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第50話:なんでもない(6)
「ねえ、ぽこ」
「なに? くう」
「ふふふ。……なんでもない」
二人は、雲を突き抜けて昇っていくリフトの端っこで、足をぶらぶらさせていました。
「なんでもない、ってなあに」
「あのね、下に見える街のガレキが、ちっちゃな積み木みたいに見えたから」
「ふふふ。なあんだ」
二人は、自分たちが何を差し出し、何を失ったのか、まったく気に留めていませんでした。
ただ、流れる雲が綿菓子のようで、隣に大好きな友達がいる。
リフトの心地よい振動に身を任せて、二人はまた新しい「きれい」を探しにいくのでした。




