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第64話:まどを流れる、きおく
列車がガタン、と揺れ、窓の外にホログラムの映像が流れ始めました。それはかつてのこの都の、美しく輝いていた頃の風景でした。
「わあ……! くう、見て! 建物がみんな笑ってるみたいだよぉ!」
窓に映る平和な景色に触れるたび、二人のなかに「故郷を愛する心」が鮮烈に灯りました。
「ぽこ、僕、思い出したよ。あそこの広場で、キミとお相撲したこと!」
「すごいよ、くう! あの大きな塔のてっぺんで、一緒におやつを食べたこともね!」
二人は、自分たちがこの街を守ろうとしていたことも、ここが自分たちの「家」であったことも思い出せないまま、ただ映像の中の幸福を、自分たちのものとして全力で慈しみました。




