表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/54

10 魔導師見習い

・・・戦えているのか・・・

一人旅は寂しい・・・

てくてく歩いて行くと、魔物の気配を感じてじっとしていると、魔牙兎が襲いかかってきた。牙をかわし、ショートソードで三度斬りつけて倒した。


と、思っていると上から気配を感じ、横へ跳ぶ。

上から降ってきたのは、魔大蜘蛛。ロディより大きい魔大蜘蛛は、糸を吹き付けてくる。ロディは森の木を使って躱しながら弓に矢をつがえ、魔法で先端に火をつける。火矢を5本も放つと、魔大蜘蛛の吹き付けていた糸が燃え、三本が魔大蜘蛛に辺り、魔大蜘蛛が暴れ出す。木々にかかっている糸をショートソードで切って、魔大蜘蛛の後ろへと回り込む。ロディは魔大蜘蛛の足の関節を狙って切りつけた。魔大蜘蛛が足をむちゃくちゃに動かし、ロディは蹴っ飛ばされて木にぶつかった。


「げほっ。しまった。」


魔大蜘蛛が再び糸を吐き出したが、ロディはすんでのところで横へ転がり糸を躱す。

再び木の陰へと身を隠し、火矢を放つ。魔大蜘蛛に五本も打ち込むと、魔大蜘蛛が倒れた。


「ふぅ。危なかった。」


ロディは魔牙兎をかばんにしまうと、薬箱から塗り薬を取り出し、痛むところへと塗り込む。魔大蜘蛛は、糸を切って進むのが面倒になって、放って進んだ。


しばらく歩いていると、今度は大きな岩が見えてきた。もしかしてと思っていると、洞窟が見える。


「鍾乳洞かな?」


ロディは魔法で明かりをつけると、洞窟へと入っていった。

入っていくと、やはり鍾乳洞のようで、時折、水のしたたる音が聞こえてくる。

たまに頭に水滴が落ちてくる。ロディがきょろきょろしていると、蝙蝠が上の方に見えたが、動かなそうなので放っておいた。

入り組んだ道だが、分かれ道もなく、とことこと進む。


「ん?水音?」


ロディはさらさらと水が流れていく音に気付いた。

だんだんと天井が低くなってきていることに気付く。

とうとう、開けたところに出ると、そこには広い湖が広がっていた。

落ちないように足下を照らしていると、いくつかの植物が生えていることに気付いた。


「これかな?」


暗くてよくわからないままに、いくつか採取する。

と、奥のほうからドドドと音が聞こえてきた。

なんだか嫌な予感がするなあと、ロディは引き返すことにした。

ロディがゆっくりと引き返していると、ぴちゃぴちゃと足下に水が溢れてきたことに気付く。


「浸水してるのかな?」


ロディは足早に鍾乳洞を抜けると、大雨に襲われた。


「増水の理由は雨だったのか~。」


ロディはこれはたまらないと走ってスーニャの家を目指す。

魔物の気配を避けながらひたすら走る。

ザーザー降っているので視界が狭いし、においも感じられない。

ほとんど勘に近かったが、魔物に会わずにスーニャの家にたどり着いた。

家にたどり着いたころにはびしょびしょになっていた。


「すみませーん、スーニャさまー。雨が降ってきたので雨宿りさせてくださいー。」


ロディが家の前で叫ぶと、ドアが開いた。


「入れ。」


ドアを開けてくれたのはあの少年だった。


「ありがとう。」


ロディは少年について入っていこうとすると、手を前に出された。


「コレで拭いてから入ってこい。」


タオルを渡されて、ロディは素直に受け取った。


「ありがとう。」


ロディはタオルで服の上から全身を拭うと、少年に手を出されて首をかしげた。


「タオルを貸せ。」


「あ、はい。」


少年はロディから奪うようにタオルを取ると、奥へと向かった。


「ついてこい。」


少年に言われるまま、ロディは奥へと入っていった。


「早かったなぁ、ロディスティルリー。」


スーニャは椅子に座ってのんびりとお茶を飲んでいた。


「雨が降ってきたので。雨宿りさせてもらってありがとうございます。」


「よいよい。お前さんも村に帰ると面倒じゃろうて。泊まって行きなさい。」


「ありがとうございます。」


「とりあえず、座りなさい。荷物もそこへ置いて良い。」


「はい。」


ロディは傍にあった木製の椅子に座った。背負っていた荷物を横に置く。


奥へ行っていた少年が戻ってきて茶を出した。


「ありがとう。」


「礼などいらん。おいスー爺。俺はもう上がるぞ。」


「まあ待て、イシュレイ。そこへ座れ。」


「なんだ?」


スーニャに言われて、不服そうに少年が椅子に座る。


「ロディスティルリー、こいつはイシュレイ=アーヌベルグ卿。所謂貴族の坊ちゃんだ。まあ、気にせず使ったらいい。わからぬことがあればこやつに聞け。」


「はい。イシュレイさん、よろしく。わたしはロディスティルリー=アポロス。ロディと呼んでください。」


「ああ。イシュレイでいい。」


「イシュレイ、晩飯の用意も頼むぞ。」


「っくっ、わかった。」


イシュレイが奥の部屋に行くのを見て、ロディが尋ねた。


「どうして貴族様がここで晩ご飯をつくっているの?」


「あやつはここで魔導師見習いをしとるのじゃよ。」


「魔導師?魔法使いや魔術師とは違うのですか?」


ロディはスーニャの言葉に首をかしげた。


「魔法を使って仕事をするものが魔法使い。魔石をつくることができる者が魔術師、魔法と魔術を極めた者が魔導師じゃ。」


「賢者様みたいな人のこと?」


「賢者とは知恵者であり、他人が勝手に名付けた者よ。魔導師は探求者。まあ、わしのような者じゃのう。わしは魔導師であり、他者から賢者と呼ばれる。」


「では、イシュレイは賢者様を目指して修行しているんだ。」


「そうじゃのう。まあそろそろ放り出したいんじゃが。」


「え?」


放り出すという言葉にロディが驚いていると、スーニャがさらに続ける。


「魔法使いとしてはまずまず。魔術師としては経験不足。ならば冒険者として経験をつませたいのじゃ。ロディスティルリー、よかったらイシュレイを連れて行ってよいぞ。」


「連れて行っていいって言われても・・・今日会ったばかりでよく知らないから。・・・仲良くなれたらそれもいいかも。」


「ほっほっほ。まあその辺りはおぬしが気に入れば誘ってみるが良い。」


スーニャが笑っているのを見て、緊張していたロディも微笑んだ。


設定10 イシュレイ=アーヌベルグ。現在スーニャの元で修行中。

     8歳まで家庭教師付で魔法を習得。

     それからスーニャの元で魔法と魔術を修行中。

     貴族としての学習は8歳までで完了しているので、

     現在は家業である宮廷魔術師になるための修行をしている。

     スーニャは親のつて。だが、スーニャが面倒くさがりなので、

     家事全般を魔法でイシュレイがしている。

     スーニャ曰く、「全てを魔法ですれば技術力が上がる」

     魔法の精度をあげるには、とても効率がよいらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