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19 乗合馬車内トーク

村では徒歩。隣村に行くのも徒歩か、荷馬車に荷物と積まれていた。

王都までも歩きのため、ロディ、初めての乗合馬車。

「リリィさん、乗合馬車ってすごいね!!」


ロディは乗合馬車の外を目を輝かせて眺めている。乗合馬車の外には、王都騎士団の姿がある。どの騎士も同じように騎士団の服とマントを羽織っている。騎馬に乗った騎士団は、軽やかに馬を走らせている。どの騎士も乗合馬車の警護になれているのか、楽しそうに会話をしながら辺りを警戒している。


「ふふ、そんなに喜んでくれるなんて、乗合馬車にしてよかったわね、ケルディ。」


ロディの様子を見てアビーが微笑むと、ケルディがほおづえをついて尋ねる。


「ロディ、お前乗合馬車に乗ったことないのか?」


「ううん、あるけどさ。依頼で乗合馬車に乗ったのは初めてだし、パーティに入れてもらったのが嬉しくて。」


にこにこしながら答えるロディを見て、『青い波ブルーウェーブ』のメンバーは微笑んだ。


「ほんと、ロディってどうしてこうかわいいのかなぁ。ずっとうちのメンバーになったらいいよ。」


リリィがロディの頭をなでる。


「こんなお姉ちゃんがいたらよかったのにな~。」


ロディもリリィになでられて嬉しそうだ。


「そうだ、俺、ロディに聞こうと思ってたんだが、君は弓がメインなのか?腰のショートソードがメインなのか?」


バーツがロディに尋ねる。


「うん?メインは・・・弓矢かな。近づかれたらショートソードで闘うよ。」


「魔法も使えるの?」


アビーに尋ねられ、ロディは頷く。


「うん。ある程度は使えるよ。」


「へえ、遠距離も近距離もいけるんだな。それはいい。」


ケルディが感心する。


「ケルディはロディの戦闘は見たことないのか?」


「俺は王都を案内しただけだからな。いろいろ依頼を受けているのは知っているが、そこまでは面倒みてないぜ。」


レックがケルディに尋ね、ケルディが肩をすくめる。


「ロディは誰かと組んで依頼をするのは初めて?」


リリィがにこにこしながらロディに尋ねる。


「ううん。前にイシュレイと受けたよ。」


「イシュレイ?」


「ロディの後で王都にやってきた坊主だ。おそらく魔法使いだろうよ。」


「ケルディ、本当になんでそんなに知ってるんだよ。」


レックがケルディに尋ねた。


「ギルドの銀行のカウンターの子に聞いた、というか、教えられた。」

  

「銀行カウンターといえば、ユーファちゃんか!」


バーツがぽんと手を打つ。


「ああ、あの思い込みの激しそうなおもしろそうな子ね。」


くすりとアビーが笑う。


「ユーファちゃんは私の友達だよ。ちっちゃいときから一緒に遊んでたんだ。」


ロディがにこにことユーファについて説明する。


「で、イシュレイとやらと受けた依頼はうまくいったんだろう?何の依頼だ?」


ケルディが話を戻した。


「うん。祠にポイズンフラワーとウォークウッドが出るから討伐して欲しいって依頼だったんだ。たまたまそのとき、イシュレイを見つけたから、一緒に受けようって誘ったんだよ。お互い一人だし、いいかなって。」


「イシュレイとは以前会ってたのか?」


「うん。初めての依頼のときに賢者の家で会ったんだよ。」


「?!賢者への依頼が初仕事だったのか?!なんて罰ゲーム!!」


バーツが思わず叫んだ。


「おいおい、賢者への依頼なんて、はっきり言って賢者からの依頼が鬼畜依頼じゃないか。一体何をどうしたんだよ!!」


レックもあまりの無謀さに叫んだ。


「え?父さんたちがすっごく疲れてたから大変なのは知っていたけど、できないわけじゃないと思ったから受けたんだ。デイビッドさんに頼まれたのもあるけど。」


「えー?!あのデイビッドさんがロディに頼んだの?!ひっどー!!」


「新米冒険者にさせる依頼じゃないわね。」


リリィもアビーもデイビッドに対して憤慨しているが、ロディは目をぱちくりとさせて驚いていた。


「えーと、別に大丈夫だったから、ね。そんなに怒らないでよ。デイビッドさん、誰も受けてくれないからって困ってたみたいなんだ。魔の山ならいつも闘ってたから別に問題ないし、ちょっとまずければ、近所に実家があるから。」


「魔の山でいつも闘ってたって?!」


バーツがさらに驚いて声をあげる。


「近所に実家があるって!?・・・えーと、ロディは英雄ロディアックの娘だったよな。・・・ということは、魔の山のすぐ近くにある村なのか?」


レックが驚いていたが、バーツより落ち着いて尋ねている。


「うん。魔の山とか、近所のダンジョンで父さんと母さんに修行をつけてもらってたよ。」


「英雄の英才教育ね。」


リリィが若干ひいている。


「すげえなあ。英雄からみっちりしごかれれば、そりゃあ独り立ちできるか。」


バーツがしみじみとロディを見る。

たかが12歳の女の子を冒険者として王都へ独り立ちさせるのだ。並大抵の強さでは危険すぎる。ケルディが話していたロディは魔物を山ほど狩りながら王都へとやってきたのだ。改めて、『青い波』のメンバーはロディの規格外さを感じたのだった。

設定19

乗合馬車はかなり多くの人が乗る。商人、旅人、冒険者。

人数が多すぎると、冒険者はよく屋根に乗っている。

冒険者は大抵護衛も兼ねている。

乗合馬車は国営であり、護衛として騎士団がついているので、冒険者の護衛はおまけである。公道として、乗合馬車が通る道を整備しながら騎士団が魔物を狩るので、自然と安全な道として確立していくようにしている。

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