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35 それぞれの試練

大分時間があいてしまいました。

楽しんでいただけると幸いです。

「わあああああっ!!」


勝手に動く床によってロディは結構な早さで移動していた。周りを見ると、ケルディはリリィと、バーツはアビーと同じ床で別々の方向に動いていた。レックとロディは1人で別の方向に動いている。


「まさか、こう来るとは。」


ケルディは遠く離れていく仲間を見ながらつぶやいた。


「ちょっ、ケルディ!みんなと離れる!!」


リリィが焦ってケルディの腕を引っ張る。


「大丈夫だ。無事なら行きつく先は同じらしいからな。」


リリィとは正反対に、ケルディは落ち着いて返すと、リリィはじと目でケルディをにらむ。


「ええ?そういうの、先に言ってくれない?!」


リリィの剣幕にケルディは気持ち押されつつも、平静を保って返す。


「いや、いつなるかわからないって言ってたからな。たまたま今までならなかっただけだ。」


「情報収集足りなくない?」


「リリィは知らなかったのか?」


「私は罠がある、ってぐらいしか調べられなかったわよ。」


「なら、あまり変わらないな。まあ、あいつらなら大丈夫だろう。心配なのは、・・・ロディだな。」


「まあ、大丈夫だと思うけど。」


「ああ、無事だろうが、無茶しそうだ。」


ケルディが眉をしかめてロディが移動していった先を見つめた。


「何事もなければいいが。」


「はあ、あっちの心配ばかりしていても仕方ないわね。ケルディ、この先に何があるの?」


リリィがため息をついて、みんなが移動して行った先から視線を自分たちの進んでいる方向に戻してケルディに尋ねた。


「この先はそれぞれ別の場所につながっているらしい。それは魔物を倒すか、トラップを回避するか、謎を解くか、それぞれに攻略条件が違うようだ。」


「・・・まあ、何が来ても私たちなら大丈夫ね。」




「さて、どこから手をつけるか・・・。」


レックは目の前にあるたくさんのドアを見た。床が移動した先はドアがたくさん並んでいた。様々な形をしているが、おそらく正解のドアは1つ。それ以外を選ぶと罠が発動するのだろう。レックは何かヒントがないか、じっと周りを見ていた。




「まさかのゾンビソルジャー?!」


「今まで骨ばっかだったのにぃ!!」


バーツは襲いかかってくる腐った死体に一心不乱に攻撃を加える。アビーは叫んでバーツの後ろへと逃げる。


「おりゃああっ!!」


あまりのグロテスクさにアビーが戸惑っているのとは対照的に、バーツはかなり楽しそうに敵を屠っていた。


「い~や~。バ~ツ~!!」


アビーが叫び、松明で叩き、魔法を使おうとしたのを見てバーツが助けに入る。


「おれにまかせろ!!アビーには怪我ひとつさせねえぞ!!」


「バーツ!」


バーツの快進撃に、アビーは安堵しつつも、腐った死体に慣れずその後ろをついていった。




「う~ん、なんなのかなぁ?」


ロディは目の前にある謎の像をじっとみつめた。座っている男の人の像である。足を組み、肩肘を椅子につけてぼーっとどこかを眺めている。ロディはその視線の先を追って目を見開いた。


「文字と・・・絵が書いてある!!」


とととっと壁に走り寄ると、文字と絵が書いてあった。おたまじゃくしの絵とあひるの絵だ。


「われはおたまじゃくし。人にはなりえぬ。

 われはあひる。白鳥にはなりえぬ。」


ロディは首をひねると辺りを見回す。と、やたらと像が並んでいる。さっきの人だけでなく、蝶、甲虫、蛙などいろいろな像がある。


「う~ん、よくわからないなあ・・・。」


うろうろと歩いていたとき、ロディは声をあげた。


「あっ!おたまじゃくしだー。おたまじゃくしは蛙の子~。ん?蛙の像、さっきあったはず・・・・。」


ロディは蛙の像をおたまじゃくしの絵が描かれた正面に移動させる。


「け、結構重たいな。」


ゴリゴリと音を立てながらロディは像を動かした。


「ふう、疲れた。でも、これがあるということは・・・あー、甲虫の幼虫の絵見っけ~!!」


ロディはまた壁に絵を見つけて、今度は甲虫の像を動かし始める。自分より小さいが、それでもかなりの重さのある像を1人でゴリゴリと動かす。


「次は~青虫?・・・あ、蝶かあ。」


絵を見つけてはゴリゴリを像を動かし続けた。ようやく全て動かした頃にはロディはくたくたになっていた。


「ちょっと、きゅーけいしようっと。」


かばんから水筒を出して水を飲んでいると、草の絵が目に入ってくる。


「も、もしかして、最初にいたあの人ぉ?!」


ロディは必死で人の像を動かした。すると、奥の壁がゴゴゴゴと重そうな音をしながら動き始めた。


「やったー。試練クリアかな!どこにいくのかなあ。」


ロディがにこにこと歩いていくと、足を滑らせた。


「うわああああ。」


壁の奥は滑り台のようになっており、ロディはその道を絶叫しながら落ちて行った。


「あああああ、わああっ!!」


「ううっ!!」


滑り降りると、最後に温かい何かにぶつかってロディは止まった。がっつり蹴ってしまった温かい何かのうめき声を聞きながら、ロディは体を起こした。


設定35 ロディの試練

 とりあえず、変態する生き物のすり合わせです。

 変態とはすこしちがうものもあるかもしれませんが、あっているはず。

 最初に出てきた像はもちろんロダンの「考える人」です。

 つまり、ロディがみつけた草の絵は葦。

 『人は考える葦である』ただ、これを使いたかっただけです。変態ではない。

 最後のキーとして、ダンジョン側の遊び心です。

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