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無気力系召喚者、覚醒する  作者: 火川蓮
第四章

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chapter33 規格外の討伐とランクアップの打診

無事――塩を手に入れたオレは、ギルドで手頃な依頼を受け、街の外へ出た。


塩の値段は、五十グラムで銅貨二枚。

香辛料や宿代など出費は多いが、手持ちにはまだ余裕がある。

地道に稼いでいこう。


そんなことを考えながら、依頼であるゴブリンを討伐する。

耳を切り落とし、魔石を抜き取り、死体はアイテムボックスへ収納した。


「さて、やりますか」


オレは――火魔法を習得するため、魔法の練習に取りかかった。


■ ■ ■


そして夕方。

ちょっとしたトラブルはあったものの、見事――火魔法の習得に成功した。

さすが異世界。危険が多い。


それにしても、五十匹以上のゴブリンに襲われたうえ、十匹を超えるフォレストウルフにまで狙われるとはな……。

……全部始末したけど。


そういえば、一匹妙なフォレストウルフがいた。

体から小さな刀のようなものを生やした個体だ。

風魔法をその刃で叩き落とされ、少し手こずったが――

顔面に一撃叩き込んだら、あっけなく倒せた。


ゴブリンとフォレストウルフの死体を再び収納し、オレは街へと帰路につく。


■ ■ ■


宿に戻る前にギルドへ立ち寄り、依頼完了の報告と解体を頼んだ――のだが。

当然のように、騒ぎになった。

ギルドの作業員たちが解体を進める中、受付のお姉さんがギルドマスターを呼びに行く。

オレはその様子を眺めながら待っていると――やがてギルマスが現れた。


「またお前さんかい」


ギルマスはため息を吐いた。


「人をトラブルメーカーみたいに言うのはやめてください」


オレは抗議する。


「それで、“どういうことなのか”説明してくれるんだろうね」


「もちろん」


ギルマスの圧にも動じず、オレは包み隠さず事情を話した。


「なるほど。新しい魔法を習得するために練習していたら襲われて、返り討ちにした――そういうことかい?」


「そうです。邪魔してきたので始末しました」


そう答えると、ギルマスは頭を抱えた。


「ケイタ、だったかい?」


「そうですよ」


「言っておくが――ゴブリンの群れにも、フォレストウルフの群れにも上位種が混じっていたそうだ。

それを、登録したばかりの新人が即殲滅なんて……ありえない話だよ」


だが、とギルマスは続ける。


「“物的証拠”がある以上、認めざるを得ない。

私の権限でランクを引き上げる。――いいね?」


空気が変わった。

先ほどとは比べものにならない圧――威圧感が場を支配する。

それでも、オレは一歩も引かない。

「嫌です」


即答だった。


「なんでだい!?」


ギルマスが不機嫌そうに声を荒げる。


「目立ちたくないからです。

登録して三日も経っていないのに高ランクになれば、冒険者にもギルド上層部にも目をつけられる。

不正がなくても疑われる――そんなのはごめんです」


理由を説明すると、ギルマスは深くため息をついた。


「……はぁ、わかったよ。

“今は”それでいいさ」


そう言って、作業員たちに指示を飛ばしながら、その場を後にした。

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