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最弱スキル「腸内鑑定」の腸活令嬢が、呪われた令息のフローラを整えたら——彼は王になりました  作者: 嘉ノ海祈栄


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9/11

 三日目の夜明け。


 レオナルドの熱が、すっと引いた。


 目の下に隈ができていた。徹夜だった。でも今はそんなことはどうでもいい。


「……エリーゼ」


 初めて、名前を呼ばれた。


「はい」

「腹が……空いた」


 固まった。


 次の瞬間、立ち上がった。


「今すぐ作ります。何が食べたいですか」

「何でも」

「骨スープにします。腸壁を修復する効果があります。少し待っていてください」


 小走りで厨房へ向かった。


(食欲が出た。腸が、動き始めた)


 石段を駆け下りながら、胸の奥がじわりと熱くなるのを感じた。


(今度は——ちゃんと、間に合ってる)


 泣くのは後だ。スープを作ってから泣く。


 夜明けの光の中、エリーゼは塔の石段を全力で駆け下りた。

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