表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/54

28 地下5階にて

前回の魔法についての考察みたいな話になりました。

ただの休憩の話のつもりだったのに・・・

読み飛ばしてもよいと思います。

「ふあ。おはよ~、レックさん。」


ロディは肩を揺らされて目を覚ますと、目の前のレックの姿を見つけて挨拶をした。レックはくしゃりとロディの頭をなでる。


「おう、おはよう、ロディ。気分はどうだ?」


「うん。いいよ。レックさんは?」


「まあまあだな。しかし、・・・眠い。少しの間、頼むぜ。あっちにケルディたちも起きてる。」


レックに指さされた方向を見ると、ケルディ、リリィ、アビーの姿があった。


「うん。お休み、レックさん。」


ロディが立ち上がると、入れ替わりにレックが眠りに就く。すでにその隣にはバーツが眠っていた。ロディはてくてくとケルディたちのところへ向かう。

足音を聞いて、ケルディが振り返る。


「おはよう、ロディ。休めたか?」


「うん。おはよう。ケルディさんは?」


「大丈夫だ。」


ロディはケルディの隣に座ると、リリィとアビーに声をかけた。


「リリィさん、アビーさん、おはよう。」


「おはよう、ロディ。」


「おはよう、ロディちゃん。お腹減ってない?」


アビーが水筒を差し出すのを受け取り、ロディは喉を潤す。


「ありがとう、アビーさん。」


ロディがアビーに水筒を返していると、ケルディから声をかけられた。


「ロディ、スケルトンマギサのオプスキュリテにはどのぐらいの魔力で魔法を放っている?サイクロンではじいてはいたが、全てはじけていたわけではないだろう?ルヴニールもアビーのパージがあったから効果があったんじゃないのか?」


ケルディの質問に、ロディは少し考えてから応える。


「どのくらいっていうと難しいけど、サイクロンは私の体を包む大きさだからそんなに魔力は使ってないよ。あんまり使いすぎると、私が巻き込まれてしまうから。周囲を囲んでいるからほぼ防御しきってる。オプスキュリテに対抗するならもう少し時間があればできると思う。サイクロンの外側を強く、内側を遅くすれば外のオプスキュリテをはじききれるはず。でも、さすがにそこまでの細かい魔力の調整をするにはさっきの時間じゃあ足りないんだ。10分は欲しい。」


「サイクロンにそんな工夫ができるのか?」


ロディの言葉に、ケルディが驚く。普通のサイクロンは一方向に回り、空へと続いているものだ。今回のロディのように、自分を囲んで防御に使うものはないわけではないが、めずらしい。基本的に相手に向けてはしらせる魔法である。

さらに、2方向に回転させるとなるとかなり高度な魔法の行使である。12歳の子どもが扱える魔法ではない。


「だから10分集中しないとできないよ。」


「10分でできるならお前はすごいな。俺では30分かかってもできないだろう。」


「母さんに大分修行させられたからね。」


感心した様子のケルディに、ロディがぼそりとため息をつく。


「それから、ケルディさんの言うとおり、オプスキュリテにルヴニールが効いたのはアビーさんのパージのおかげだよ。ルヴニールは完全にこちらの魔力の強さが勝たないと作用しないんだ。あのとき、サイクロンで押し返そうかと思ってたんだけど、うまくいかなくて。アビーさんがオプスキュリテを押し返してたから、サイクロンでなくてルヴニールにしたんだ。いろんなものを吹き飛ばすサイクロンより、元の状態に戻すルヴニールの方が安全だから。ただ、魔力量と調整が難しいんだけど、今回はイメージがしやすかったから思ったより早くできたんだ。」


「というより、ルヴニールなんて魔法、はじめて聞いたんだけど。」


リリィが首をかしげるを見て、ロディはきょとんとする。


「え?元に戻すんだよ?出てきたものを戻したり、壊れたものを治したり、変化したものを前の状態に戻すんだ。」


「元に戻す、なんて何の魔法になるのかしら?」


話を聞いていたアビーも首をかしげた。


「状態異常解除系だよ。」


ロディがアビーに応えると、ケルディが驚く。


「状態異常と判断されるのか?」


「う~ん。レイ兄ちゃんは通常の状態とは異なる状態から通常の状態に戻す魔術陣を組むと可能だって言ってた。」


「?もともとは魔術陣のほうが先なのか?」


「ううん。元に戻すって言っても、いろいろあるんだ。剣を鉄に戻すとか、フライパンを元の位置に戻すとか。意味が違うからさ。なんかややこしいんだ。レイ兄ちゃんは、うーんと、剣を鉄に戻すのは分解って言って、フライパンを元の位置に戻すのは浮遊魔法で、ルヴニールはそのどちらにも対応できるけれど、術者のイメージと適量の魔力がかみ合わないと発動しないって言ってた。魔術陣にするには不便だって。」


「う~ん、よくわからないかも。」


リリィが考え過ぎて眉にしわを集めている。


「なるほど、つまり元に戻すが材料の場合と位置の場合で行使している魔法は違うってことだな。今回の場合、オプスキュリテを元の影に戻すわけだから材料であり、引き返させる位置でもあり、両方だったからルヴニールが使えたってことだな。」


ケルディはうんうんと頷きながら自分で自己解決しているのを聞いて、ロディは

よくわからないなりにうなづいた。


「う~、うん。そうだと思う!」


「ロディ、あんまりわかってないな?」


「えへへ。」


「それで使えているんだからたいしたものだな。」


ケルディはロディの頭をなでた。ロディは温かい掌を感じ、笑った。

設定28

ルヴニールはレイウッドがロディに教えた魔法。

魔法使いがこぼれた水を乾かそうとするなら風や火の魔法を使うし、こぼれた砂を集めようとするなら、風の魔法を使う。

元に戻れというのは、「元」の状態がいろいろあるため、設定が難しい。うっかりすると水が蒸発してしまう場合もあるおかしな魔法なのである。

オプスキュリテは敵の魔法攻撃のため、魔法を行使する魔力に変換しながら、元々魔力の入っていた伯爵に魔力を戻したのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