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11 賢者の家にて

おじいちゃんと孫の会話?


「わあ、おいしいっ!!」


ロディは口に入れたスープを飲み込んだとたんに笑顔で叫んだ。


「イシュレイの飯はうまいじゃろう。」


「イシュレイ、すごいね!!」


にこにことスーニャとロディが食べている横で、無表情でイシュレイが食べている。


「ほめても何もでないぞ。」


「だって、おいしいよ。」


にこにこと食べているロディに、イシュレイはまんざらでもなさそうな顔をする。


「ロディスティルリーが作ったこのパンもうまいのう。」


「母さんに教えてもらったんです。少しは自分で作れないと旅は困りますから。」


スーニャの言葉に、ロディが照れくさそうに話す。


「これは、何を使ったんだ?」


「これは、ヨモギって葉っぱを使ったパンだよ。ちょっと味が変わっておいしいでしょ?」


「あのヨモギを使ったのか。」


「あるものを使ったからあんまり工夫はできなかったんだけど。」


「でも、これはいいな。」


いつのまにか、料理談義でロディはイシュレイと仲良くなっていた。


「ロディは冒険者として依頼を受けてるんだろう?」


「うん、これが初依頼。」


「は?この魔の山を踏破できるのに、初依頼なのか?」


ロディの言葉にイシュレイは目が点になる。


「うん。この前まで父さんと修行してたから。」


「そうか。」


「イシュレイ、おぬしもそろそろ冒険者として修行しに行け。」


「あ?なんで俺が冒険者にならなきゃならないんだ。」


突然のスーニャの言葉に、イシュレイは苛立つ。元々貴族として育てられ、修行のために嫌々ながらも魔の山に住み、家事作業までさせられている上に、格下と思える冒険者になることに忌避感を感じずにはいられないのだ。


「冒険者になれば様々な依頼が受けられるからな。魔導師の修行にはよい。」


「ということは俺はここの修行は終わりなんだな?」


「終わってはいないが、もう来ないなら別にそれでもよい。」


「おい、どっちなんだよ。」


スーニャの適当な言葉に、イシュレイはますます苛立つ。


「このままここにいても実戦経験が足らぬ。外に出て経験してこい。そうすれば、さらに高位の魔術を教えてやろう。」


「・・・単に新しい修行かよ。わかった。なら冒険者として修行を積もう。」


「そうじゃの、2年ほど積んでこい。」


「・・・わかった。なら明日には出て行こう。」


「せっかちなやつじゃ。」


「早くこんなところを出たいからな。」


「賢者様と修行なんてすごいと思うけど。」


ロディの言葉を聞いて、イシュレイはギロリと音が聞こえそうなほど睨みつける。


「この爺、家事は全部俺に押しつけるんだぞ。修行だって、言葉はほない。これをどうにかしろとか、適当なこと言って後は自分で試行錯誤するしかない。適当すぎんぞ。」


「でも、そのおかげでイシュレイは料理もおいしいし、掃除も上手だし、魔法の威力もそこそこすごいんでしょ?賢者の弟子なんて箔もついてる。」


「お前もここで修行すればいいだろ。」


「もう、修行はいらないよ。父さんの修行でお腹はいっぱいだよ。森に一人で残されたり、ナイフ1本でビアベアと闘ったり、ホーンラビットの群れと一人で闘ったり、もうたくさんやったもの。」


「・・・結構ひどい修行だな。はっきり言って筋肉馬鹿に教えられたのか?」


ロディの話を聞いて、イシュレイは引いた。十そこらの娘に無謀すぎる修行内容だった。


「筋肉だけで生き残れるわけない。どんなことをしても生き残れる力は身についたと思っているよ。」


「・・・確かにそうだろうが。」


「ロディアックらしいのう。ティエリーが怒ったじゃろう。」


「後で父さん、すっごく怒られてたみたいだけど、私が無事帰ってきたから仲良くなってた。」


「ロディアック?あの英雄のか?」


英雄の言葉に、イシュレイがガタッと立ち上がる。


「うん、父さんは英雄って呼ばれてる。」


「レイウッド=ロウナックを知っているか?」


「レイ兄ちゃんなら村にたまに来るよ?」


よくわからないまま、ロディは首をかしげる。


「レイウッドが言ってた英雄の娘ってお前かっ!!」


カッと目を見開いて指差すイシュレイにロディはますます困惑する。


「何の話?」


「魔術師レイウッドは現国境魔術師団団長だ。それ以前は英雄ロディアックの仲間として英雄単にでてくる有名人だ。そのレイウッドが、『さすがはロディアックの娘、肝の据わり方が違う』って褒めてた人物がお前みたいなのほほん娘だとは・・・。」


「わあ、レイ兄ちゃん、褒めてくれてたんだ。うれしいなぁ。」


「そこに喜ぶのか?!」


のほほんと喜ぶロディと対照的なイシュレイのつっこみを、スーニャはおもしろそうに眺める。


わいわいと食事を終えると、ロディはテーブルに3種類の植物を広げた。


「スーニャ様、ドクラクソウはわかったのだけど、鍾乳洞でみつけたこの植物であってる?」


「おお、ドクラクソウとヨウメイソウであっておる。こちらはアユメソウじゃ。わしがもらってもよいかの?」


「私には使い方がわからないから、どうぞ、スーニャ様。」


スーニャはテーブルの上を片付けて部屋へと向かった。

設定11 英雄ロディアックの仲間 3人目

     現国境魔術師団長 レイウッド=ロウナック

     ロウナック侯爵の次男

     奔放な性格で家を飛び出し、普通に冒険者になってた。

     ロディアック夫妻が子育てでこじんまり活動するようになると、

     近場の国境魔術師団に入団し、実力で団長にのし上がった。

     国境騎士団とは偉ぶらないと仲良し。

     宮廷騎士団と国境騎士団は犬猿の仲。

     レイウッドはそのおおらかさぶりでノリで王都に出没する。

     英雄と仲良しのため、貴族によっては仲良し。

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