第四十話 第四回戦の準備完了
あけましておめでとうございます。今年も一年よろしくお願いします。
第四回戦五日目。
「リアン、喜べ。遠矢たちの作戦が分かったようじゃぞ」
反イケメン同盟の情報はやはり手に入れにくく、マダラ個人の力ではほとんど情報を手に入れることは出来なかった。
そこで商人の英雄が作り上げた大商会に何とか渡りをつけ、反イケメン同盟の情報を探ってもらった。
大商会も対戦情報の売買という巨大市場に手を出したかったらしく、商売敵になる反イケメン同盟を少しでも弱らせたく利害が一致した結果だった。
「どうやら反イケメン同盟内である道具が流通しておるらしい。強烈な光と音を発する道具なのじゃが、開始と同時に使うことで回避不可能の目くらましになるようじゃ。そしてその道具は遠矢が流しておる」
「……つまり、私たちの時にそれを使うってことか?」
「可能性は高いじゃろう。おそらくリアンと猫の一件もリアンを怒らせることで正常な判断を行わせず、確実に目くらましを成功させる為の布石じゃろう」
猫の一件、と言われリアンは羞恥から地団太を踏むが、それに慌てたマダラが止めに入る。
「おお、止めい。ここがどこか分かっておるのか? 谷間じゃぞ。周りが崩れたらどうするつもりじゃ」
「……チッ!」
マダラとリアンは現在自分たちがレースをする山岳のルートの確認に来ていた。
すでに何度も確認をしているがそれでも他にもっと早いルートがあるのでは、考えて様々な可能性を探っていた。
そして今いるのはゴールである谷間。
「まあ良い。結局何度か蛇行することになってもまっすぐ走った方が早いんだ。下手な道を選べば山を登ることになるしな。もし最初に目くらましをされても速力で抜けば」
「いや、それは危険じゃ。調べてもらったのじゃが、遠矢もりりあも第一回戦から第三回戦までほとんど走っておらん。もしかしたら異様に足が速い可能性がある。なので目くらましを警戒して開始時は目を瞑り耳を塞いでいた方が良い。それだけで防げるからの」
遠矢とりりあはほとんど走っていないという情報にリアンは驚くも、道具への対策方法があると聞いて安心した。
遠矢たちが道具に頼らなければならないほど足が遅いなら道具の対策を知っていれば良い。道具に頼らずに単純に足が速いのであれば後ろから多眼族の奥義で狙えばよい。
負ける要素はない。それを確信したリアンは意気揚々と自エリアに戻りマダラもそれに続いた。
「何て感じな話に向こうはなっていると思う」
「はあ、なるほど」
遠矢とりりあもまた第四回戦のレースをする山岳に来ていた。
ただ目的はマダラたちとは異なる。遠矢はすでにルートを決めており、そのルートを走る際の不具合を確認していた。
とりあえず、今までの道のりで問題となる個所はなかった。
「それで道中相手の予想を覆す様々な策を説明したな。そしてこれが今回の最後の策であり、決め手になるものだ」
「はあ、なるほど」
遠矢の話を聞いていたりりあだが、目の前の事態について行けず生返事してしまう。それを遠矢は問題ないと受け取り、あるものの設置に問題がないか確認する。
前に行き、後ろに行き、向きを確認し、そして最後は良く分からないと投げやりに終わらせた。
「りりあ、お前は飛べるんだよな。だから、高度や向きを変えることは出来るな?」
「ええ、ええ。飛べますからそれくらいは出来ますよ? でもトーヤ、この目の前にある奴と飛べるかどうかは全く関係のない話ですよね? だってこれ、あれですよね? 攻城兵器って奴だよね!」
「ああ、そうだな」
「何で、レースの話の最後にこれが出てくるの! 相手を攻撃するわけじゃないでしょ! これが出てくるのはおかしいでしょ!」
「りりあ。つまり、そういうことだ」
「ちゃんと説明しろやー!」
遠矢の胸倉を掴んで揺さぶるも策が変わることはなく、りりあは試験を行い三度目で谷間のゴールに到着できるようになった。
ただ、その時にはりりあの心身は今までのどの対戦よりもボロボロになっていた。
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