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第25話:お支払いは「安心感」


二人の前に、透明な「魔導障壁」が立ちはだかりました。


『通行料:汝が今得た、内側から溢れる「安らぎの記憶」を燃料として返還せよ』


「あ、これ。またお供えの時間だねっ」


ぽこは、迷うことなく障壁に手を添えました。


「ねえ、ぽこ。いいの? せっかく思い出した『おうちの温もり』……消えちゃうんだよ?」


くうが、ぽこの手をそっと握りしめました。もしこれを手放したら、また暗闇に戻ってしまうのではないかと、くうの瞳が揺れています。


「いいんだよ、くう。だって、道が『通っていいよぉ』って言ってる気がするんだもん。それにね、くう。思い出がなくなっても、いま僕たちがこうして手を繋いでいれば、それが『おうち』になるんだよ」


ぽこが目を閉じると、ハチミツを食べて獲得したばかりの「誰かに守られていた安息」の記憶が、青い信号になって障壁に吸い込まれていきました。


「……あ。いまね、頭の中が『ふわっ』てしたよぉ!」


障壁が溶けるように消えていきます。


「ねえ、くう。さっきまで何の話をしてたんだっけ?」


「えーっとね。……わかんない! でも、なんだか体が軽くなって、最高な気分だよっ」


二人は、空っぽになった心で、新しい「きれい」を求めて駆け出していきました。


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