chapter40 蹂躙
side:ケイタ
オレは風魔法で逃げ惑うゴブリンを始末しつつ、戦場を観察していた。
「ジェネラルがリーダーにすり替わって、立て直しを図ってるのか」
キングが死んだ以上、いま群れで一番強い個体がボスになる。
なら――
「まずはジェネラルから、だな」
オレは空を駆けながら、その位置へと向かう。
「でも、《ウィンドブレーカー》は使いたくないな……魔力の消費がデカすぎるし」
呟きながら、ふと考える。
「……あ」
ひらめいた。
「《エアロカッター》」
不可視の刃が、一直線にジェネラルへと走る。
これは《ウィンドカッター》の上位魔法だ。
昨日、魔物の群れと戦ったときに感覚で掴んだ。
ジェネラルは気づいたようだが――遅い。
次の瞬間、首が宙を舞った。
「よし、これで指揮系統はまた崩れ――」
石や棍棒が飛んでくる。だが、どれも届かない。
「……ほんと、当たんないな」
軽く避けながら、オレは考える。
「もっと色々、試したいんだよなぁ」
火魔法も覚えたばかりだし。
「ん? 火と風……?」
その瞬間、ひとつのイメージが脳裏をよぎった。
「――いけるか?」
オレは魔力を練り上げる。
「《アルデントゲイル》」
放たれたのは、熱を帯びた風の刃。
それはゴブリンナイトへ向かい――そのまま複数のゴブリンを巻き込みながら突き抜けた。
肉を裂き、焼き、貫いていく。
そして、霧散。
「……威力、やばくない?」
思わず呟く。
火魔法はまだLv1。
風魔法もLv3だが、使ったのは初級のイメージ――《ウィンドカッター》と《ファイアボール》の組み合わせだ。
それなのに。
斬られたゴブリンは、肉を抉られ――
焼け爛れ、絶命している。
ざっと見て、三十体は巻き込んだか。
「……これは当たりだな」
ゴブリンの数は、まだ五十ほど。
「油断せず、いこうか」
オレは再び空を駆け、次の獲物へと視線を向けた。
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