地球が数千万年かけた8848メートル、人類はわずか32年で踏破し
エベレスト初登頂の真実:人類が地球の頂で見たものとは
エベレストの頂を目指すルートは、中国側の北壁からでも、ネパール側の南壁からでも挑むことができる。しかし、この壮大な挑戦の幕を開けたのは、常に西洋からの探検家たちであった。初期における数々の遠征は、自国に標高わずか1345メートルの山しか持たないイギリスの登山隊によって主導されたのである。
そしてついに人類初登頂の栄誉に輝いたニュージーランドの登山家 Edmund Hillary と、ネパール人シェルパの Tenzing Norgay もまた、イギリス遠征隊の一員であった。
1953年5月29日、午前6時30分。二人は標高8500メートルに設けられた最終キャンプからアタックを開始した。5時間という過酷な道のりを経て、300メートル余りの標高差を登り切り、午前11時30分、彼らはついに地球の頂に立ったのである。疲労で震える手で、国連、インド、ネパール、そしてイギリスの旗を頂に掲げた二人は、ある約束を交わした。それは、「どちらが先に頂上へ足を踏み入れたのか、決して世間には明かさない」というものであった。
地球の頂から見渡す景色とは、一体どのようなものなのだろうか。人類史に残る偉業そのものに比べると、後に Edmund Hillary が自伝に綴った描写はいささか淡々としたものである。
「最後の苦しい数歩を踏み出した後、突如として視界が開けた。頭上にはただ空が広がるのみで、氷の庇も、氷塔も、もはや存在しなかった。我々は肩を並べて頂上に立っていた。そこは6人が立てるほどの広さだった」
エベレストの岩石から海洋生物の化石が発見されたことは、この天を突く巨峰が、かつては深い海の底に眠っていたという事実を物語っている。大陸プレートの移動と衝突という途方もない自然の力により、海面下から現在の標高まで隆起するのに、実に数千万年もの歳月が費やされた。
1921年、イギリスからの第一次遠征隊が長い旅路を経てチベット側に到着し、ようやく山の麓に立った。その年から数えれば、地球が数千万年かけて創り上げた8848メートルの高みに人類が到達するまで、わずか32年しかかからなかったのである。




