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無気力系召喚者、覚醒する  作者: 火川蓮
第五章

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chapter41 崩壊する群れ

side:ゴブリン


熱風が薙ぎ払った。

次の瞬間――そこにいたはずの仲間たちが、消えていた。


「……何が、起きた?」


ゴブリンナイトの一体が、低く呟く。

前列にいたサージェント、ホブゴブリン、そして下位のゴブリンたち――その大半が、肉を裂かれ、焼かれ、地に伏していた。

理解が追いつかない。

だが、ひとつだけ確かなことがある。


「……数が、減りすぎている」


ナイトの言葉に、周囲のゴブリンたちがざわめく。


「隊列を維持しろ!! 逃げるな!!」


サージェントが叫ぶ。

しかし、その声に従う者は、もはや半分もいない。

空を見上げる。

そこにいるのは――ただ一人の人間。


「人間……一人、だと?」


別のナイトが低く唸る。

たった一人。

それだけのはずだ。

それなのに――


「なぜ、減る……?」


誰も答えられない。

石が投げられる。

棍棒が振り上げられる。

だが、どれも届かない。

当たらない。


「撤退を……! このままでは――!」


サージェントの一体が声を上げる。


「黙れ!!」


ナイトが怒鳴りつけた。


「敵は一人だ!! 数で押せば――」


言いかけて、止まる。

視界に映るのは、わずかに残った戦力。

ナイトが一体。

サージェントが四体。

ホブゴブリンが四体。

そして――震えるだけの下位種。


「……」


沈黙が落ちる。


「これは……」


ナイトは、ゆっくりと空を見上げた。

空を駆ける存在。

届かない敵。

理解不能の力。


「……人間ではない」


その言葉に、誰も反論しなかった。

だが――

ナイトは剣を構える。


「それでも、退かぬ」


低く、しかしはっきりと告げる。 


「ここで退けば、群れは終わる」


その言葉に、残ったゴブリンたちが顔を上げる。


「構えろ」


ナイトの声は、もはや怒号ではない。

覚悟だった。


「来るぞ」


空を見上げる。

そこには――こちらを見下ろす人間の姿。

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