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29神に仕えし者



「………………………………」


殴った

蹴って斬った

叩き込んだ

砕いた壊した潰した

捻じ曲げた

切り落したねじり切った突き入れた

武器も拳も蹴りも魔法も呪術だって

使えるものは何でも使った

何度も何度も何度もぶつけてその身体が粉々になるまで攻撃し続けた

なのに


「……………………チッ」


殺せない

こういうのシロ、どうしてた?


『…………私なら、魔法で』


ああまあそうか

便利だからなアレ


「……………………無いものねだったってしょうがない…………おっと」


腕だけが動いて剣を叩きつけてくる

弾き飛ばして後退

起き上がった黒騎士が再び構える


「…………ムダダ、ショセンタダビト、コノミヲカンゼン二メッスルコトハデキヌ」

「だからなんだよ、それが何もしない理由になるのか?」

「……………………ヨクモソノワカサデソコマデキタエアゲタモノダ」

「暇なのか?喋ることなんて無いって言ってただろ」


なんて強がってるが正直かなり限界

どれだけ戦ったかもう時間間隔が曖昧だ『…………三十分くらい』あっはいわざわざどうも

本当に不死身だなこいつ

どうやったら倒せる?

黒いもやが噴き出ているから呪いに関するものだってことしかわからない


「……………………ソノケン、ドレダケタトウトモイダイナモノハノコルモノダ」

「…………あ?」

「ダガシラヌダロウ、ジカントハザンコクダ」

「いったい何の」


剣?時間?急に饒舌になったなコイツ

そんなに冷静になれるんだったら話くらい聞いてくれませんかね


「……………………別に俺を殺すのはいいけど、彼女は見逃してくれよ。悪い娘じゃないんだ」

「デキヌ」

「なんでだよ」


少しでもいい、話を伸ばして休憩しよう


「キサマラハワガキョシツヨリカギヲヌスミトルニアキタラズ、アマツサエカノチヘトアシヲフミイレヨウトシタ、トウテイユルセルモノデハナイ」

「…………悪かったよ、何も知らなかったんだ」

「ミノガスリユウニハナラヌ」

「……………………そうかよ」

「コノミニサイハナカロウト、ワレハカノチヲマモリシフメツノツルギナリ……………………ワカキセンシヨ、トククチハテルガイイ!」

「!」


再度始まった剣戟

呪いをどうにかする方法は確か、アキラが言うには聖女が解いてくれるんだっけ


『……………………あの娘?』


わからん

でも『聖地』の鍵なんて重要なものを持っているくらいなんだ、可能性はある

だが、もしそうだとしたなら何もアクションを起こさないのは不自然だ

違うのか、何かできない理由があるのか


「聞こえるか!!」

「?!」


大声を上げて聞く

視線は階段の上、手を組み、悲痛な顔で祈りを捧げている彼女の方へ


「こいつは一体どんな呪いなんだ?!知ってるなら教えてくれ!」

「そ、それはっ……………………」

「頼む!」


言いづらいのか、少し逡巡


「じゅっ、呪術です!『不滅の呪い』にかかった鎧を…………『合一』の、呪術でっ…………身体と融合しているんです!」

「……………………?…………」


『不滅』と『合一』

不死身の理由はそれか

『不滅の呪い』の効果を思い出す

____________________

一定時間耐久値が減少状態または耐久値がゼロになった場合、装備者の消費可能な数値を減少させ耐久値を最大まで回復する

____________________


これを肉体まで適用させているって考えると


____________________

一定時間HPが減少状態またはHPがゼロになった場合、自身の消費可能な数値を減少させHPを最大まで回復する

____________________


確かに殺すのは無理だ

EPの回復速度がキツイ、HPがゼロになっている間にもEPは回復し続ける

その所為で殺しきれない


「くっ!……………………対処法は知ってるか?!」

