エピソード8.
「ねね!夏祭りいかん!?」
「パス。」
もう一週間もすれば、夏休みが始まる。
純恋は椿を夏祭りに誘った。
一瞬で断られた。しかし、それで諦める純恋でもなかった。
「えーーん七瀬くん誘おうと思ってたのに?」
「.......行かない。」
七瀬で釣る作戦。失敗。
こうなったら、純恋に残された手段は.............
そう、駄々をこねることだった!!
「お願いします!この通り!何でもします!一生のお願い!」
ここまで必死にお願いされれてしまえば、椿にはなす術がない。それは椿が1番よくわかっていた。
「....はぁわかった。」
結果、純恋の圧勝。
「やっちゃー!!てことで西村くんと七瀬くん誘ってくるねん。」
「ちょ、はぁ。もう。」
純恋は、椿が折れてくれることがわかっていたのかと思われるほどのスピードで教室を出て行った。
椿は引き止めようとしたが、すぐに諦めた。
「西村くん、夏祭り行かない?」
勢いよく開いた教室のドアに視線を移すと、ドヤ顔の純恋が西村の目に映った。
「おっ、行く行く。」
「やったー。んじゃ七瀬くんも誘っといてねー。」
「はいよー。」
純恋は西村を誘い、七瀬のことは西村に託すことにした。
純恋が去ってから少しすると、七瀬がトイレから戻ってきた。
西村は純恋に誘われたことを説明した。
「きっと世良さんもくるんじゃないか?」
「僕は行かないぞ。」
まずは椿が来るらしいことを伝えて誘おうとするが、七瀬は折れなかった。
「なんだよ、世良さんショックで寝込んじまうんじゃないか?世良さんに嫌われても知らないぞ?もう本屋さんに誘ってもらえなくても知らないぞ?もう世良さんに」
「あーわかったわかった。行くよ行く。」
結局、七瀬も西村に押し切られて、行くことにした。
それよりも七瀬は、西村が二人で本屋さんに行ったのを知っていたことに驚いた。
「...........てか、何で知ってんだよ。」
「知らなかったのか?俺は全知全能の神だぞ?」
「お前の頭は沸いてんのか?」
「ひどい!七瀬君ひどいわ!」
「きも。」
「おい。」
そんな言葉を交わしながらも、夏祭りを楽しみにしている二人だった。
「純恋ー誘えたぞー。」
「おっけー、ありがと。今度アイス奢る。」
「おー、サンキュー。」
西村は純恋に、七瀬を夏祭りに誘うことに無事成功したことを伝えた。
「夏祭り、西村くんと七瀬くんもくるから。」
純恋はしっかり椿に西村と七瀬が夏祭りに来ることを伝えた。
「そ。」
無愛想な返事の中にも、椿の感情が見えた気がした。




