17 ユーファの心配
人同士のつながりがもう少しうまく表現できるようになりたいですね。
「ロディちゃん、おかえりー!!」
「ユーファちゃん、ただいまー!」
ロディとイシュレイが冒険者ギルドへと戻ってくると、銀行カウンターにいたユーファが飛び出して来て、ロディへと抱きつく。ロディも楽しそうにぎゅっと抱きつくが、はっとユーファを引き離す。
「ユーファちゃん、仕事中ならだめだよー。」
「えへへ、それが違うんだな~。今日の私は仕事を終えたので、もうプライベートなのよ~。」
にこにこしながらユーファはロディと両手をつないで話す。
「・・・でも銀行のカウンターにいたよね?」
ロディが首をひねり、ユーファは楽しそうに答える。
「ロディちゃんが帰ってくるまではただ働きしてたの。」
「ええ?!お休みなのに?伝言を頼んでくれてたら、ユーファちゃんの家に行くよ?」
「だって、ロディちゃんが心配だったんだもの。男の子と依頼を受けたって聞いたから。」
ユーファがふくれ面をするのを、ロディはきょとんとして見る。
「何が心配なの?イシュレイは賢者様の弟子なんだよ?結構強いよ?」
「だって、男の子よ?何するかわからないじゃない!」
「?何もされてないけど?一緒に依頼を達成したよ。イシュレイと闘うのって結構やりやすかったよ。イシュレイ、魔法を同時に使えるんだ。魔力がすごく多くて、よく周りを見てる。近接戦闘もできるし、連携しやすかったよ。」
ロディが楽しそうに話すと、ユーファはじっとロディを見て、ため息をついた。
「まあ、いっか。ロディちゃんが依頼をしやすかったのならいいわ。で、これからも組むの?」
「う~ん、どうだろ。そうしてくれると、嬉しいけど。」
ロディはイシュレイを探して、辺りを見回す。さっさとイシュレイがカウンターで依頼達成の報告をしているのを見つけて、ユーファと一緒に傍へと歩く。
「ねえ、イシュレイ。」
「ロディ、先に依頼の報告をしろ。」
ロディが声をかけると、デイビッドに話していたイシュレイがロディを諭す。
「あ、ごめん。どこまで話した?」
「俺のウォークウッドとポイズンフラワーを見せた。」
「じゃあと・・・はい、ウォークウッド。」
ロディはイシュレイに確認すると、空間魔法からウォークウッドを取り出す。
「わかった。後はまた祠の確認をしないといけないけど、報告はこれでいい。で、連携はうまくいったかい?」
デイビッドが二人に尋ねる。
「・・・まあまあかな。」
「イシュレイ、すごいんだよ。魔法を同時に使えるんだ。私が攻撃している間に援護しつつ、周りをよく見て妨害もできるんだ。なかなかできないよね?」
ロディが嬉しそうにデイビッドに報告するので、デイビッドはイシュレイを感心して見る。イシュレイは褒められたのが嬉しいが、表情に出したくないのか、しかめ面をしている。
「へえ、さすがだな。で、これからも組むのか?」
「そう、それを私も聞きたかったの!!」
ユーファがデイビッドに身を乗り出して賛同する。
「ユーファ、ロディが依頼に行ってから、心配で心配でうろうろしていたものなぁ。」
「デイビッドさん、それは言わないでよー。」
ふくれるユーファを見ながら、ロディがイシュレイを見る。
「私はやりやすかったから、たまに一緒に組んでくれると嬉しいよ。」
「・・・たまになら、構わない。」
「本当?やった!じゃあ、また一緒にしよう!」
ロディはイシュレイの返事が嬉しくて、片手を差し出した。
「・・・おう。」
イシュレイは差し出された手に戸惑いながら、ロディの手を握り返した。
「はは!よかったな。じゃあ、二人に報酬を渡そう。ああ、魔物は換金カウンターに持って行けよ。」
デイビッドはほほえましいやりとりを見て笑うと、報酬を二人に手渡した。
「今日はありがとう、イシュレイ。」
「ああ。」
ロディがイシュレイに礼を言うと、イシュレイは素直に頷く。
「ついでに聞いてくれる?こちらはユーファ。私の友達でギルドの銀行カウンターで働いてるの。」
ロディが隣にいるユーファを紹介すると、イシュレイはじっと見てから口を開いた。
「俺は魔術師、イシュレイ=アーヌベルグ。」
「ユーファよ。ロディちゃんに怪我させたら許さないわよ!!」
「・・・怪我を俺のせいにするなよ。・・・ロディ、俺が暇なら手伝ってやる。今日はもういいだろ。じゃあな。」
「うん、ありがと、イシュレイ。」
イシュレイはユーファの剣幕に呆れたらしく、文句を言うと、さっさと換金カウンターへと向かっていった。ロディはにこっとお礼をいうと、ユーファの手を握った。
「ユーファちゃん。イシュレイ、いい人だよ。あんなふうにケンカしないで。」
「ロディちゃんがそういうならしかたないけど。私、心配だもの。」
「ありがとね、ユーファちゃん。」
にこにこしながらロディは答えた。
設定17
魔法はイメージが大事だけれど、大抵一つの魔法のみを使用する。
二つ同時にするには、右利きの人が右手であを丁寧に書いて、左手で漢字を丁寧に書くようなもので、下手をすると味方が怪我をすることがある。
そのため、イシュレイもヴォルテックスサークルは囲むだけ、フリーズはつたのみ、アイシクルは命中率が落ちていた。
むしろたくさんできていたイシュレイはさすがは賢者の弟子というところ。




