表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
45/54

45 戦闘開始

楽しんで頂けると幸いです。

「ありがとう、ウーディさん。」


ロディはそういうと、森の中の先頭を駆けるグレイウルフめがけて矢を放った。


「ギャオウン!!」


目の前を何か横切ったと思ったとたんに、魔物の断末魔が聞こえ、フィズは驚いて振り向いた。


「な?もう見えたのか?!」


すでに次の矢を射ようとしているロディは,それに応えることもなく、次々に矢を放つ。「ギャオ!!」「ゴアアアン!!」魔物たちの叫びが次々と聞こえる様子に、フィズだけでなく、グリー、ジェインも戦慄した。こんな暗闇の中で、森の奥からやってくる魔物の姿を見つけ、正確に打ち倒す。ロディが賢者の依頼をこなした、という希有な才能のある子どもだと知っていても、現実に目の当たりにするのでは異なる。そのあまりにも自分たちとかけ離れた存在に、圧倒されていた。


「ジェイン、攻撃魔法の射程範囲内に入って来たよ。グリー、そろそろくるよ!!」


ロディは魔物から一切視線を外さずに次から次へと矢を放ち続けながら二人に声をかけた。唖然としていた三人だが、ロディの声に慌てて戦闘態勢に切り替える。ジェインは森へと目を向け、グレイウルフたちを見つけると、急いで詠唱を始めた。


「お?おう!・・・世界の理に、我が魔力で干渉せん。大気よ、凍てつき、槍となれ。宙を駆け、我が敵を貫け。我が力となりて、現世に現れん。ターゲット、グレイウルフ。いでよ、アイスランス!!」


ジェインは詠唱しながら、イメージを固めていく。ジェインの周りに5つの氷の槍が現れていく。魔力の消費量自体はそこまででもないが、5つを同時に扱うためにジェインは長々と詠唱し、イメージを言霊で固定させる。まだ駆け出しの魔法使いであるジェインは詠唱をすることで、魔法を確実なものとする。解き放った魔法は吸い寄せられるようにグレイウルフへと向かう。が、2匹倒すも、2つは外れてしまった。

 その横では、グリーが剣を構える。


「まかせとけ、ロディ。」


「く、命中率はなんともな・・・。」


悔しそうなジェインだが、再び魔法の詠唱を始める。フィズは二人の戦闘が始まると、周囲を見渡す。コーフィットたちは遠くの方に見えるが、まだ戦闘には入っていないようだった。




いくらロディとジェインが遠距離から狙っていても数が多ければ全て倒しきることはできない。とうとう、森を抜けたグレイウルフたちが目の前に迫ってきた。ブラッドウルフやノワールウルフは矢が刺さっていても駆けてきている。


「さあ、こいやっ!!」


グリーがグレイウルフに向かって駆け寄り、剣を振るう。グレイウルフの動きをよく見て、剣をうまく使って躱しながら急所を狙っている。その横で、ジェインが詠唱を切り替える。


「森から出てきたなら、いけるな。世界の理に、我が魔力で干渉せん。大気よ、熱く燃えたぎり、砲弾となれ。宙に浮き、我が敵を貫け。我が力となりて、現世に現れん。ターゲット、グレイウルフ。いでよ、フレイムオヴィス!!」


人の頭ぐらいある炎の塊が宙に5つ現れ、ジェインの狙ったところへ砲弾のように飛んでいく。どうやらジェインのイメージでは5つが一番操りやすいのだろう、とロディは横目で見て感じる。さっきから、5つのうち、2つもしくは3つが当たっているからだ。ロディは弓と矢を背に背負い、剣を抜いた。ロディは流れるような動きで、グレイウルフたちを次々に狩っていく。まるで踊っているかのような戦い方に、フィズは見とれてしまった。


「うわっ!」


「大丈夫か?!」


グリーの叫び声に、ジェインが声をかける。グリーが攻撃を避け損ね、爪が肩を切り裂いていた。気丈にもグリーはそのまま戦い続ける。


「フィズ!」


「分かってる!周囲を頼む!」


ジェインの言葉に、フィズはグリーを見つめる。ジェインはグリーの周りに集まる魔物たちをフレイムオヴィスで追い払う。


「神の御名の下に我は希う。我らは神を信じ、神の教えを乞い、神の加護に感謝し、神に仕える僕であり、神の子である。我が願いの力を持ってして、神よ、我が友をお救い下さい。かの者を癒せ、リェチーチ!!」


フィズはクロスを胸に掲げ、祈りの言葉を神に捧げる。フィズの魔力がすっとグリーの怪我を包み込み、じわじわと治していく。その連携の様子を、ロディはずっと見ていていた。ロディは相変わらず、魔物の動きを見切り、寸前で躱しては切り倒していくが、グリーが気になり気がそれる。それでもグレイウルフを寄せ付けず、闘い続けた。グリーは怪我が塞がると、再び闘い始める。


「待たせたな。」


「助かった。そろそろ援護に来てくれないかと思ってたところだ。」


軽口を躱しながら,ジェインとグリーは攻撃の手を止めない。


「あっちも戦闘に入ったようだな。」


「あ、本当だ!」


フィズがコーフィット達の方を見て、魔物と対峙している様子を伝えると、ロディはそちらに顔を向けた。その瞬間にノワールウルフが襲いかかる。それでもロディは慌てることなく、剣でその突進を受け止めるが,受け流しに失敗し,後方へ押し飛ばされた。


「ロディ!!」


設定45

詠唱とは,魔法を使えるものが最初に魔法を使うイメージを持つために基本的に習うものである。それは,人によってまちまちなものが多いが,魔力を使うイメージと物質に与える影響や姿形を言霊にすることでより現象を具体化することができる。戦闘中の詠唱は時間が取られるが,戦闘中だからこそ、明確なイメージができないままに発動させると誤爆する可能性もあり,中級ぐらいの冒険者でも詠唱を続けている場合もある。慣れてくれば徐々に詠唱の時間が短くなり,無詠唱でも可能となる。

精霊召喚については,精霊に呼びかけるものなので,基本的には言霊を使う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