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燃えた。
屋敷が。
寝ている最中だった。
炎は両親の寝室の方からごうごうと音を立てて迫ってくる。
「なりません!お嬢様!!」
「嫌よ!私が助けに行くから貴女は外に逃げなさい!これは命令よ!」
メイドに言う。
「聞けません!お嬢様がお逃げになってください!お嬢様がというなら、私が行きます!」
「嫌!嫌よ!こんなのおかしいわ!!神よ!なんなのよ!これは!!!!」
「お嬢様...?」
「っ!そうだわ!ルカ!ルカはどこなの!?」
「姉上!」
「ルカ、良かった...貴方は無事...」
「父上と母上の寝室の方に行って参ります!」
ルカは走り出す
「!」
「だめよ!!!私は貴方まで失いたくな...」
ガラガラッ...ドォーン!!!!!
視界が炎に包まれる
ルカは見えなくなり
煙の匂いに包まれて
意識が..._______
『お前は教皇となるのだ』
うるさい
『そして神になる』
うるさいうるさい!!!
私の家族を!屋敷を!なんてことを!!
『不慮の事故だ。ああ可哀想に愛し子よ』
あなた達がやったんでしょ!!!
平和な生活を返してよ!!!
返して返して返して!!!!!
「返して!!!!!!」
「きゃあっ!」
「はーっ...はーっ......」
起き上がると、そこには見知らぬメイドがいた。
驚いた顔をしたメイドはこちらを見ている。
「リ、リーナ様!目を覚まされたのですね!!殿下!リーナ様が目を覚まされました!!!」
そう叫びながらメイドは部屋から出ていってしまった。
見知らぬ部屋、見知らぬメイド、殿下という言葉。
「私、助かってしまったのね...」
(いや、それよりも父上と母上にルカ!それにメイド達も!)
ベッドから飛び出しドアへ駆ける。
(どうか皆無事であって...)
泣きそうになる。
ドアノブに手をかけ勢いよく開けようとする、
と。
私が開けるよりも先に扉が引かれ、倒れそうになる。
あ、倒れ____
ぼすんっ
倒れると思ったその先で誰かに受け止められた。
いや、さっきメイドが呼びに行った人物ではないだろうか。
つまり...
「殿下...」
私はその【殿下】という人の顔を知らないが、思わず呟いてしまった。
上を見上げると、少し驚いた顔をした赤髪に金の瞳の青年が立っていた。
いや、抱かれている。
「し、失礼いたしました!」
急いで離れる。
赤髪に金の瞳は王族の証。
そして私と同じ歳くらいの風貌の青年。
間違いなく王太子殿下だ。
「リーナ嬢。目を覚まされたのですね」
「はい...はっ、かっ家族は!私の家族や召使い達は!!!」
「リーナ嬢。まずはベッドに入ってくれ。君は1週間ほど眠っていたんだ。まだ体力が回復していないだろうから、ベッドで寝てくれ。私はそこに腰をかける。ゆっくり話そう」
「しっしかし...!」
「病弱な上にあんなことがあったのだ。まずは安静にすることが大事だ。王太子の命令といえば聞いてくれるかな?」
「...失礼いたしました。よろしいのですか?私はベッドで...」
「王太子としての命令だ」
「...かしこまりました」
大人しくベッドへ戻る。
王太子殿下は近くにあった椅子に腰をかけた。




