25幻想と現実の境界線
「アヤッ!!」
「れ、レン…………」
会場、実況席に飛び上がったレントが地面に座り込んだアヤノールへと声をかける
彼女は膝を抱えたまま震えておりレントは周囲のプレイヤーに話を聞いてみるが
「それが…………アヤノールさんが急に狼狽えだして…………みんなも何とかしようとしたんですが……………………」
「アヤノールさんにしか見えない何かがいるみたいで、どうすることも出来なかったんです。すいません……………………!」
「いや、後は任せてくれ」
落ち込むプレイヤーたちに労いの言葉をかけ、アヤノールの方へ
「わ、わたし、穴が、眼を、ごめん、女の人、首、ぐるって!」
「大丈夫だ、気にするな…………ゆっくりでいい、深呼吸しろ」
彼女の言葉は要領を得ず、言葉も支離滅裂だ
安心させるように肩を抱いて落ち着かせる
「今日はもうログアウトしとけ」
「で、でも」
「大丈夫だ、俺が何とかする」
「……………………うん、わかった」
メニューを開き、ボタンが押される
不安そうな顔をしながらも、アヤノールがそのまま粒子となって消えていった
立ち上がり、観客席の方へと登ってきた他のプレイヤーに目を向ける
「サブリーダー、アヤノールさんは」
「大丈夫だ、少し混乱してるだけで、一先ずログアウトさせた…………ヒカルは?」
「えっあっ!…………いない…………直ぐに追いかけます!」
「待て」
走り出そうとしたプレイヤーを引き留める
困惑の視線をそのままに手すりを飛び越え一階に降りる
「レントさん!」
「アヤノールさんは」
「もしかしてあいつが?!」
「あの野郎!」
―——ガイィン!!
「「「「「……………………」」」」」
レントが手に持った槍を外壁に向かって叩きつける
甲高い音が響き、声を上げていた者たちが黙り込む
そのうち一人に声がかかる
「カッコウ」
「は、はい」
「お前は現地民に契約関係の話を通しておけ、前回の二の舞になるな」
「…………へ」
「時間がねぇんだ、さっさと行ってきな」
「は、はい!」
次
「リングル」
「…………えっと」
「倉庫の鍵かけとけ」
「……………………了解です」
もう一人
「ローンチ」
「…………ウス」
「新人に軽く説明…………次のログイン後の集合場所は二番会場だって伝えとけ」
「…………ウス」
集団の一人一人に淡々と命令を与えていく
雰囲気は重く、彼に意見を訴えようとするものは少ないが
「あの…………」
「どうした」
「追いかけなくて、いいんですか?」
「それなら大丈夫だ、今回の緊急アプデがどれだけかかるかわかんねぇんだ、もっと大事なもんがある」
「で、でも」
「それに、追いかけねぇとは言ってねぇ…………俺が行く」
肩に担いでいた槍を下し、指の動きで回転
穂先を地面に突き刺し、宣言
「———着装———『流星』」
ーーーーーーーーーー
「…………追いかけてこないな」
会場を出て少し、記憶を頼りに出入り口に向かう
いくつかの扉を抜け廊下を駆ける
一年も経ってはいるが案外覚えているもんだ
『…………うーん』
「……………………で、シロは一体さっきから何してんだ?」
走るさなか、浮遊して並走するシロを見てみればなぜかメイド服
ロングスカートのクラシカルで、カチューシャがキマっている
しかし気づけば瞬きの合間に別の衣装に切り替わっていた
『…………さっき変えられたから、試してる』
「……………………そうか」
顔を変えるように服装を変化させているのだろうか
そうして何度も姿が変わっていく
村娘のような恰好、スーツ、チャイナ、制服、元の服、ドレス、全身鎧
もはや何でもありである
「…………ちょっと待った!」
『…………?どうしたの』
「さっきの制服って…………」
『…………コレ?』
そう言って切り替わった服装はやはりというか見覚えのある恰好
「それウチのとこの制服に見えるんだけど…………どこで?」
シロはなんて事のないように頭部を指し
『……………………ヒカルの記憶を見た』
「マジか」
もはや何でもありかコイツ
頭の中覗かれるって少し怖いんだが
『…………ヒカルも私の記憶見た』
「いやそうなんだけど……………………ん?」
あれ、もしかして記憶だけじゃなくて何考えてるかも聞こえてる?
