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第78話:三人目の、さよなら
「行かないで……!」
後ろからついてきた女の子が、二人の足元にすがりつきました。
彼女は、二人が人間だった頃の最後のアシスタントであり、二人を愛し、壊れゆく世界で唯一「記憶」を保ち続ける役割を選んだ存在でした。
「二人とも、思い出して。この扉を開けたら、あなたたちは本当に……『ひとつ』も残らなくなってしまう。私とのことも、二人が親友だったことも、全部消えて、ただの『光』になっちゃうのよ。カシアス、ヨハン……。お願い、行かないで。私が、ずっと二人を覚えているから。ここで、三人で暮らそう?」
女の子の涙が、二人の白い足にこぼれました。二人の胸の中に、彼女と一緒に過ごした何千もの日々が、一気に蘇って胸を締め付けます。




