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第40話:お支払いは「一番の友達」


二人の前に、重厚な「真空の門」が現れました。


『通行料:汝の深層に眠る、他者への「忠誠」と「絆」を供出せよ』


「あ、これ。またお供えの時間だねっ」


ぽこは、迷うことなく検知器におでこを当てました。


「……ねえ、ぽこ。いいの?」


くうが、門の前で立ち止まりました。


「いま、この鉄の人を『一番の友達』だって思い出したばかりじゃない。それを捨てたら、この人がかわいそうだよぉ……」


くうの瞳には、ほんの少しだけ、獲得したばかりの「絆」の重さが残っていました。


「いいんだよ、くう。だって、この人はもう動かないもん。思い出をここに置いていけば、この人は寂しくないでしょ? それにね、くう。僕には、いまキミっていう『新しい友達』がいるんだから、大丈夫だよ」


ぽこが目を閉じると、ゴーレムに感じた「忠義」と「絆」の記憶が、青い信号になって門に吸い込まれていきました。


「……あ。いまね、頭の中が『ふわっ』てしたよぉ!」


門が静かに開きます。


「ねえ、くう。あそこにある鉄の塊、邪魔だからどかしちゃおうよ」


「そうだねぇ、ぽこ。僕たちの歩幅には、ちょっと大きすぎるもんね」


二人は、自分がかつて「主」であったことも、足元の残骸が自分の命を守り抜いた従者であったことも、一瞬で忘れ去りました。


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