「『神聖術』を……………………でも、この場所じゃ何故か使えないんですっ……………………私には、これくらいしかできることがないのに……………………どうしてっ!」

「そうか、わかった…………」

「……………………ごめんなさい」


言いづらかっただろう

なんせ現状絶対に倒せないことのお墨付きを与えるようなものだ


「大丈夫だ」

「———」

「何とかする」


何とかするんだ


『…………でも、どうするの?』


こういうのは嫌だが、一応運営は俺たちプレイヤーにこの世界をゲームとして認識させている

実際どうかはどうでもいいとしてそういうことにはなっている

だからゲーム的に考える、こうなった原因は何だ


『…………鍵を挿したから?』


そう鍵だ

俺が持ってた鍵と推定『聖女』が持ってた鍵があったからこれは起きた

あの部屋はどういうわけか無くなっていた、外側からは入れない可能性がある

内側にある鍵、外側にある鍵

両方が揃って初めてこれが起きた


『…………稀人がいないと起こせない』


そう、これはプレイヤーありきの出来事

つまりプレイヤーに解決方法がないということはない


『……………………負けイベントってのは』


もしそうだとしたならワンミスで重要そうな人物が死ぬってことだ

それ前提で考える意味はない

考えろ

まず、あの鍵を使う上での正式なルートは二つあると思う

彼女から鍵を借りるか、彼女と一緒にここにくるかだ


『……………………今は一緒?』


ああ、だけど彼女が一人だけここにいるわけじゃなかったと思う

本来は他の、彼女の仲間が一緒にいるはず、今回は強制ログアウトによるイレギュラーだ


『…………来るまで耐えるの?』


最初はそう思った、けど違った

仲間が来ても多分上手くいかない


『……………………神聖術』


彼らにとって呪いを何とかする方法は神聖術っていう何かだ

けれど、使えないって言ってたしそれには頼れない


『…………彼女たちに頼れないなら、ヒカルが?』


プレイヤーありきだってことなら俺にしかできないことがあるはず

つまり、鍵が必要だったていうなら、初期エリアに関すること

それはなんだ

聖地のモンスター、違う

イデアモンスター、関係ない

ブラック・アントの呪い、違う

大量のコール、違う

鍵を見つけた場所は、あいつの部屋

不死身の人間が最も恐れるもの

もし俺がそうなら、それを見つけたらどうする?


『……………………あれのこと?』

「(ああ)」


壊すか、壊せないなら自分の手元に隠しておくはず


「うおおおおおおおおおおお!!」


剣戟を捌ききり、懐を開き、首元に剣を叩き込む


「……………………ソレハ!」


左手に握りしめたそれは、錆にまみれたボロボロの剣

部屋の地面に突き刺さっていたこれがきっと、あいつにとって有効な武器のはず


「どうだっ!」

「…………オノレ……………………オノレエエエエェェェェェェェェェ!!!!!!!!!」

「……………………あれ?」


咆哮を上げた黒騎士から今までの比でない量のもやがあふれ出す

騎士を中心に衝撃破が発生し、俺はそのまま吹き飛ばされた


「えぶッ…………おばっ」


地面をこすって壁に激突は回避

ノックバック強めで思ったよりHPは減らなかった、ならばよし


「クッソッ!なんだこれ、なんの役にも立たねぇじゃねぇか!!」


起き上がって掴んだままだった剣を見る

思わせぶりな雰囲気で突き刺さってたからてっきり重要そうなものだと思ってたのに―――


「—————?」


なんだ、今


「!」

「キサマ…………ヨリニモヨッテ、ソレヲワタシニムケルトハ!」


逆に相手を怒らせてしまった

大事なものなら逆に、人質ならぬ物質にしてやろうか


『……………………ヒカル…………』


そんな目で見るな冗談だって

一応こっちだって贅沢言ってられないんだよ


「…………そんなに大事ならちゃんと手入れしとけよ」

「フザケルナッ!!ソレハアノカタヲ…………ワレラガカミヲキリサイタ、ワガ…………ワタシノツミノアカシデアル!!」

「…………は」


こいつ今、なんて言った?