『(うん)』
しかも直接言葉を届けてきた
もうどうにでもなれ
『…………ねえ』
「うん?」
『…………似合う?』
首を傾けて両手を後ろに組み、上目遣いでこちらを見つめる
相変わらず表情は固いままだが口角が少し上がってる
なに着てても似合うなコイツ
「……………………まぁいつでも服を変えられるのは便利だな」
『…………ふふ』
ちくしょうマジで勝てない
心を無にする鍛錬しようかな
『…………ついた』
「受付は…………誰もいないみたいだな」
そんなことしているといつの間にかエントランスにたどり着いていた
見覚えのある場所、ガラス張りの自動ドアが目に入る
勘違いで俺を登録したあの人に少し言いたいことがあったがしかたない
「時間は六分くらい…………さっさと―――」
『ヒカル!!』
―—————!
背後から気配がして咄嗟に横っ飛び
何かが高速で今いた場所を駆け抜けていく
自動ドアの前で甲高い音を立てて急ブレーキ、こちらへ振り向いた
「…………なんだ、こいつ」
空色で流線形の装甲を纏った人型、特徴的な青いラインから機構に関するものであるということはわかる
長い槍を持ち、空気の摩擦によるものなのか装甲の表面が熱を帯びたかのように赤く染まっている
「—————」
「!」
人型が歩き始めるのに合わせて装甲が組み代わっていく
身体の先端から中央にスライドするように移動し、内部の存在が露わになっていく
最終的に背中のバックパックのようなものに収まり、浮かぶように離れた後空気に溶けるように消えていった
「———よう」
「れ、レントさん?」
出てきたのは見知った顔
偶然知り合いと出会ったかのような気軽さで手を上げる、けどその空気は軽くない
隠しきれていない殺気が漏れ出ている
「…………レントさんだけ、なんですね」
「まあな…………なあヒカルちょっと聞きたいんだが」
「……………………なんですか」
肩に担いだ槍をトントンと動かして肩を叩く
内側にある感情を無理やり押さえているのか握り手は血管が浮き出ている
「アヤ…………アヤノールに、なにした?」
「……………………えっと~…………(おいコラなにした)」
『む…………ステータス見られたから少し驚かせただけ』
少しって割には凄い絶叫だったんだけど
一体なにしたんだか
「ステータス見られたんでちょっと、驚かせただけ…………っすね」
「…………………………………………はぁ~…………それだけか?」
「は、はい」
「本当に?」
「はい!」
痛みをこらえるかのように左手で頭を抱える
聞こえない程度の小声で何かを呟いた後もう一度ため息
「…………あのバカ勝手に使うなって言っただろうが…………」
レントさんの殺気が収まっていき、雰囲気が落ち着いていく
一瞬見えた目元の青い燐光
「もしかして嘘ついたらバレてた…………?」
「ヒカル」
「はいっ?!」
居心地が悪そうに頭を掻き、言う
「悪かったな、色々と迷惑かけちまった」
「いや、まあレントさんにはさっき?助けてもらいましたし、こっちもご迷惑を……………………じゃあそろそろ」
二回戦終了後に介抱してくれたし、なんだかんだ信じてくれてるみたいだし、規模の大きいクランじゃ苦労が多そうだ
「ああちょっと待て」
さっさと離れようとしたところ予想外の言葉に引き留められる
「ここまで言っといてなんなんだが…………もう少し付き合ってもらうぞ」
「え」
下していた槍を再度構え直す、先ほどのような重苦しい気配はないが言いようのない緊張感がエントランス内に満ちる
一体どういう理由で
「あいつを…………アヤを泣かせた奴をそのまま逃がすってのは、悪いが無理だ」
「…………あー…………………大切な人、ですか?」
「恋人だ」
あー
「それは、仕方ないですね…………」
「……………………悪いな」
『…………そういうのちょっとわからない』
俺も武器を抜いて構えを取る
そういう理由の場合説得とかは不可能だ、理屈じゃなくて意地なので
「一分でいい…………過ぎたらもう追わない」
「……………………」
「スキルも機構も魔法も使わない、その後もクラン内で不当な扱いはさせないと誓う」
「…………そうですか」
カウントダウンが刻一刻と過ぎていく
時間は五分と数秒
互いに始める時間は言わずとも
「「……………………」」
一分だ、一分耐えきれば
『5:04……3……2……1……0』
―——突風
―——左
―——回る槍先
『———ル!』
―——シロの声
―——『越境』
―——カッァァン!!
