表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
41/54

41 タイガリス

楽しんで頂けると嬉しいです。

「左の方に魔物がいる!!たぶん、タイガリスの群れ!!馬車は任せたよ!!」


ロディは護衛やグリーたちに向かって叫ぶと、魔物へと向かって弓を構える。

森の中の障害物を避けて魔物のへと辿る矢の筋を定めると、ロディは連続で矢を放った。と、同時に魔物へ向かって駆け出す。

矢を射られた魔物は、当然怒り狂い、怒声をあげながら馬車へと向かってくる。


「ロディ!!一人で行くな!!」


グリーの声が聞こえる。


「マリアンネさんをお願い!!」


ロディは走りながら、特別な矢を取り出す。


「吹き荒れろ!!ヘイル!!」


魔物に突き刺さると同時に、矢に込められた魔術陣が発動し、ひょうが周囲の魔物たちに襲いかかる。目も開けていられないような激しさに魔物が一瞬ひるむ。ロディにとっては、それだけで十分だった。魔物たちに駆け寄ると、ショートソードで急所を一突きしていく。魔物の群れの間を風のように通り過ぎ、その後には魔物が次々と倒れていく。森の中の木々を物ともせず、自分より大きな魔物に恐れもせず、ロディは森の中にいた魔物の群れを静かに殲滅した。あたりを見回し、ロディは換金できそうな物をかばんにしまうと、辺りを警戒しながら急いで馬車へと戻る。もちろん、矢も回収した。グリーたちが闘っている雰囲気はなく、すでに魔物を退治してしたようだが、マリアンネが心配で、ロディは走った。


「ロディ!!一人で行くなって行っただろ!!魔物は?!」


「わあ!」


森の中から出てきたロディを見つけて、グリーが怒鳴る。怒鳴られたロディは驚いて肩をびくりと振るわせた。


「わあ、じゃないぞ。ロディ、グリーの言うとおり、今は馬車の護衛中、ということは連携して闘わねばならないんだ。一人で勝手に闘いに行ってはだめだ。」


フィズもロディの傍にやってきて、説教を始める。


「そうでなくても、ロディは女の子なんだろう?それにメインは弓なんだから、近接の特異なグリーと一緒にいるとより戦闘が楽になるはずだ。さっきはちょうとマリアンネさんの馬車にいたのだから、中で護衛を続けてもよかったんだ。魔物を見つけて教えてくれるんでよかったんだよ。あの後、すぐに俺たちも動けたしな。」


「だー、フィズ。話が長い。ロディ、魔物の群れはどうした?」


グリーは最初の話の返答もなく、フィズが話し始めたので、無理矢理に話を止めに入った。ロディはこれ幸いとグリーに顔を向ける。


「倒したよ。タイガリス12体。」


「タイガリス12体をこの短時間で倒したのか?!」


ロディの言葉に、グリーとフィズは目を見張る。


「見る?」


ロディがかばんからぽんぽんとタイガリスを積む。


「ま、まじかよ・・・。」


「これは・・・氷?」


「うん。」


フィズの問いに、ロディは短く答えた。フィズはだんだんと目を輝かせていく。


「すごいな、ロディ。雷の魔法に、氷の魔法。属性の異なる魔法をいとも簡単に使いこなすなんて!!イメージが大切だから大がかりになりやすい魔法を俺たちの目に触れずに展開できるなんて本当にすごい。」


そこへ、護衛たちが隊列を組みなおしてやってくる。


「魔物の処理は全て終わった。そろそろ出発する。」


「ああ。わかった。」


「それから、小娘。マリアンネ様がお呼びだ。」


「うん。」


護衛の男に言われて、ロディは頷くと、グリーといフィズを見る。


「行ってくるね。」


「おう。」


「マリアンネさんによろしくね。」


ロディはさっとタイガリスをしまうと、軽やかな足取りでマリアンネのいる馬車へと向かった。


「あの小娘がタイガリスの群れを?」


「ああ。」


「一体何者なんだ?あの小娘。」


「はは。さあな。おれたちもよく知らない。でも、今回は仲間。それでいいだろ?」


グリーは笑顔で護衛の男の肩をたたくと、馬に乗った。




「ロディ、怪我はしてない?」


「ただいま~、マリアンネさん。大丈夫だよ。怪我、してないから。魔物は全部倒してあるから、もう大丈夫。安心してね。」


心配で顔を青くしていたマリアンネに、馬車に乗り込んできたロディは笑顔で応える。その当たり前のような姿に、マリアンネはほっと笑みをこぼした。


「そう、よかった。みんなも無事なのね?」


「うん。護衛の人たちも大丈夫そうだったよ。マリアンネさん、さっきの続き見せて~。」


「え?ええ。わかったわ。」


ロディがねだると、マリアンネは嬉しそうに用意をし始めた。それを見て、ロディはほっと肩をおろした。ずっと怖がっていたマリアンネが気がかりだったし、それまでしていた話も聞きたくてどうしようかと思っていたロディだったが、話を振ったとたんに表情が明るくなったマリアンネを見て、よかったとほっとしたのだった。




「マリアンネ様、村に着きましたよ。そろそろ夕刻です。いつもの宿屋に護衛のものが先に連絡をしに行きましたので、すぐ入れるようです。」


「わかったわ。ロディ、あなたも一緒に行きましょう。男ばかりのところより、私と一緒にいなさいな。」


「はーい。」


ロディはマリアンネの一声により、宿屋に泊まることができた。ちなみにグリーたちは野宿である。


「いつものことだから気にすんな。」

「ロディはそのままよろしくな~。」

「ちゃんと寝るんだぞ~。」


温かく見送ってくれたのだった。


設定41 タイガリス  虎に似た動物。群れる。大きな爪と牙が武器。

     ヘイル    雹を巻き起こす魔法。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