黒騎士は天を仰いで膝をつき、発狂するように声を張り上げる

思考が酷く冷たくなった

記憶の奥から何かが這いあがってきた

左手から感じる剣の重さが一気に強くなった



「オオ!!ワレラガカミヨ!ナゼアナタガシナナケレバナラナカッタノデスカ!!」



「—————」



「ナゼアナタガスベテヲセオワナケレバイケナカッタノデショウカ!!」



『……………………貴方は』


おい、嘘だろ



「アナタハイッタイナニヲオモッテイタノデスカ!イデアモンスタートハ!()()()()()()()()()ハ、イッタイナニヲアラワシテイルトイウノデスカ!!」



かつて、何の取り柄もない普通の青年がいた


身体は細く、力は弱い


騎士を目指すも、剣をろくに振るうことも出来ず、戦いの才なきものであった


けれど、誰かを助けるために、最も勇気を振り絞れるものでもあった


「勇剣の騎士」と呼ばれた、神に選ばれし十人の騎士の一人


「…………神聖騎士…………リオセルファ」


国葬の日

最後までシロが死ぬのに反対し、儀式を止めようとし、誤って、シロを斬った

そいつが、どうして


「……………………ワタシノナヲシッテイルノナラ、ワカッテイルハズダ……………………ソノケンヲワタシニムケルトイウコトガ、イッタイドウイウコトデアルノカヲ!!」

「……………………あんたはそんな状態になってまで、何をしたかったんだ?」


『不滅』を使い、生きながらえたのだろう

何十年?何百年?どれだけの時間が経ってたかは、わからない

でも、そんな身体になってまで生き残って、一体何を


「シレタコト!!」


視線は鍵の挿さった舞台の壁、その奥を示している


「ココヨリサキハ、アノカタノネムルチ!キサマラノヨウナフケイナルモノヲ、コノチニトオサヌタメダ!!」

「…………そうか……………………そうかぁ…………」


俺には、それ以上何も言えなかった

だって


「きっと、俺だって」


そんな風に、していただろうから


『……………………ヒカル』

「…………悪い、使()()