「ッッ!!」
咄嗟に構えた木刀と槍先が衝突する
砕ける木刀、互いに動きを止めた、無音の数巡
少し下がった
「…………ハッ…………アビリティか…………」
「!!」
動く、回る、回転する
長い槍が左右の手の中で動き回る
遠心力が槍先に集中し、振り抜かれる
「クッソッ!!」
身体を屈めて回避、即後退、次が来る
来た
正直巧い槍使いが一番嫌いだ
横なぎの攻撃を避けたと思えば身体の捻りで切り上げに
手の中で回る槍を逸らし、下手に攻撃に移ろうすれば反撃を受ける
身体を支点に梃子の力で振り抜かれれば受け止めることは難しい
「何が一分だけだよ……………………!」
「—————」
一分どころか、三十秒も経たずに終わらせるつもりだ
腕の動き、手の動き、足さばき、腰の捻り
全ての動きがそのまま攻撃に繋がってくる
「うごッ…………!」
砕け散った木刀がまた元に戻る
今俺がまともに相手が出来てる理由は二つ
思っていたよりもレントさんのステータスが高くないこと、そして
『右脚下げ、左前二歩、右手上げて、飛んで』
シロのおかげだ
圧倒的な先読みによる誘導でレントさんの攻撃を避けることが出来る
ステータス差によるダメージが少しづつ蓄積していくが、それも何とかなっている
「……………………んぐがっ」
空中に出現した回復薬を口で確保してかみ砕く
本来なら隙が生まれる回復行動に問題が無くなる
「でも、ヤバいな……………………」
回復薬だって無限じゃない
レントさんだってまだまだ本気じゃないだろう
どうする?
『……………………考え、あるよ』
ーーーーーーーーーー
「…………チッ」
振り抜いた槍が逸らされる
攻撃のほとんどを無力化されるのを考えるとこいつのイカレ具合がよくわかる
いくら真偽を判定する機構のデメリットでステータスがかなり下がっているとはいえこっちは初期からやってきた古参でもある
対人にはかなり自信があったがこんな風にカンカン逸らされちゃこっちの立つ瀬がねぇ
「……………………」
何より一番よくわからねぇのがアレ
今噛み砕かれた回復薬
インベントリを操作した様子もねぇのに気づいたら出現している
あれがアビリティかと思ったがそれじゃあステータスと装備補正が合わねぇ
「…………まあ、潰すだけだな」
回していた槍の速度をさらに上げる
躊躇を捨て、足を踏み外す可能性を一切無視して全力疾走
振って、薙いで、突いて、付近の地形までも利用してヒカルのことを追い詰める
「くっ……………………だったら!」
ヒカルが足を止めて構える
木刀を後ろに流したカウンター狙い
だったらその上を行ってやる
「—————!!」
駆ける脚、狙いは首元、重心を左足に右手を押し込むように槍を振り抜いた
「—————」
限界ギリギリ、咄嗟に掴んだ左手を押し込んで槍を伸ばしたがそれも読まれていたのか避けられる
「『ウィンド』!」
回る俺の右側に回り込むように魔法の反動で移動、背中を狙ってくる
―————それは悪手だ
左手を緩め今度は右手で槍を掴む、そのまま勢いよく引き込んで後ろに突き入れた
「カッハッ?!」
迫るヒカルが吹き飛ばされる
攻撃に移ろうとした力も合わさってめり込むように石突きが勢いよくヒカルの身体に当たる
即反転して追撃に移る
眼前には両膝と両腕を地面に着いた状態のヒカル
この状態ならどう回避しようと攻撃は当たる
「『ウィンドスラッシュ』!」
咄嗟に放たれる二節魔法
先程から碌に魔法を撃ってこなかった、おそらくは魔力に余裕はない
狙いは足、跳躍して回避
苦し紛れの一発だが、精々立ち上がる余裕を作っただけ
槍を掴む手に力を入れ、一気に突き入れる
「…………くそっ!」
苦々しい顔を浮かべ、視線が通る
見据える瞳は、こちらを見てはいない?
