〜異世界冒険記2〜話をまとめてみた
ワタルの話を聞き終えたシャル達。
しかし、どうやらシャルには腑に落ちない事があったようで…
「僕が体験したのはこんな感じかな。」
話を終わった僕は、2人にそう言った。
シャルは、どうやら何かに納得が出来ていないらしく、腕を組んで悩んでいるポーズをしていたので、
(もしかして、まだ何か納得が出来てないんじゃ…)
と、僕は少し不安になってしまった。
そして、どうやら考えがまとまったようでシャルが口を開いた。
「話の途中で聞いた、『とある事』が少し気になってしまったので、今聞いておこうと思いますが、良いでしょうか?」
と続いた言葉で、僕の不安はさらに膨れ上がった。
(あ〜、やっぱり何か納得が出来てないんだ…)
と、僕は勝手に心の中で反省を始めてしまったが、シャルの話はしっかりと聞こうと思い、心を引き締め直し、
「…構わないよ…」
と、僕は少し緊張しながらシャルに言った。
シャルは、
「それでは質問をさせてもらいますね。
ええと…車の送迎をされていた、ワタル様のお母様は無事だったのでしょうか?」
と、シャルが質問をしてきた。
「………え?その話?」
僕は聞き間違いかと思い、思わず口に出してしまったが、
「ええ、そこのお話の結末をワタル様が語られませんでしたので。
そのため、話を聞いている途中もどうなってしまったのか、私は心配になっていました。
ワタル様は、最後には話してくれるかと思っていたのですが、話されずに終わってしまったので、何かお考えがあっての事だと思ったのですが、やはり心配になってしまいましたので、質問をさせていただきました。」
と、シャルが言ったので聞き間違いではないらしい。
僕が予想していた質問は、
『話の途中で、〇〇の所が納得出来ていないのですが、もう少し詳しく教えて頂けませんか?』
みたいな質問を予想していたので、少し拍子抜けをしてしまった。
そして、
(もしかして、まだ僕に遠慮をしているんじゃ…)
と、そんな事はある筈もないのに急に不安になってしまい、思わず、
「あの説明で、それ以外の場所には納得出来たの?」
と、シャルに聞いてしまった。
シャルは、
「そうですね。
聞いていて、大体は納得出来ましたね。
ただ、どうしてもお母様の結末だけがどうしても心配になってしまいまして…」
と、シャルが答えた。
(う〜ん、別に気にする必要はないと思うんだけどな〜。)
と、僕が聞く立場になった場合を想像しながら考えてみたが、僕には別に気にするような事には思えなかった。
ただ、シャルには違ったようで、話の途中で僕がした、
『僕が母に抱いた不安』
が、的中してしまったのかどうか知りたいらしい。
(話の途中でした親の話題は、『僕の不安の解消』に役立ったから話した訳じゃなくて、『僕の不安の矛先』が向かったから出しただけなんだけど…)
と、僕は頭の中で考えていき、
そして、『見たことも無い、知り合いの親の心配をするか。』と、自分自身に問いかけてみて、
(…心配、しないだろうな…)
と、結論づけた。
そして、
(シャルが聖女に選ばれたのは、この性格があったからなんだな〜。)
と、シャルの優しさに感動しながら、
「えっとね、母は無事に家まで帰れたよ。
だからシャルが心配をしているような病気や怪我はしてないよ。」
と、シャルに説明をした。
説明を聞いたシャルは、
「そうですか、無事で良かったです…」
と、ホッとしたような顔になったので、
「説明をしなかったのは、僕が必要はないと思ったからなんだ…
だから、僕の勝手な思い込みで説明を省いちゃってごめん…」
と、僕は頭を下げて謝った。
シャルは、
「見たことも無い、知り合いの親を心配する人というのは、この世界では、私の他には見たことがありません。
ワタル様が説明を省かれたと言うことは、そちらの世界にも、私の様な方は居られないのでしょう。
なら、説明を省くのは当然だと思います。
ですので、頭を上げてください。」
と、シャルは優しく頭を上げるように言ってくれた。
(もし、僕がこんな面倒な性格をしてなかったら、確実に惚れているな…)
そんな事を思いながら、
「そう言ってもらえるなら助かるよ。
実は、シャルからの質問は、もっと厳しいものを予想して、身構えていたんだ。
だけどその質問が、自分の中では割と甘い質問だったからね、思わず聞き返しちゃったんだ。
そして、その甘い質問と思っていたものが聞き間違いでは無かったから、
〈僕ってまだ、甘い質問しか出来ないような関係なのかな〉って思っちゃったんだ。」
と、少し長くなってしまったので、ひと呼吸してから、再び口を開き、
「理由としては、話を真剣に聞いてくれていたのは聞いていたシャルの目を見ていたら分かったんだけど、僕の居た世界では、人を見た目だけで判断して、痛い目を見た人がたくさん居たんだ。
流石に、シャル達がそんな事をする人達ではない事は、一緒に暮していて分かっては居たんだ。
だけど、やっぱり言葉にして伝えてくれないと、不安になっちゃうんだ。」
そして、もう一度ひと呼吸し、
「だから、質問の詳しい理由を聞いて、僕が思っていたような軽い質問じゃなくて、割と重い質問だった時には、おかしいとは思うけど嬉しかったんだ。
それに、話を聞いて納得をしてくれたって言葉を聞いて、
〈ああ、僕ってちゃんと信頼されてるんだな〜。〉
って実感できて、さらに嬉しかったんだ。
だから、少しおかしいかもしれないけど、僕はシャルにお礼を言いたいんだ。
ありがとう!」
と、再び深々と頭を下げた。
この話をする前に、僕はシャルに対して、
(僕って本当に信頼されてるのかな?)
