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条例都市  作者: こころ
24/45

迷惑親子

「なにやってるの!!」

そこへようやく、その子供の母親らしき人物がやってきた。

「だから、遊ぶな!って言ったじゃない!!」

こちらを気にせず、子供へ叱り始めた。

「・・・ごめんなさい。」

ようやく出た謝罪の言葉は、妻へ向けられたものではなく、

自分の母親へと向けられたものだった。

「全く!すいませんでしたね。」

一言、こちらへ言うと

「行くよ!」

カートを動かし、その場を離れようとした。

その瞬間、男はそのカートを掴み母親へ言い寄った。

「どこへ行かれるんです?妻へぶつけておいて。

子供から謝罪もなく、どこへ行かれるんですか!」

男はこの親子へ激しい怒りを持っていた。

「今、謝ったでしょ?!」

悪びれることなく、母親の次の言葉に男は愕然とした。

「子供のやったこと。そんな目くじら立てる事でもないでしょ。」

傍には先程よりは痛みがひいたのか、妻が立ち上がり、

男の腕に掴まる。

「もう、大丈夫だから。」

気丈に振る舞う妻だが、痛みが消えたわけでもないだろう。

それに、まだ子供から謝罪すらない状況に怒りが込み上げてくる。

「しかし!」

掴んだカートを離し、よろめいた妻の身体を支えたとき、

その親子はその場から逃げるように立ち去っていった。

「あんな親に育てられて、かわいそうなのは子供よ。

それに、2度と会うこともないだろうし。」

妻の言葉に、その場に留まったがまだ怒りはおさまらなかった男だった。


「もう!だから遊ぶな!って言ったでしょ!!」

母親である女性は、先程ふざけていた子供を怒鳴ると、

買い物を済ませた荷物と一緒に車へ子供達を押し込んだ。

「それにしても、さっきの夫婦は大袈裟だわ。

子供の力だし、あんな大騒ぎしなくてもいいのに。」

車に乗り込みエンジンをかけようとする。

その時、車の前に異様な格好をした者が立ち塞がった。

「なに?」

先程の男性かと思ったが、すぐに違うと理解できた。

車の前に立っていたのは、上下黒い軍服に深く帽子を被り

表情は見えないが、白い手袋をしているのが見えた。

後の子供達も、異様な雰囲気を感じ取ったのか、

先ほどまでの騒ぎが嘘のように静かになっている。

「よろしいですか?」

前の男に気を取られていて、ドアの隣にもう1人立っていたのに気づかなかった。

隣に立つ男は、やる気の見えない目に、無精髭をはやし、

何とも頼りない男に見えた。



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