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エピソード8:交際

酒の勢いもありSEXをした俺と奈津美は、朝を迎えた。

夜が明けて、カーテンの隙間から朝日が照らす。

「ん…っ」俺はその朝日の眩しさで目が覚めた。


…服を着ていない。そのことから俺は昨晩の出来事を思い出した。

やってしまった…酒が入っていたとはいえ、俺は頭を抱える。


そんなこんなしていると「ふあー…おはようございますぅ…」と、隣で寝ていた奈津美が目覚める。

「…とりあえず、服着ようか」その俺の言葉に、奈津美は眠そうに目を擦りながら頷いた。



「奈津美ちゃん、フレンチトースト食べれる?」俺の問いに奈津美は頷く。

俺は冷蔵庫から牛乳、卵を取り出して朝ごはんの準備をする。

「え…作ってくれるんですか?」驚いた様子の奈津美に「うん。」とだけ返す。


ボウルに卵と牛乳、砂糖を目分量で入れて混ぜる。

そしてそれに一口大に切っておいた食パンを浸す。


しっかり食パンに卵液がしみ込んだところで、俺は冷蔵庫からバターを取り出しそれをフライパンの熱で溶かす。

フライパンに卵液に浸した食パンを並べ、焦がさない程度に裏返して両面を焼き、完成だ。


俺はそれを皿に盛り、少し蜂蜜をかけたものをダイニングのテーブルに置くとフォークを取りにキッチンに一旦戻る。

ダイニングに戻ると、奈津美はソファからキラキラした目でこちらを見た。


奈津美は「これ…食べていいんですか?」そう聞いてくる。

「そのために作ったんだよ、それにどう見ても一人分の量じゃないだろ」俺は答える。


「コーヒー、いる?」俺のその問いかけに奈津美は首を振る。

「苦いの苦手で…お水、ありますか?」そう言う奈津美のためにキッチンに戻りコップに水を注ぐ。

自分の分のコーヒーは冷蔵庫にペットボトルのものをストックしているので、それを持ってまたダイニングに戻った。


「いただきます」と言う奈津美に「どうぞ、召し上がれ」と返し俺たちは朝食を共にした。



「悠斗さん…いつもこんなちゃんとした朝食とってるんですか?」

奈津美のその問いかけに俺は苦笑して「休みの日だけだよ、それ以外はコンビニのおにぎり。」と返す。


「奈津美ちゃんは自炊しないの?」俺がそう聞くと、「食費を切り詰めてて…カップ麺、箱買いです」とやや言いづらそうにそう返事した。

そして慌てたように「あ、でもでも…料理ができないとかじゃないですよ?!レシピと具材さえあればある程度は作れます!」そう続ける。


「お金…困ってるの?」俺がそう聞くと奈津美は少し困ったように「余裕は無いですね…」と答えた。

「私今、障害年金と単発バイトでギリギリ生活回してるんです。」奈津美はそう言った。


障害年金…俺はそこまで詳しくはない。

「障害年金って月にいくら貰ってるの?」そう聞くと、奈津美は「2か月に1回、まあ大体ですけど…14万円くらいですね…」と答えた。


月に換算すると約7万といったところか。

確かにそれだけでは、家賃と水道光熱費でほぼ無くなるだろう。


「固定のバイトはしないの?」俺がそう聞くと、「……音信不通状態を思い出してください。」と奈津美が答えた。

なるほど、安定して出勤もできないという事か。

俺は一人で納得した。



「奈津美ちゃん、昨晩のことだけど…」俺が話し始めると奈津美は顔を赤らめて「あー…忘れてください、お酒の勢いってことで…ね?」と慌てて話を遮る。


「俺たち、付き合わない?」俺の言葉に奈津美は文字通り、キョトンという顔をした。

「ふぇ…?私と?」そう返してくる奈津美に俺は「することもしちゃったし…な。」と返す。

奈津美はポツリと「こんな私でいいんですか…私にはなにもないのに……。」と呟いた。

そんな奈津美に「今日からは俺がいるよ」俺はそう告げた。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

『エピソード9:日常』へ続きます。

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