『ううん……………お願い……………』

「……………………ありがとな」


剣を、しっかりと握りしめる

正面には、呪いに侵されし、かつての騎士


「シヌガイイ、ワレヲシリ、アノカタノケンニツラナルモノヨ!!」

「そういうわけにはいかない」


左手を軽く持ち上げれば、そこにはサビまみれの剣

記憶にある、あの日の剣

こびりついたこの赤い汚れは、シロの血だ

どれだけ時間が経とうとも、その性質は変わらなかった


「……………………流れ落ちるは指の先」

「?!」


騎士の歩みが止まった


「手を掲げれば見えてくる」

「浮かび上がったその呼び名」

「あらゆる答えを示してる」


剣より零れる、わずかな光


「バカナッ?!」


驚愕の声が上がった

あんたは良く知っている

何度も見たし、何度も使っただろう



「伸ばせ」


「切り裂け」


「そうして残されたのは」


「積みあがった、願いだけ」



名前を消し去る効果なんて、所詮は単なる副次効果

魔法である以上、詠唱文は存在する

血は魔法の触媒であって、血があれば使おうと思えば誰だって使える

実際神聖騎士は何度か借りることがあったし、俺だってシロの剣を使ったことがある


「アリエヌ…………マサカキサマ、ワタシノニッシヲ!!」


ああ、そっちに書いてあったのか

悪いが本人に聞いた



「足跡はとうに均された」


「傷はいつか癒される」



燐光がまるで流れる波濤のように波打ち、剣を包み込む色彩となった

もし神の力が復活したらと考えたが、目の前の聖騎士にも宿った気配はない

脚を軽く開き、剣を肩に担ぐように構える



「全ては忘却の彼方」



ステップを踏むように前へ

騎士は動かない



「流れる血潮」



走る燐光がもやを切り裂く



「尽くを埋め立てよ」



振りかぶった罪の象徴は



「ナゼデスカ!ナゼソノヨウナモノニチカラヲカスノデスカ!……………………カミヨ!!」



騎士の身体を通り抜け



「—————『忘血填(ストラメリス)』」



赤い筆跡を残し、砕け散った



ーーーーーーーーーー



「——————————」


『忘血填』完全詠唱効果

それは能力の無効化

ステータス上に明記された詳細文を、赤く塗りつぶし消し去る無法の技だ


「……………………ワタシニハ、マダ……………………」


膝をついた騎士

その身体には一切力が宿っておらず、剣は地面に落ち、鎧からは鈍い音がし始めた

『不滅』が消えた所為で、身体を維持できなくなってきたのだ


「……………………セメテ……………………」


もう、死ぬ


「まだだ」

「…………ナニヲ…………」


これを言えば、きっと伝わるはず


「…………『私は人を救いたいのではないのです』」

「—————」

「『私は、皆と共に生きていきたいのです』」

「……………………ドウシテ…………キサマガ…………ソノコトバヲ……………………」


かつて彼がシロに対してのみ伝えた言葉だ、二人以外知るものはいない

俺は自分の胸に手を当て、答える


「あいつは、ここにいる…………呪いは、もう解けたんだ」

「……………………」

『…………お願い』


ああ


「伝えよう、あいつの言葉を」

「…………!」


騎士の身体に、入るはずの無い力が入った


「『…………ごめんなさい、リオセルファ…………貴方に、重荷を背負わせてしまって……………………イデアモンスターのこと、不用意に教えるべきじゃなかった……………………』」

「!…………ソノヨウナコトハアリマセン!…………ワタシハタダ、ズットコウカイシテイタダケナノデス!アナタサマヲ、スクエナカッタコトヲ!」

「『…………でも、貴方が一人で生きることとなってしまった』」


人を救いたいのではない、共に生きていきたいのだ

彼はいつも恐怖していた、近しい人が死んでしまうことに

だからこそ戦い、他者を救い、失う恐怖から逃げることなく、自分自身でさえ救い続けてきた


「ミナ…………ナットクシテクレマシタ……………………アナタサマガイキテイルナラバ…………ナニモモンダイハアリマセン……………………」

「『そっか………………………………なら、ありがとう…………貴方は私に仕えた騎士の中で、最も勇気のある騎士だった』」

「……………………アリ…………ガトウ……………………ゴザイ…………マス……………………」


もう限界だ

腕が崩れ落ちている

声も途切れてきた


「サイ…………ゴ…………ニ……………………」

「『……………………』」

「……………………アナタ…………サマハ、イマ…………ダイジョウ……ブ………………ナノデ、ショウ……………………カ……………………?」

「『……………………うん。私は今、シロとして、人として、生きている』」


その答えを聞いた瞬間、甲冑が一部砕け、素顔が露わになる

痩せこけ、もはやかつての面影はとうに失ってしまっているけれど、その目に映る感情は、確かに安堵によるものだった


「……………………そうですか…………………………………………よかっ」

『…………………………………………おやすみなさい』


地面に倒れ伏す前に、その身は塵となって消えていった

風にさらわれるように登っていく灰

かつての聖騎士は、ようやく眠りについた

自分のやってきたことに後悔を抱えながらも、最後は救われた


「お、終わった…………」


膝から崩れ落ちるように地面に座り込む

疲れた、動きたくない

シロの鍛錬とは違い、ワンミスで全部水の泡になるから精神が削れる削れる


「はぁ~……………………というか」

『……………………?』

「(お前神獣…………の二代目だったのかよ)」

『…………気づいてなかったの?』


いや思った、思ったよ

この世界で神なんて呼ばれる存在なんてそれくらいしかいないって

聖地なんて呼ばれる場所にあの場所がある、どう考えても都市で信仰されている神獣はお前だ

きっとシロを信仰していた教会も残ってるだろうしな


「簡単に言えないことが増える…………」


今のこの世界の宗教団体に喧嘩売るような事実だよなぁ

あんたんとこの神様人間虐殺命令出てますよ、とか

先代の神ぶっ殺した後自殺していま俺の中に入ってます、ちなみにイデアモンスターです、とか

口が裂けても言えない


『……………………社会基盤崩壊?』

「言ったら処刑されるかも……………………一応証拠はないから大丈夫だろうけど」


見えないし


『……………………そういえば、あの娘は?』

「ん……………………あれは」


視線を向ければ周囲にあった炎の壁はなくなっていた

崩れた壁の方、一人だけではなく、幾人もの人間が劇場の中に入ってきていた


「よかった、ちゃんと見つかったっぽいな」


はぐれた仲間

しばらく見ていると、集団は数人を残して去っていってしまった

その数人が階段を下りてくる


「貴様が稀人か」

「えーっと…………どうも」


体格がごつい甲冑の騎士が話しかけてくる

立ち上がって挨拶


「彼女は?」

「…………あの方は先にお戻りなられた、貴様が気にする必要はない」

「そ、そうですか…………」


聞いた瞬間、もの凄い殺意が出て直ぐに引っ込んだ

こっわ

殺意もそうだが、それをすぐさまねじ伏せる胆力よ


「貴様には我々と共に来てもらう」

「拒否は、まあハイできないっすよね」


数人に取り囲まれる

今逃げるのは得策じゃないか

流石にもう戦いたくない


『……………………もうちょっといけない?』


勘弁して



ーーーーーーーーーー



ジリリリリリリリリリリリリ!!



〈こちらは、ワールドイデアフラグメント、システムアナウンスです〉



〈すべての、稀人(プレイヤー)に、お知らせします〉



〈新エリアが、解放されました〉



〈カルナーツェ直通、始まりの地、および〉



〈灰の聖都、カラルナディアが、解放されました〉



ーーーーーーーーーー



劇場を後にし、森を抜け、扉をくぐり、都市を歩かされた

途中何人かに見られたけど、直ぐに目を離して走り去っていく

中央区に入り、厳重な門を抜け、しばらく部屋で待機していた後、どういうわけか

この都市で最も高く広い建物である『教会』、その内部にあるなんだか特別そうな部屋の扉の前で一人、立ち尽くしていた


「……………………うーん」


最初、待機していた部屋から連れて行ってくれた案内人がいたのだが、長い回廊の途中で


「ここからは先は貴方様お一人で」


と言って、いなくなってしまった

誰か説明して欲しい

なんだが頭が痛くなってきた


『……………………一先ず入ったら?他には何もないし』


そうするか

ノックして少し待つ


「……………………」


弱かったか、もう一度


「……………………ん?」


無反応


「えぇ…………ここまで来て誰もいない?」


どうしよう

一回戻ろうかと踵を返したその時


「……………………ぅぞ……………………」

「え?」


少し小さかったが、確かに声が聞こえた


「…………どうぞ」

「……………………」


ドアノブを掴んで、入る

内部はまあまあ広く、いくつか扉があるようで他にも部屋があるのだろう

内装はシンプルだがそれが気にならない程度にはおしゃれだ、多分女性の部屋

中央を見てみれば、そこにはテーブルと、二つの椅子

一つは空いており、もう一つには見覚えのある人物が座っている


「申し訳ございません、長々とお待たせして」

「……………………」


女性は手に持ったカップを下し、椅子から立ち上がる



「改めまして自己紹介を」



先ほど見たものよりさらに豪奢な服を着ており、装飾の数も段違い

髪に飾られた二つの白い鈴が、音もなく揺れる



「央都カラルナーツェにて、この『白の教会』のトップを務めさせて頂いているもの」



手を胸に当て、軽く一礼



「『聖女』と、申します」



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