しているのです。しかも、この街に向かっているから大変な事になっていまして。その上今はギルドマスターが居ないから大混乱が起きてる状況という訳です。」


「敵の大体の数とか、」

「ヤバイぞ!!もう森の方の外は魔物だらけ!しかも低ランクじゃなくて高ランクの魔物もうじゃうじゃいやがる!」


私が敵の数などを質問しようとした時に聞こえてくる焦った声。恐らく速攻で偵察に向かった人だろう。


「エリカちゃん、メアちゃん。逃げなさい、この街の戦力じゃ耐えきれない。今ならきっと貴族門の方を開けているはずそっちに行って逃げたほうがいいわ。」 


優しい声だけど。もういつもと違い丁寧な喋り口調じゃないことが余裕のなさを物語っていた。実際書類を持っている手は震えている。私にはこの街の戦力はよく分からないけど、きっと絶望的なんだろう。


今の私には正直何がなんだかよく分から無い。だけど記憶をなくしてから今日まで生きてきて分かってることは。下手に悩めば死ぬということだけ。そして戦っても死ぬ事は分かっている。なら私はすぐに決断を下す。


「メア……逃げるよ。荷物をもって貴族門に急ごう。」

「………うん。」


私達があと、一ヶ月修行して力を付けていたら残っていたかもしれない。何か有効で強力な魔法を使えれば戦っていたかもしれない。けれど、今の私達には力がない!


「この街にも結界は張ってあるわ。最低限残る人たちのことも考えれば、半日はギリギリ持つはずよ。その間にできる限り逃げなさい。オススメは王都の方向よ。」


「分かりました。アドバイスありがとうございます。」



感謝を告げ。私達は逃げるために走って、走って、走った。

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