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13 依頼達成

とりあえず、王都着。

「こんにちは、デイビッドさん!帰ったよ~!」


王都へ戻ってきたロディはさっそくギルドカウンターへと向かった。

にこにこと依頼カウンターにやってきたロディを見て、デイビッドは驚愕した。


「ええ?!ロディちゃん、もう帰って来たのかい?!予定では二十日ぐらいかかる予定だったろう!」


「うん。往復で十日。賢者の試練で十日かかる予定だったんだけど。往復と試練会わせて十二日で終わっちゃったんだよ!」


ピースサインをしてみせるロディに、驚きつつも、デイビッドはほっとした顔になる。


「そうか。何にせよ、初依頼が無事にできたのならよかったよ。安心した。で、依頼品を見せてくれ。」


「うん!」


ロディはかばんの中から魔石を取り出す。


「・・・うん。確かに。依頼終了だ。ちょっと待っていてくれ。」


デイビッドが奥に入ると、ロディは周りをきょろきょろして見る。


「おまたせ、コレが報酬だ。お疲れさんって誰か探しているのか?」


きょろきょろしていたロディに、デイビッドが尋ねた。


「うん、ケルディさんかイシュレイ、いないかなあと思って。」


「ケルディさんならロディが行った次の日に別の街へ行く護衛依頼を受けてるよ。帰ってくるのはあと数日かかるだろう。」


「そっか。」


「で、イシュレイってのは、もしかしてロディちゃんと同じ年の少年か?」


「うん。」


「どこで知り合った?」


「賢者の家で。」


「ああ、それでか。貴族が冒険者登録して行ったって昨日大変だったんだよ。」


「へえ、で、イシュレイは今日は来てないの?」


「いや、今朝早く討伐依頼を受けて出かけていったよ。数日は帰って来ないだろう。」


「ふ~ん。」


「まあ、ロディも疲れただろう。宿を取って休みなさい。」


「うん。ありがとう!」


ロディは依頼カウンターを出ると、換金カウンターへと向かい、夫妻に愛でられ、銀行で友達と話した。


ギルドを出たロディは夫妻に勧められた宿屋を探して入った。


「こんにちはー。一人部屋、空いてますか?夫妻に教えてもらったんですけど。」


受付にいた恰幅の良い女性に、ロディは声をかけた。女性は気前よさそうな笑みを見せながらロディに応える。


「いらっしゃい、一人部屋なら空いているよ。ここに名前と職業を書きな。」


ロディはさらさらと記入した。


「ロディスティルリー=アポロス、12歳ね。おや、女の子かい?はいよ、部屋の鍵だ。」


「うん、ロディって呼んで、女将さん。」


「ロディだね。晩ご飯は食堂で食べるかい?外で食べるかい?」


「女将さんが作ってるの?」


「旦那だよ。」


「へえ、ここで食べるよ!」


「もう少ししたらできるから、部屋で休んでなぁ。」


「はーい!」




ロディが女将さんに呼ばれて食堂に行くと、同じように泊まっているらしい人たちがテーブルについていた。


「ロディ、どこでもいいから座りな。」


「うん。」


ロディはいくつかあるテーブルのうち、一つに座った。


「よぉ、おまえ一人旅か?」


隣のテーブルに座っていた青年が声をかけてきた。茶色の短髪にピアスをつけている。がっしりとした体つきで、すでに酒が入って楽しそうだ。


「うん、冒険者一人旅。今日初依頼を終えてきたんだ。」


「へえ、初依頼が終わったのか、めでたいな!」


青年の向かいの席に座っていた長髪の青年も声をかけてきた。背中まである長い緑の髪を一つに束ねている。ラフな格好で最初の青年と同じく楽しそうだ。


「女将さん、このぼーずに飯やってくれよ!俺がおごってやる!!」


気前よくおごろうとしてくれる青年に、ロディは目をぱちくりさせる。


「おにーさん、ありがとー。でも、気持ちだけでいいよー。」


「そういうなって。新入りは先輩におごられておけ!」


長髪の青年も一緒になって楽しそうだ。


「グリー、ジェイン、飲み過ぎだぞ。」


「そういうなってフィズ!新入りのめでたい祝いをしてやろうぜ!」


二人と同じ石に座っていた残りの一人の青年が二人の酒を取り上げる。

青い髪に神に祈るクロスを胸につけた青年は、酒を取り戻す二人に苦笑する。


「すまないな、一人で祝杯をあげるよりいいだろうから、せっかくだから乗ってやってくれ。」


「いいの?」


「ああ。」


ロディはクロスの青年に促され、椅子を寄せた。


「ロディ、こいつらと一緒に食べるのかい?」


夕食を持ってきた女将は青年三人のテーブルに一緒についているロディに尋ねた。


「初依頼祝いだ!親父、うまい飯頼むぜ~!」


まだ叫んでいる青年をみながら、ロディは笑った。


「なんか、いい人たちみたいなんで、一緒に楽しもうと思って。」


「そりゃ、初依頼の祝いなら楽しみな。いい子たちだとは思うよ。」


ロディは女将さんに頭をなでられて、にこにことしている。


女将さんが持ってきた料理を食べ始めると、クロスの青年が尋ねてきた。


「ボーズ、名前は?」


もぐもぐ「ロディ。」もぐもぐ


ロディが口いっぱいにほおばっている様子を見て、青年が先に名乗った。


「俺はフィリディーズ、フィズって呼んでくれ。で、あっちの短いのがグリージアで、グリー。髪の長いのがジェイワイエインでジェインだ。」


ごっくん。ロディはようやく飲み込むと自己紹介を始めた。

「ロディスティルリー。ロディと呼んでほしい。」


名前がわかると、グリーはグラスを持ち上げた。


「よっしゃ、ロディの初祝い達成おめでとー!!」


さらにジェインものっとグラスをあげる。


「おめでとー!!」


ロディも嬉しくなってグラスをあげた。


「ありがとー!!」




やんやとひとしきり食べて騒ぐと、グリーとジェインは寝始めた。


「大丈夫?」


「いつものことだからな。俺に任せて、お前は寝るといい。またな、ロディ。」


「わかった。ありがとー。おやすみ、フィズ。」


ロディは部屋へと引っ込んだ。

設定13 フィリディーズ=ゴウシェン 二十歳

     神様を奉る街の神殿で修行を積んだ神官だったが、

     友人たちが冒険者になるというので、ついていくことにした。

     グリージア=フォーレ 二十歳

     剣士になると夢見て、自警団で修行し、冒険者になった。

     ジェイワイエイン=スタミュロデイア 二十歳

     街の名家の次男だったが、親友のグリージアが剣士なら、

     おれは魔法使いだと師について習い、共に冒険者となる。

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