chapter55 未知の魔物
ギルマスが忠告すると、ギルド内は静かになった。
「あ、ギルマス少しいいですか?」
タイミングを見計らって話しかけた。
「なんだい? ケイタ」
「実は、アイテムボックスに大量の魔獣の死体がありまして……」
「またかい……。 アンタが来てからうちのギルドが破産してそうだよ」
相談事を持ち込んだら、ギルマスに笑いながらそう言われた。
冗談だとわかるけど、冗談に聞こえないんだよなぁ…。
周囲にいる冒険者たちは顔を引きずっていた。
「まぁいい、裏に来な」
そう続け、その場を立ち去った。
慌てて後を追った。
■ ■ ■
「さぁ、出しな」
いつものように促され、昨日倒した魔物たちをアイテムボックスから取り出した。
(死体処理中に襲われたからあまり覚えてないけど──“変なの”いた気がするんだよなぁ…)
そんなことを考えていると、ギルマスたちに呆れたような眼差しを向けられてるのに気付いた。
ファーテルさん、リズトルさんは当然のようにいる。
「これで最後です」
オレはそう口にし、魔石が入った袋を置いた。
「坊主、これはまたずいぶんと持ってきたな」
「なんか見たことない魔物までいるぞ…。
見た目からしてゴブリンの上位種か?」
「この数は想定外だよ……また、ゴブリンキングを討伐してきたのかい?
さすがにこの量の討伐報酬を出せるほどの金額は、このギルドでは厳しいかもしれないねぇ…」
ファーテルさん、リズトルさん、ギルマスの言葉である。
「え……」
(マジ!?)
それを聞いて項垂れる。
「おい」
突然、ギルマスが作業員の一人に声をかけた。
「受付一人連れてきてくれ」
そう言い、オレと向き合った。
「ケイタ、悪いが一週間くれるか?
これだけの量だ。 捌くのも時間かかるし、私たちが知らない魔物までいるんだ。 本部に連絡する必要がある。
未知の魔物が討伐されたとき、本部から人員を派遣する──そういう決まりなんだ。
それにあの三体、おそらくS級──ゴブリンキングよりも上だ。
そんなのが街の近くにいたとなると、大騒ぎになるだろう。
被害が出る前に倒してくれてありがとう」
ギルマスはこう言い終えると、頭を下げた。
「やめてください。オレは襲われたから返り討ちにしただけですよ」
オレはあたふたしながらそう答えた。
「ハハ、アンタらしいね」
ギルマスは頭をあげて、そうはにかんだ。
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