眠れない寝室。4。
「どうして?ちゃんと持っているの確認したのに!」
「ねぇ、お姉さんが探してる5円玉ってなに?これじゃ、ダメなの?」
そう言って、女の人に見せた5円玉を今度は俺がじっくり見るけど、やっぱり良く分からない。全部同じように見えるんだけど。
そもそも違いなんて年号位なんじゃないかな、昔のお金を俺が持っている訳ないし。
「はぁ・・・なに?私は勘違いをしていたって事?」
「・・・そもそもお姉さんの探している5円玉って何?」
「どうしてかしら。間違いなくそれだと感づいたのに、今でも何処からか私を呼ぶ音が聞こえるのよ」
「ねぁ、お姉さん」
「この家に有るのは確かなのに、正確な位置さえはっきりすればいいのに・・・どうして、こんな、微かな音しかしないのよ」
スルーすか?俺の事、今は無視なのですね・・・。
なんなんだ、女ってやつは・・・!
一人で感傷にしたっていたら急に女の人は、立ち上がると勝手に窓を全開にする。
夜風が部屋の中に入ってきて、少し部屋の温度が下がった気がした。
女の人は、ため息をつくと外に足を投げ出すように窓枠に腰かける。
「・・・どうしたの?」
さっきまでのテンションの高さは何処に行ったんだろう?
急に静かになって、逆に変な気がしてきた。
「今日の所はひとまず帰るわ。陽が昇ってから帰ってちゃ遅いもの。じゃあね、少年」
そういうと女の人は、2階の窓からすぐ下にある塀の上に飛び移った。
片手と尻尾を左右にひらひらと揺らしながら、女の人はそのまま塀伝いに歩いて行ってしまう。
「ずいぶんと身軽な・・・」
まるで、嵐にでもあったような気分がするけど俺ももう寝よう。
怖い思いをした原因も分かった事だし・・・あ、お金片付けなきゃ・・・・・・・あれ?
あれ?床に散ばせたはずのお金は?
財布はちゃんと手に持っているし、中身もない。
床に出したお金も何処にもない。
「ちょ、ちょっと、お姉さん・・・・!」
1度閉めた窓を慌ててもう1度開けるが、真っ暗な暗闇があるだけでそこにはもうあの人の後姿は何処にもなかった。
「まじかよ・・・」
これは、完全にやられたんだよな?
俺の全財産盗まれたんだよな!?
なんで不法侵入してきた人の目の前で金全部、出しちゃったんだよっ俺!?
あーもう、俺の金かえせーー!!
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