1.辺境伯領編
初めて小説を書きました。
どうぞよしなに。
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【神の愛し子ですが、神を殺すことにしました。】
辺境伯領編
『リーナ。お前は神の愛し子だ。いずれはお前も神になるんだよ』
幾度となく聞いた言葉。
「いいえ。私は神になどなりません。私には愛する家族達がいます。神になるには教皇となる必要がある。けれど教皇になるにも孤児でなければいけない。それなのに私がどうやって神になるというのですか」
『そうだな』
神はくすりと笑う。
そこで神からの応答は途絶えた。
いつもこれだ。
私の名はリーナ・サントーロ。
14歳。
サントーロ辺境伯一家の娘だ。
私には赤子の時から神の声が聞こえていた。
私は【神の愛し子】というやつらしい。
産まれた時は白い髪の毛に金の瞳を持ち、それは教皇の象徴である風貌であったという。
普通は不貞を疑いそうなものだが、両親は神の加護を授かっている子だと大喜びしたそうだ。
しかし成長するに従って髪は栗色となり、瞳も緑色へと代わり両親に似た見た目になった。
濃い茶髪に緑の瞳の父。
栗毛の髪に青の瞳の母。
母と全く同じ見た目の弟。
見た目が変わっても私は両親から溺愛された。
赤子の時から神の声が聞こえていた私は、3歳になる頃にはそれはもう饒舌に話せるようになっていた。
だが、それが気味悪がられることだと神から教わったため、寡黙な子を演じた幼少期だった。
親戚が悪徳貴族のような輩ばかりの我が家は親類同士の交流もなく、茶会の誘いも全て断っていたので特に不自由はなかった。
表沙汰には病弱ということにしていると聞いた。
茶会を嫌がる私を許し、何も言わずに愛を注いでくれている両親に感謝しなければならない。
2個下の弟も...
「姉上!」
「あら、おかえり」
「ただいま戻りました!」
ルカは嬉しそうにニコリと笑う。
「今日は王妃殿下主催のお茶会だったわね」
「そうです!王太子殿下にもお会いしましたよ」
「そう」
「王太子殿下が姉上に会ってみたいと仰られてましたよ」
「そうね、いつかはお会いしなければならないわね」
「姉上は2年後にはデビュタントが控えてるではありませんか!僕にとっても楽しみで仕方がありませんよ。なんせ姉上の美貌がこの世にお披露目...いや、でもそれで色んな男に目をつけられて...う〜ん...」
「お世辞はやめなさい」
「お世話じゃありません!」
必死と言わんばかりに否定された。
「貴方は早く婚約者を見つけなさいな」
「姉上を見ていると他の令嬢が霞んで見えて...」
「ご令嬢達に失礼よ。おやめなさい」
「すみません...」
とまぁこんなふうに弟からも溺愛されているのである。
貴族らしく敬語でしか話さないけれど、私にとってもそれはもう愛おしい弟である。
2年後のデビュタント。
とうとう社交界に出なければならない。
私も心の準備をしなくては。
【普通】を演じなければ。
あの時までは、そう、思っていた。




