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33 試練の扉への道

遅れてしまいましたが、楽しんでいただけると嬉しいです。

「どうする?」


バーツがケルディを見た。


「そうだな。・・・一応デイビッドからは聞いていたが、こういうことだったか。」


「どういうことだ?」


「ダンジョン内に書いてあるものはいろんな人が書いているから、視点がいろいろで紛らわしいんだ、と。」


「視点が違う?」


リリィが首をひねる。


「つまり、このダンジョンを作った側か、冒険者が書き残したものか、出るときに書いたのか、入る時に書いたのか、方向が違う可能性もある、ということだ。」


ケルディが説明したが、バーツは首をひねった。


「ケルディ、どういうことだ?」


「つまり、ダンジョンを作った何かが案内用に残したのか、冒険者が踏破した後で、わかりやすくするために書いたのか、入る方から見て書いてあるのか、出る方から見て書いたのかによるってこと。」


「う~ん?」


「バーツこっち向け。」


さらに首をひねるバーツを、レックがダンジョンの奥に向けて立たせる。


「こっち側から見て右はどっちだ?」


「こっち。」


レックに言われたとおりに、バーツが指をさす。


「そうだな。で、こうするとどうだ?」


レックはバーツの方向を出口に向けてくるりと回す。


「こっちだ。あ~、そういうことか。」


バーツはようやく理解したらしく、何度も頷いた。


「つまり、矢印の方向が正解なんだろう。暗号で書いたのはなぜか知らないが、きっと脱出しようとした冒険者が後の人のことを考えて書き残したんだろう。」


「ダンジョンっておもしろいね~。」


ロディはケルディの話を聞いて、目をきらきらと輝かせた。


「ロディは素直で前向きね。」


くすりとアビーが微笑む。




「よし、進むぞ~!」


バーツが右に進んだとたん、姿が消えた。


「バーツっ?!」


レックが叫ぶと、


「上だ、上。助けてくれ~。」


上を見上げると、つりさげられたバーツが逆さになっていた。


「ここにも罠があるのか。」


「いや、ケルディ、そんなこと言ってないで早く助けてくれ。」


「しかし、だいぶ上の方で釣られいるな。どういう仕掛けなんだ?」


レックが周りを確認し始めると、みんなもバーツを助けられないかと周りを捜索し始める。


「あ、これ罠だ!」


「え?」


「きゃあ!」


ロディが見つけたひもを引っ張ったとたんに、罠の傍にいたアビーのすぐ横をつたが舞い上がっていく。傍にいたリリィが振り向いた先には、つたを持つロディ、つたに驚いて尻もちをつくアビーがいた。


「ロディ、何したんだ?」


ケルディがロディの傍に寄る。


「罠の先のつるをひっぱったから罠が発動したみたい。」


「そうか、ならバーツがつられているつるをみつけたら・・・」


「これか?」


ロディとケルディの話から、レックがそれらしきつるを見つけて引っ張ると、


「わっ、上がったっ!」


バーツがさらに上に上った。


「つるを上にあげたらいいんじゃない?」


リリィの言葉に、レックがするするとつるを上に上げていくと、ゆっくりとバーツが下りてくる。しばらくして、バーツが下りてきた。


「た、たすかった~。」


「罠ってかんじの罠にかかったなぁ、バーツ。」


「もう少し慎重に行けよ?矢印が正しければ、こっちは試練の道なんだから。」


バーツがため息をつくと、レックがからかい、ケルディが戒める。


「そうだな、軽率だった。気をつける。」


バーツが頭をかき、槍でつつきながら前へと進んでいく。


「うおっ!!」


「うわあっ!!」


「なんだあ?!」


「ええ?!」


「大丈夫か?!」


「かわしたわ。」


バーツがつついたそのとたんに、上から天井が一部分だけ降ってきたのだ。

全員咄嗟に避けることができたが、避けなければ押しつぶされていたかもしれない。全員背筋をぞっとさせていた。


「あっぶねぇ。なんてあぶないんだ。」


バーツが冷や汗をふきながら言うと、


「避けれてよかったな。この天井、とげがあるぞ。」


レックが落ちた天井を見ながら言った。


「よく見てたな。」


ケルディの問いに、レックは天井を指さす。


「あれ見ろよ。」


「うわああ。」


見上げたリリィは身震いをした。

天井一面にとげがあったのだ。


「あのとげのないところは落ちてこなさそうだな。」


「あそこまで走ってみようか?そしたら先に天井が落ちたら、その上を歩いて来れるよね?」


「まて、ロディ。それなら俺が行く。」


「ケルディさん、私、この中で一番早くあそこまで行けると思うよ。」


ロディはケルディと話している途中で走り出した。


「待て、ロディ!!」


ロディは風のようにとげのない20m先の場所を目指して走った。

ロディが走り去るすぐ後ろを次々に天井が落ちていく。

が、ロディの走りはぶれず、落ち着いて20m先まで到達した。


「ゴールッ!わあっ!!」


天井にとげはなかったが、横から弓がとんできたのをロディは咄嗟にしゃがんでかわす。


「馬鹿か、あいつは。」


「度胸あるよなぁ、ロディ。」


呆れるケルディの隣で、バーツは感心していた。


「ケルディ、怒るのはあとよ。せっかくロディが天井を落としてくれたんだからさっさと行こう。」


「ああ。」


リリィに諭されて、ケルディたちはロディのいるところまで進んだ。

設定33

イアズーンのダンジョン 神がつくったと言われている。

           そのため、地下10階には神の力を秘めた泉があり、

           その水を求めてダンジョンへもぐる冒険者がたえない。

           貴族や商人からの依頼が多い。

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