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38 護衛依頼

楽しんでもらえると幸いです。

ロディが大通りを歩いていると、向かいから手を振る人がいた。


「おーい、ロディ!ロディじゃないか!!」


「あ!ジェイン!」


同じ宿を拠点にしている魔法使いのジェイワイエイン=スタミュロデイアが笑顔で手を振ってロディの傍にやってきた。


「なあ、何か依頼受けてるか?」


「ううん。今は受けてないよ。これから受けに行こうと思ってたんだ。」


ジェインの問いに、ロディは首を振って応えた。


「よかったら一緒に行かないか?護衛の中に女の子がいるらしくてよ、俺らだけじゃあちょっと心配なんだよ。」


「うん、いいよ!」


ロディのいい返事に、ジェインはほっとしたように笑顔になった。


「よかった。明日からルットステンまで商人の護衛を務めるんだ。俺とグリーとフィズ。それからもう1パーティが加わる。商人のトップが女の子なんだ。何かしらもめたときに、頼むぜ。」


ジェインに肩をぽんと叩かれ、ロディは頷いた。


「うん、わかった。明日だね。じゃあ、今日は旅の準備をしないと。」


「ああ、そうだ。ロディが加わることはまだ誰にも言ってないからギルドに一緒に行こう。」


「うん。」


ロディはジェインと共にギルドへと歩き出した。

歩きながら、ロディはジェインに話しかける。


「女の人が商隊のえらい人なんて、奥さんなのかな?」


「いや、娘さんらしいんだが、父親の手伝いができるぐらい賢いらしくて、それで今回の商隊のトップになっているんだと。」


「へえ、すごい人なんだね。」


「気が強そうだからもう1つのチームとぶつからないか心配だ。」


「ジェインたちはそうはならない?」


「まあ、一応依頼主のことを聞いて動くからな。言い合いにもならないぜ?ただ、あっちのパーティはよく依頼主と口げんかしているんだよな。ちょっとその辺りは憂鬱だな。」


「ふうん。私はよく知らないから何もいえないや。」


ロディたちが冒険者ギルドに入ると、受付カウンターの前で、フィズとグリーが別のパーティと言い合いをしていた。


「いや、だから依頼主の要望には基本的に応えるべきだろう。」


「いくら積まれても、できないものはできないと言うべきだ。」


「できないことはできないから仕方ないが、融通できるものまで断るのはおかしいだろう?」


「護衛に集中できないことを頼まれて、護衛が失敗した方が大事だろう。」


受付の前で言い合いをしているのはグリーと金髪の髪をきっちりと撫でつけたフルアーマーの男だ。

目の前で言い合いをしている二人を、デイビッドはおもしろそうに見ている。

が、入口にロディとジェインを見つけて手を振った。


「やあ、ロディちゃん。今日も依頼探しか?」


「おはよう、デイビッドさん。」


二人の口喧嘩を無視して楽しそうにロディに話しかけたデイビッドに、男が顔を向ける。


「おい、なんだその態度。まだ話は終わっていないだろう!」


「いや、俺は受付だからな、依頼主との折り合いは君たちで付けてくれたらいいんだから、俺には関係ないだろ。依頼は受け付けたから、ここで話をするのはやめてくれよ。あっちのカフェ辺りで話し合うといい。」


真顔で言い返され、男はいらいらした表情を隠しもせず、きっとグリーを睨みつける。


「いや、デイビッドさん。ロディ、俺たちと一緒に依頼を受けるんだ。な?」


にらまれたグリーは呆れかえるが、そんなことは気にも留めず、ジェインは先にロディの依頼受付を優先させる。


「うん、デイビッドさん。私、ジェインたちと一緒に護衛依頼、受けるよ!」


「ああ、そういえば、ロディちゃんとジェインたちは同じ宿だったっけ。わかった。受け付けておくよ。気をつけて行ってきな。」


「うん。ありがとー、デイビッドさん。」


にこにことデイビッドと言葉を交わすロディとジェインに、さらにいらだちを持った男が声を荒げる。


「なんなんだ?!今度はこんな餓鬼を入れてどうするつもりだ!!」


突然のどなり声に、ロディはびっくりしてグリーとジェインを見て、それから男を見た。

男に睨まれながらも、ロディはそういえば自己紹介をしていない、と思い挨拶をする。


「えっと、私の名前はロディスティルリー=アポロス。ジェインたちと一緒に護衛依頼を受けることになったんだ。今回の護衛対象の女の人との繋ぎの役目をする予定だよ。」


「こんな餓鬼に繋ぎの役目だと?!」


「いや、俺たち男ばっかりだろう?だから、困った時には女の子のロディに間を取り持ってもらおうと思ってな。基本のやりとりは俺たちがするさ。」


ジェインが付け足すと、男はふんと鼻で笑う。


「そんな餓鬼がまともに護衛ができるのか?」


「いや、コーフィット。ロディちゃんはすごいぞ。なんせあの賢者経由の依頼をこなしてるからな。」


デイビッドが男に対してロディの情報を開示する。少し嬉しそうだ。デイビッドの言葉に、コーフィットと呼ばれた男が目を見張る。


「なんだと?!こんな餓鬼があの魔の山に入ったというのか?」


「だから、ロディはちゃんと護衛できるんだ。それよりも、さっきの話だ。護衛中に一切外に出るなっていうのは無理だろう。道中の小便だってあるだろうし、途中の街で泊まるときに全く商いをしないわけにはいかないだろう?で、ついでに稽古をつけてほしいっていうぐらいいいじゃないか。どれぐらいの腕かはわからないが、自分で自衛できる方がいいだろう?基本的にその辺りのことはこちらが受け持とう。周囲の警戒をあなた方がするといい。」


フィズがグリーの横からコーフィットを説得にかかった。

フィズがコーフィットを説得し終わったときには、すでに昼も過ぎていた。

設定38 コーフィット=フラン

     王都で冒険者をしている若者。金髪の髪を撫でつけている。

     19歳。自分の意志が通らないと怒鳴り散らす。

     そのためよく依頼主とぶつかるが、仕事はこなす。

     そのフォローはいつも仲間ががんばっている。


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