と、不安になる事が多かった。
あまり、理由に他人を出すのは卑怯かと思われるかもしれないが、少し言い訳をさせて欲しい。
シャルの喋り方に問題があるとは言いたくはないが、特徴的な喋り方なので、何となく距離感があるように感じられる。
そのため、普段話していて、
(始めてあった時と話し方が変わらない…
僕って、まだシャルに信頼されてないのかな…)
と、日頃の会話に変化がないので、そんな気持ちになる事が多かった。
シャルからは、
「仕事での喋り方が残ってしまっているので・・・」
みたいな事を、初めの方に言われていたが、
(流石に一緒に暮らしていたら、少しは砕けた話し方に変わるだろう。)
と、軽く考えていた。
実際にクロが良い例で、来たばかりの時は、僕やマリ達への喋り方が、どこか他人行儀だったが、最近では砕けた話し方をしてくれるようになっていたので、
(ああ、信頼してくれているんだな…)
と、少し感動していた。
しかし、シャルはクロよりも一緒に生活をしている時間が長いのに、話し方が初めてあった時のままなので、
(ああ…まだ信頼されてないんだな…)
と、日頃の不安は日に日に強くなっていた。
しかし、先ほどのシャルの言葉で、これまでの不安が一気に無くなった。
長々と話をして、不安の解消方法をシャル達に伝えたが、やはり1番の解消方法は、言葉や気持ちを、直接相手に言って、伝えてあげる事が1番なんだと、今身を持って体感した。
そんな気持ちになってしまったので、
(あ〜、さっきの説明ではあんなに自信満々に話しちゃったよ…)
と、少し照れくさくなっていた僕だったが、
「心配されなくても、私はすでにワタル様を含めたこの村の皆様を信頼していますよ。
それこそ、私を産んでくれた母親や、私を育ててくれた父親よりもです。」
と、改めて信頼の気持ちを『言葉』にしてくれた。
(うん、間違いなく僕がラノベの主人公なら、シャルに惚れているな!)
と、自分の性格を少し呪ったが、今の生活があるのは、この性格のおかげでもあったので、同時に感謝もした。
そうしてシャルと話をしていると、
「ねぇねぇ、2人共。」
と言って、今まで会話に参加していなかったクロが会話に参加してきた。
(そういえば、クロも居たんだよな…)
と思い出し、先ほどの会話を聞かれてしまったと思い込んでいたが、
「実は私、ワタルが話を始めてから、1分もしない内に寝ちゃったから、ワタルが話した内容が分からないんだ〜。」
と、悪びれもせずに言ってきた。
(ん〜、やっぱり喋り方や性格がマリに似てきているな。)
と思い、クロもこの村に慣れて来たことを実感しつつ、
「実は、僕が教えようと話していたんだけど、なんだかんだあって、結果的には僕がシャルに教わっていたよ。」
と、やれやれといった感じで僕はクロに伝えていた。
「やっぱり、シャルは凄いや!」
と、いつの間にかシャルの事も呼び捨てにしていたクロが、キラキラした瞳でシャルを見ていたが、
「いえ、私もワタル様から大切な事を教わりましたよ。」
と、シャルはこちらを見ながら言ってきた。
僕には分からなかったので、
「え?何かあった?」
と、僕が聞くと、
「『言葉にしないと伝わらない気持ちがある』、ということですよ。」
と言って、クロには聞こえないように耳元で囁いていき、そのまま僕の横を通り過ぎて行った。
クロは、
「え〜、私にも教えてよ〜。」
と言ってシャルを追いかけて行ったので、縁側には僕一人だけが残った。
(今のシーン、アニメだったらものすごいお色気シーンだろうな…
まぁ、僕には聞かないと分かってて、シャルはしたんだろうけどね…)
と、先ほどのシャルとの会話で信頼されている事は分かっていたので、僕は冷静にそんな事を思っていた。
まぁ、普段から一緒にお風呂に入ったり、寝たりしているので、あんな事をされても、恋愛感情は生まれなかった。
しかし、
「……村の獣人の子達にはしないで欲しいかな…」
と思い、縁側から村の様子を眺めた。
雨はいつの間にか止んでいて、村には太陽の光が差し込んでいた。
(僕の不安の解消方法も、間違いでは無かったのかもね。)
と思いつつ、
「まぁ、後はのんびりと家で過ごそうかな。」
そう呟き、僕はそのまま縁側で寝転んだ。
続く
途中、何度も書き直してしまい、投稿が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
ただ、今回の話には少し自信がありますので、ぜひ期待して読んでみてください。
それと、ネットかテレビで見た事があったのですが、後書きから読む人もいるみたいなのでここでは詳しい内容は省いて書きますが、読んでいる時に、
「あれ?もしかしてこのまま終わる?」
みたいな流れになると思います。
(実際に書いていた僕自身も、終わる流れが見えました。)
しかし、自分としてはこの物語を書くのが日々の楽しみですので続けていこうと思っています。
でも、読者の皆様の意見を参考にしたいので読んでみて、
「あの流れで終わった方が良かった…」
みたいな感想を持った人は、ぜひコメントやメッセージで教えてください。
終わった方が良いメッセージがたくさん来たら内容を変更して、終わる方向で話をまとめようと思います。
なので、ぜひご意見をお願いします。(出来れば、正午辺りまでにお願いしますm(_ _)m)
それでは長くなりましたが、今回もぜひ読んでみてください、よろしくお願いしますm(_ _)m




