chapter54 群れの討伐報酬と通貨の説明
受付嬢がギルマスに声をかけた。
「ギルドマスターよろしいでしょうか?」
「どうしたんだい? リアナ」
「ケイタさんが言った通貨なんですけど――」
そう言ってリアナさんは資料まで持ってきて説明してくれた。
今から五千年前、当時――名を馳せていたディルカナ帝国が史上初の異世界召喚を成功させたそうだ。
それにより、たくさんの異世界人がこの世界へとやってきた。
ティラン王国という国で十年かけてGランクからAランクへと駆け上がった冒険者がいた。
名は――ソウヤ・ハヤミ。 彼は帝国が“また異世界召喚をするかもしれない”とギルドに訴え、通貨に新しい価値観を取り入れたという。
彼の力はすさまじく、ティスディン迷宮という最奥にいたS級モンスターを討伐するほどだったんだとか。
この世界に“日本円”という新たな価値基準が生まれた瞬間だった。
「それでですね、この世界の通貨をニホンエンに換算しますと――」
リアナさんはそう話を切り替えて教えてくれた。
通貨の種類は色々あるらしい。
黒金貨、白金貨、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨の六種類。
黒金貨=1000万円
白金貨=100万円
金貨 =10万円
銀貨 =1000円
銅貨 =100円
鉄貨 =1円
「目安としては、金貨二枚――二十万円ほどあれば、四人家族が三か月暮らせるくらいになります」
詳しく知れてよかった――はい?
金貨一枚十万円? …………ってことは……。
(オレがもってる皮袋の中身は二百万円になるのか……)
なんてこった!? 日本でバイトして貯金した金額より多いじゃないか!!
…………なるほど、ギルドが騒然となるわけだ。
(普通、ゴブリンキングの群れをソロ討伐しようするやつなんていないもんな…)
………え? オレ? あのときは怖くて無我夢中だったから…。
そんなことを考えてるときだった。
ギルマスの怒鳴り声が耳に届く。
「ここにいるやつらに言っておくが──ゴブリンキングの群れを単独で倒そうなど考えないことだ。
ケイタだからできたんだ。 わかったな?」
他の冒険者が無茶しないように釘を刺した感じか。
オレは持っていた皮袋をアイテムボックスにそっとしまった。
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