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第32話:ほしの海を泳ぐたまご
「わぁ……! くう、見て見て。お空に大きな『たまご』が浮いてるよぉ」
ぽこが指差したのは、空中庭園の中央に浮かぶ、巨大な銀色の球体でした。それはかつての魔導技師たちが、星々の運行を記録した「天球儀」の成れの果て。
二人がたまごに触れると、透明な膜が二人を包み込み、重力を失ったように体がふわふわと浮き上がりました。
「あはは! くう、僕たち、お空を泳いでるみたい!」
「すごいねぇ、ぽこ! お星様が、お口のなかを通っていくよぉ」
二人は、高度な天文学の知識を「キラキラした夢」として吸い込みました。二人は自分が宇宙の真理を知ったことも知らず、ただ「無重力」という不思議な浮遊感に身を任せていました。




