第41話
(まったく、危ないわね。今の攻撃まともに受けたら致命傷になりかねないわよ‥‥。)
私は防御が間に合わないと確信した瞬間、咄嗟に前方に魔力障壁を張り後ろへ跳んだ。それでも攻撃の威力は収まらずに私の鎧の部分に当たり私の鎧を砕いていたが。
私の装備はところどころを金属で覆っていて、後は魔法付与された服になっている。まぁ軽装鎧みたいな物だ。そして、そんな私の鎧に使われている金属は強化ミスリル、純粋なミスリルを手間をかけて耐久力を強化してある優れもの。
だと言うのに、完全に右肩の部分が壊れている。つまりそれだけの威力がさっきの只の一撃にあった訳だ。そしてその事実が私の思考に邪魔な感情を与えてくる。
「【解析】‥‥‥」
名前 レジェンダリースケルトン(最大狂化)
体力627/2500
魔力10/10
攻撃:1023
守備:6
速度:582
知力:5
器用:64
武器スキル
【長剣術】 【盾術】
余りにも偏ったステータス。攻撃と速度はさらに200以上ずつ上がり逆に守備と知力は1桁にまで下がった。そしてさらに代償としてなのか知らないが、体力段々と減っていく。
「このままだと相手の体力が尽きる前に私が死ぬかも‥‥でも問題はないわね。」
体全体に意識を集中させる。体の中にある魔力をイメージと共に巡らせる。
「【流星】」
◇
「ふー、流石にすこし疲れた。久しぶりだとやっぱり辛いなー。」
特殊な状態のレジェンダリースケルトンは確かに強かったが、まだ私の敵ではない。速さと力は確かにあったが、分かっていれば避けれない程ではないし、最初よりもさらに動きが雑になっていたからあんまり意味はない。
「っと、50階層への階段、これで大台を突破ね。」
それから数十分して私は下への階段を見つけた。この階層をみたら時間もあるので帰ろうかと考えていた。そして階段に足を踏み入れた瞬間とてつもない寒気が全身に伝った。
「ッ!‥‥なにコレ。」
私は体に纏わりつくような恐怖を押しのけ無理矢理進もうとする。
「駄目。これ以上はマズい!【望遠】。」
しかし一歩更に踏み込んだだけで私の体は前に進むことを拒否する。しかしギルドマスターとして情報を掴まずに逃げるわけにはいかない。私はせめて相手を見るだけでもと思い索敵系のスキルを発動した。
そして同時に見なければ良かったと後悔した。
「‥ッ!!!」
家の屋根ほどある大きな翼。全てを裂くのではと思わせるような爪。そしてその圧倒的な力を体現しているかのような胴体。私は知っている、この特徴にあった生物を。この圧倒的な力をもつ存在を、
(龍種!)
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(ありえない!そんな!出来たばかりの迷宮どころか上級レベルの迷宮ですらないって言うの!?)
龍種、それは古代からいる最強の種族。龍種は数は多くなく子孫を残すこともあまりしない為、その存在は魔境の奥地などでしか大抵は確認されない。しかしその力はまさしく天災。最強の種族に相応しいその力に人々は昔恐れていた。
炎龍が一つ息吹けば森は焦土とかし。海龍が怒れば海は荒れ続け。闇龍の周りには昼は来ない。そんな言葉まで残されていた。
「戻るしかない。」
私が僅かな時間で下した結論は逃走だった。当たり前だ。勝てるわけがない、私も一般人いや、探索者全体から見ても強者の枠には入る。しかし奴ら龍種は化物だ。そしてそいつ等をまともに相手に出来るのもまたバケモノだけだ。
幸いにして、おそらく気付いているにもかかわらず龍は動いていない。動かないだけなのか、はたまた動けないのかは知らないが好都合だった。
そして私は恐怖から逃げるように地上まで引き返し始めた。




