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条例都市  作者: こころ
20/45

アルバイト

駅近くのホテルの一室。

一組の男女がことを済ませ、退室しようとしていた。男は40代。

中年太りではあるが身なりはしっかりとしていた。

会社員なのだろう。スーツを着ている。

女は男の連れとしてはかなり若く、

服装もシンプルにまとめられていて、化粧も薄めだ。見た目に派手さもなく、

側から見ると清純そうないでだちだ。

2人は恋人でもなく、もちろん夫婦でもない。

「今日もありがとう。」

帰りのエレベーターの中で、男に微笑み手を握る。

「こちらこそ、今日も楽しかったよ。」

男は微笑み返し、その手を握り返した。

「また、誘ってね。」

「もちろん。

今度は何か美味いものでも食べに行こう。」

「うん。」

エレベーターの扉が開き、出口に向かい2人は歩く。出口から出てすぐ

「じゃぁ、また。」

男は握った手を離して、歩き出す。

「うん。お仕事頑張って。」

女は反対側に向かい歩き始める。

鞄から携帯を取り出し、誰かへと電話し始めた。

「もしもし。わたし。今日は当たりかも。」

「ーーーーーーーー」


パパ活。

危険もあるが、普通のアルバイトより遥かに稼げる。

悪いことをしている、という罪意識は

最初こそはあれど、次第に薄まり

今は麻痺しているところもあるのだろう。

そんな生活に慣れ始めていた。

電話を切り彼女は駅の改札へ向かい歩き出した。


「失礼、ちょっといいですか?」

改札前で声をかけられ、振り向き驚いた。

そこには上下黒い軍服の姿の男が立っていたのだ。

帽子をかぶっているが、金髪かかった髪に

程よく整っている顔。イケメンだと思った。

自分より若い感じの男だった。



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