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僕が、
間違いなく若者で、あった時の、
エピソードである。
友人の山崎から、
相談に乗ってほしい、と連絡があり、
僕らは二人きりで、会った。
その時、
僕は、人は疲れ果てると、
こんなふうになってしまうのか…!?の、
山崎を見た。
山崎が、
僕に言った。
「…名前を変えようと思う…。」
「?…やまちゃん、って、これから呼んでほしい…って、こと?」
「いや、もっと抜本的なことからで、
『山崎』から『山嵜』に、なろうと思う…。」
「…戸籍から変える、って、こと?」
「ああ…俺は、それが出来るんだ!」
山崎は、様々なことに、切羽つまっており、
何か己に革命的なことを、
起こさないと、
今の良くない現状から、
抜け出せない…と至ったであった。
その時、僕は山崎を諭したのだ…。
僕の記憶は曖昧であるが、
おそらく、
そういう名前の変え方は、
本来しない方が良い!みたいなことを、
僕は主張した。
世を見回した時、
芸名や、
ペンネームで、
活動をしている人は、
少なくない…。
でも、
山崎が、そうしたいのは、
山嵜に、なることで、
画数が、最高運に、なるから…みたいなことで、
あった。
とかく、僕は、
止めた方が良い!と述べたのだ。
心機一転を、そこに求めた山崎を、
僕は咎めた…。
すると、
山崎が、しばしの沈黙後、
こう切り出してきた。
「分かった……止めとくよ…だが、
条件が、ある…。」と。
「なに?」と訊く僕に、
山崎は言った。
「おまえ…ヌーと、つるむのは、
もう絶ってくれよ…。」
思いもよらない、条件提示で、
あった…。
僕がヌーと、
交わりがあることを、
山崎は知っていた。
ヌーという男は、
まさに、ヌーが、あだ名で、
僕と山崎とヌーは、
高校での同級生で、
よく三人で遊んでいた。
僕らは晴れて高校を卒業して、
各々の更なる進路に邁進したが、
山崎とヌーは、
どこかソリが合わなくなっていき、
僕は、いまだにヌーと、
たまに会っていた。
山崎が言う。
「この間、お前が運転する車で、隣にいたヌーを、見た…ますますヌーに、なってたな…。」
僕と山崎は、
ツーカーで、
僕が言おうとしていることを、
山崎は、群を抜いて察知する…。
それで、
僕は思わず口から出た。
「ヌーのヤツ、この間も、
気分が乗らない…とかでバイト辞めてさ…ワイルドじゃね!?」
「…それがワイルドか…?」
「いや、あのさ、人間、誰も皆良いところがあって、つまりヌーの良いところに、
僕はヒカレテいるんだな!」
「…おまえは、ヌーが本当は、
どんなやつかを、てんで分かっていない…!」
その瞬間、
僕は全力で、その山崎の発言に、
反発しようとした…。
感情的に…。
「あのさ、僕も君の全てを知ってるわけじゃないし、君だって、僕の何もかもを分かってるわけじゃないだろ!?」と。
だが、それは発せられなかった。
僕を見る山崎の形相が、
そうさせた。
そして、
山崎に言われて思うところが、あった…。
何かヌーと、この先、つるむのは、
止めた方が良いかも…という、
僕だけが知るヌーの言動が、
ちらほら、
あった…。
僕は、山崎に「分かったよ…。」と、
述べた…。