「!!」
「『緩去全戻』!!」
スキルの発動
ヒカルの身体を緑の燐光が包み込み、その後消えうせる
突如として身体が支えを失ったかのようによろめき顔を伏せるヒカル
知らないスキル
異質
武器には発生してない、ステータス強化だ
だがその程度で
「止められる―――か?」
―——衝撃
視界が突然加速した
踏み込んだ足がつんのめる
身体が宙を浮いて前方、ヒカルの方へ
背中を強打した謎の攻撃、HPは減っていない
周囲には誰もいなかったはず、それにこの場所で俺に攻撃してくる奴なんて
「なにがっ」
ーーーーーーーーーー
前方、レントさんが驚愕の顔を浮かべながら空中にいる
身体を襲う倦怠感は今発動したスキルによるもの
このゲームのスキルの特徴、使用し続けると進化して威力が上がる
だがそれとは違う、特殊なもの『異質スキル』
普通とは違う使い方をした時、進化が止まる代わりにそれを元に別のスキルへと変化する
例えば、ステータス差による威力上昇をわざとステータスを下げて耐えた時のような使い方
MAGが下がったことでさっき撃った魔法が引っ張られように戻り、レントさんの背中に命中した
刃部分ではないためダメージは無いが、ノックバックは有効
『次、唱えて』
「『全進壮来』!!」
最も低くなっていたステータスが基礎値の1.1倍に変化
手足に力が戻り即前進
気づいたレントさんが迎撃しようと動き出すが今の状態では踏ん張りは効かないし体勢も崩れている
姿勢を低く取ったまま上空のレントさんを掴む
吹き飛ぶ勢いを利用し全力の力を込めて投げ飛ばす
「ぐぅ?!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
―————『越境』!
吹き飛ぶ人影
そのまま受付を飛び越え壁に激突、滑るように地面に落ちていった
「とどめを…………あがっ?!」
全身に壮絶な痺れが襲いかかり地面に膝を付く
HPは風前の灯火、アビリティを一気に使った所為か身体が動かない
受付の向こう側から気配が近づいてくる
聞こえた足音、硬いものを引きずるよう音
レントさんは目の前までやってくると手に持った槍を、仕舞った
「なんで…………?」
「よく見な」
天井に指を差し、肩をすくめる
追うように見てみると指していたのは視界の上部、気づけばカウントダウンは四分を切っていた
「俺の負けだな」
耐えきったのか
痺れが少しずつ引いていきゆっくりと立ち上がる
「っく…………いいんすか、本当に」
「二言はねぇよ、それに面白いもんも見れたしな」
「それは…………よかったっすね」
まだまだ全然余裕そうだなこの人、本気で戦ったらどんだけ強いんだか
装備だってさっきのパワードスーツ的なの使われたら多分数秒も持たなかっただろうし
出入り口の方へ歩き出したところレントさんから声が掛かった
「マト…………あ~お前に妙に当たり強い奴がいただろ?」
「ああ、はい」
少し言いよどんだ後
「もし気になったらでいいんだが、『C』ルートについて調べてやってくれ、頼む」
「……………………」
何というか
ーーーーーーーーーー
俺の言葉に少し思案顔のヒカル
マトや他の奴らもいつもはあそこまで神経質じゃないってのを知って欲しかった
正直かなり都合のいいこと言ってる自覚はある
結局、どう思うかは自由だ
「……………………?」
ヒカルが表示させたウィンドウをいくつか操作した後
「いい人っすよね、レントさん」
「は?」
「それじゃあ失礼します。あっ勝手にチケット使ってすいませんでした!」
