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第34話:お星様のビスケット
後ろをついてくる女の子が、小さな袋から「星の形をしたビスケット」を取り出しました。それは、廃工場の魔導オーブンを彼女が修理して、心を込めて焼いたものでした。
「……はい。これ、昔みたいに、二人で半分こして食べて」
ぽことくうは、顔を見合わせて「ぱくり」と食べました。
「わあ! サクサクしてて、お口のなかがお祭りだよぉ!」
「本当だぁ。なんだか……とっても『懐かしくて、あたたかいお部屋』の味がするよっ」
二人のなかに、かつて三人で暖炉を囲んでお菓子を食べた「団らん」の記憶が、味覚を通してじわじわと灯りました。女の子は、二人が無邪気に頬張る姿を見て、報われない愛しさにそっと目を閉じました。