「あっおい!」
そう言ってドアを抜け走り出していった
何とも言えずその場で立ち尽くしていると突然の目の間にウィンドウが表示される
「あいつ……………………?」
背後から足音、振り返って見てみればクランメンバーが幾人か揃っていた
「レントさん、諸々の連絡終わりました」
「おう、そうか」
「…………えっと、あいつは?固定リスポ地点には誰もいなかったんですけど」
「逃げられた」
「逃げられたぁ?!れ、レントさんから?…………」
実際手強かったしな、次は本気でやりてぇ
「あのそれ、どうするつもりなんですか?」
「ああこれか?…………そりゃもちろん」
表示されたウィンドウをタップ、押した場所はYES
『ヒカルさんとフレンドになりました』
ーーーーーーーーーー
「はぁ…………はぁ…………はぁ……………………ここまでくれば大丈夫だろ」
クランホームを抜けてしばらく走った
外でも他プレイヤーが混乱している様子が見えたが一先ずは誰もいない場所へ
そうして着いた場所は俺がチケットを拾った路地裏の入り口
カウントダウンを確認し一息ついた
『……………………』
「どうした?」
シロが周囲を見渡している
遠くで行きかう人を見つめ、近くにあった壁を見つめ、地面に咲いた花を見つめている
「ああ、お前からしたら、未来の世界だもんな」
『……………………うん』
何千年以上もあの場所に居続けたシロにとって今あるものは目新しいものばかりだろう
興味深そうにキョロキョロと見渡す姿が、どんなことを考えているかはわからない
「シロのおかげだ」
『え』
「お前があの選択をしたからこそ、今がある」
本来であれば神の力によって世界の人々はもっと減っていた
繁栄と衰退を繰り返し、ここまで広大な都市が生まれることもなかっただろう
人間の間引きを止めることも出来ず、終わることのない負のループを繰り返していたはずだ
「シロが、世界を救ったんだ」
『……………………そう思って、いいの?』
「俺が知っている」
誰ももう覚えていなくたって、シロにそんなつもりはなくったって
確かにそれでも、今が続いているのはきっと、シロのおかげだ
『……………………そっか』
本当は逃げ出したことを少し後悔していたんだろう
どこか肩の荷が下りたかのような、安心したかのような、そんな雰囲気を纏うシロ
『……………………』
悩むように思案し、しばらくして口を開いた
『……………………私、ずっと生きるのが怖かった』
ゆっくりと路地の出口に移動していく
『…………誰かといても、そこに私はいなくて……………………いつも自分を探してた』
影のある場所から、その先へ
『…………死ぬのだって怖かった』
視線の先には、賑わう街並み
『…………何も感じることの無かった、最初の私に戻るんじゃないかって』
空から差し込まれる日の光がシロの身体をすり抜け、地面を照らす
『でも』
光と影の境界線
『……………………ヒカルが来てくれたあの時は、そうじゃなかった』
そこに、シロはいる
『怖く、なかった』
振り返ってこちらを見るシロの表情は、笑顔
『……………………だから、ヒカル』
歩き出す
その場所へ、その先へ
『…………私と、ずっと一緒に、いてね』
答えは口に出さなくたって伝わっている
だって、シロと俺の境界線は、もうとっくに無くなっているのだから
ストックが無くなったので、不定期投稿となります
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます




